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おすすめ本

「支配人バクスターの憂鬱」

ケイト・キングズバリー「支配人バクスターの憂鬱」創元推理文庫

ペニーフット・ホテルのシリーズ第5作。
古きよき時代のホテルを舞台に、いきいきとキャラが絡み合います。

1907年、夏。
ホテルを経営するセシリーは、未亡人になって夫の仕事を引き継いで5年になります。
頼りになる支配人バクスターを右腕に、猛暑の夏を乗り切ろうとしていました。
新しいドアマンのアーサーはハンサムでやたらと愛想をふりまき、バクスターは渋い顔。
セシリーの友人フィービまで、アーサーにときめきを覚えます。

そんなとき、ホテルの客が、謎の転落死。
妻は寝込み、一人息子スタンリーがホテルの従業員の手にゆだねられます。
これが悪童で、手に負えない。
女中のガーティは身重の体ながら、バリバリ働いていますが、度重なる悪さに怒り心頭、スタンリーとは好敵手とばかり応戦。これもおかしな展開に。
セシリーでは優し過ぎて扱えないようです。
当時としては進歩的で活発な冒険好きの女性ですが、今の基準ではおっとりしたもの。
しかし、このホテル、従業員が少なすぎるのでは‥

セシリーの息子の一人が軍隊を辞めて地元のパブを買いましたが、どうやら経営難の様子。
というのも、アフリカで結婚して連れてきた嫁シマニはなんと現地の人で、宣教師に教育を受けたので英語は滑らかだが服装も見るからに違う。
この時代に大胆ですね。村人もびっくりして足が遠のいている様子。
セシリーは人種差別はいけないと思いつつ、互いに馴染めない嫁姑でした。
しかも、よくない噂が‥?

明るく気立ての良いセシリーの意外な悩み。
バクスターのことは信頼しきっていますが、友情以上になりそうでならない緊張がある微妙な関係なんですね。
バクスターの視点からではないので、途中はこのタイトルを忘れていました。
バクスターの立場からすると、息子夫婦の登場はもっと現実的な脅威でもあるのでしょう。
最後にセシリーを驚かせた発言の真意は‥?
次の巻へ続く!(笑)

「首なし騎士と五月祭」

ケイト・キングズバリー「首なし騎士と五月祭」創元推理文庫

シリーズ4作目。
舞台は1907年4月のイギリス。
セシリー・シンクレアは、40代初めの魅力的な未亡人。
(外見の説明はないんですけど、穏やかな自信を持っているのと、回りの男性の反応からしてそうでしょう)
夫が遺したホテルを経営しています。
ロンドンから数時間の閑静な村にあるペニーフット・ホテルは、隠れ処的な人気を博していました。

ダウンズ(丘陵)にある森に、ジプシー達が現れて、住み着きます。
いずれは出て行くとわかっているものの、落ち着かない村人達。
そんなとき、セシリーには、長男から手紙が。
息子は二人とも軍に入っているのですが、長男マイケルが退役して帰ってくるというのです。
セシリーは素直に期待して喜びますが、なぜか支配人のバクスターは複雑な顔‥?

ホテルに長く滞在している大佐が、ある夜、ダウンズで死体を見たという。
しかも、首のない騎士と?!
ぼけかかっている上に酔っぱらったせいかと思われましたが、翌日、滞在客の妻が行方不明とわかり‥
ジプシー達が疑われます。
ホテルには、美しい妻達のいる貴族の三人兄弟が滞在しているのですが、なぜか皆、嘘をついている?

ホテルの泊まり客には、食事はいらないと言い張る不審な客もいたり。
ホテルの従業員を探しにやって来た女性も。
堅物のバクスターが心配して牽制するのをはねのけつつ、セシリーの調査は続きます。
バクスターとほんの少し接近?
相変わらず、メイドのガーティも一騒動。

五月祭を前にした時期。
五月祭というのは夏の到来を祝う古いもので、放牧がこの日から始まり、ハロウィンまで続くのだそう。へえぇ…
セシリーの友人フィービは、メイポールの周囲を踊る娘達の指導に必死。
メイポールというのは森から新しく切り出した高い木を立てるもの。それにリボンをたくさん結びつけ、リボンの端を持って娘達が踊り、リボンをきっちり巻き付け、踊りながら綺麗にほどいていくのだそうです。
それは確かに難しそうですね~!

「マクダフ医師のまちがった葬式」

ケイト・キングズバリー「マクダフ医師のまちがった葬式」創元推理文庫

ペニーフット・ホテルのシリーズ3作目。
ホテルを経営する未亡人セシリー・シンクレアが探偵役。

村の老医師マクダフ医師が亡くなり、教会で葬式が行われます。
セシリーは何しろ生まれたときからのつきあいで、頼りにしていました。
1年前の夫の葬儀も思い出してしまい、哀しい気持ちに。
ところが、葬儀の最中、警官が現れて突然、中止に。
なんと、死体が入れ替わっていた…?

