フォト

おすすめ本

「夜明けのパトロール」

ドン・ウィンズロウ「夜明けのパトロール」角川文庫

サーファーが主人公。
ポップな乗りで、最近のウィンズロウにしては軽快な話。

ブーン・ダニエルズは、凄腕のサーファー。
(ブーンは、あだ名が通称になったもの)
カリフォルニア州最南端、サンディエゴのパシフィックビーチに住んでいます。
警官を辞めた後、私立探偵の仕事をしていますが、仕事には身が入らない。
毎朝、サーフィンのために集まる仲間は、5人。「ドーン(夜明けの)・パトロール」と称していました。

水難救助員のデイヴ・ザ・ラブゴッドは、彫刻のようにたくましいハンサムで女性にモテモテ。
ジョニー・バンザイは、血気盛んな日系の警官。
ハイ・タイドは、公共事業課作業監督。サモア生まれで160キロの巨漢なため、満潮という意味のあだ名。
ハング・トゥエルブは、サーフショップの店員でドレッドヘア。
もう一人は、ブーンを上回るほどのサーファーの美女サニー。

サニーが現れたとき、ブーンと当然のように恋仲になったが、今は別れています。
ウエイトレスをしているサニーは、大きな波が来て脚光を浴びるチャンスを待っていました。
折しも、20年ぶりの大きな波が訪れようとしている…

公判で証言する予定だったストリッパーのタミーが行方不明になり、捜索の依頼に若い女性弁護士ペトラが、ブーンを訪れます。
イギリス人で育ちのいいペトラは、サーファー・ショップの2階の雑然とした部屋が事務所なのに呆れますが。
その頃、タミーという名前の女性は、ホテルから飛び降りていた…
人違いで殺されたらしく、ブーンは次第に本気で助けようと奮戦することに。

大きな波が来る前に、事件を解決する事が出来