教会の牧師は、セシリーの友達フィービの息子。彼の拾った紙のメモには、ホテルのシェフ秘蔵の献立表が。
ホテルが巻き込まれては大変と、ひそかに捜査を始めるセシリー。
謹厳な支配人バクスターは、セシリーより二つ年下。セシリーの身を心配し、立場上からも神経質なほど女主人を守ろうと苦労するのでした。
元はお転婆娘で大らかなセシリーは、犯人を突き止めるために突進。
バクスターはセシリーのアイデアに振り回されて、出来ないポーカーに参加する羽目になってしまうのは気の毒だけど~お笑いの一幕。

時は1907年2月のこと。
池の氷が割れて、子供が落ち、とっさに助けた農夫ジョーは村の英雄に。
ホテルのメイドのエセルは、ジョーに恋をするのです。

もう一人のメイドのガーティは、恋人で厩番のイアンとの結婚を控えていました。
従業員を家族のように思うセシリーが、ホテルで式を挙げるように準備しているのです。
結婚後は仕事を辞めるように言うイアンに、反発するガーティ。
大げんかになり、結婚をやめると言い出します。

マクダフ医師の代わりとして、一時派遣されてきた医師ケヴィン・プレストウィックは中年のやもめ。
これが魅力的で、何となくセシリーの女心を騒がせることに。
手袋をしているセシリーの手にキスをして、何気なく握ったままでいるという色男ぶりにも時代色が。手袋をしていないときには礼儀上、手には触れないのだそうです。
感情を見せないバクスターが、ちょっと嫉妬するのも楽しい。

「バジャーズ・エンドの奇妙な死体」

ケイト・キングズバリー「バジャーズ・エンドの奇妙な死体」創元推理文庫

ペニーフット・ホテルのシリーズ、2作目。
20世紀初めの古き佳き時代。
セシリー・シンクレアは、夫が遺したペニーフット・ホテルを経営する未亡人です。

港に灯台を建設することになり、バジャーズ・エンドの村は工事でにぎわっています。
ホテルに勤めていた若者イアンも、そちらの仕事の方が高収入なので~移っていました。
ホテルのメイドのガーティは、イアンの恋人。
元気なガーティは貧しい育ちで言葉遣いがいまだによくないけれど、メイド頭のミセス・チャッブは、娘のように思って目を掛けているのです。
じつは、ガーティは妊娠したのではないかと心配していました。

工事関係者が相次いで死ぬという事件が起きます。
セシリーの友達マデラインが知り合いで、その日に食事を出していたため、疑われてしまう。
ハーブを育てて、お茶や魔よけや民間薬を作っているマデラインは、魔女のような目で見られることもあったのです。
無実の罪で拘留された友のために、真相を探ろうとするセシリー。

ホテルの支配人バクスターは忠実なしっかり者ですが、古風で頑固でもあり、セシリーを守ろうと再三危険な行動を止めようとするのですが‥
さらにイアンにも疑いがかかり‥?!

セシリーのもう一人の友達フィービは、未亡人で、若い牧師の母親。
おしゃれでアイデア豊富だが見栄っ張りで噂好き。コルセットで固く締め付け大きな帽子をかぶった大げさなスタイルで、コミカルな役どころ。
ホテルの客で画家に見初められ?紹介されますが、ボヘミアンなんかと仰天して拒むことに。

男達はパブで、女達はドリーの喫茶店で集うのですが、ここのティーケーキ、美味しそう!
のどかな小さな村バジャーズ・エンドで起きた~思いがけない事件の真相は?
楽しみなシリーズ、快調です。

「ペニーフット・ホテル受難の日」

ケイト・キングズバリー「ペニーフット・ホテル受難の日」創元推理文庫

20世紀初頭の佳き時代を舞台にしたミステリです。
シリーズ1作目。

ペニーフット・ホテルの女主人セシリー・シンクレアは、夫を亡くして半年。
静かな田舎町バジャーズエンドにあるホテルは、隠れ処的な人気を博していました。
時は1906年、エドワード王の御代。
女性達はみな優雅さのある長いスカート姿ですが、婦人参政権運動も始まっており、新しい息吹もありました。
少女の頃は、実はおてんばだったセシリー。子供を育て上げ、夫を見送ったセシリーにも、新たな生活が?

女性が仕事をするのは、まだまだ異例なこと。
夫の遺言でホテルを続けることにしたものの、どこまで出来るかは未知数。
頼りになる召使いと常連のお客様に支えられ、優雅な女主人役はこなせるようになってきたところ。
そこへ起きた事件!

週に一度の催し物担当のフィービは、セシリーの友達で、牧師の未亡人。
今週はアラビアンナイトがテーマで、活人画用に借りた大蛇のヘンリーがカゴから逃げ出してしまったことを発見!どこかをさまよっている…?
そういうおかしな大問題もありつつ…

屋上の煉瓦がゆるんでいたので、セシリーがとりあえず立て看板を掛けたのに、なぜかそれが外されていて、そこから滞在客が転落死。
村の警官はあまり頼りにはなりません。
下手をすれば~スキャンダルになってホテルには命取りになりかねない!?

探偵を始めたセシリーを心配して見守る~謹厳実直な支配人バクスター。
ホテルを手伝ってくれる対照的な友人たち。
ホテルでのひそかな逢瀬に~入り乱れる恋人達。
さぼったり噂したりする~新米の女中達。
はたして、お忍びで泊まっている謎の客は、誰?
にぎやかな開幕です。

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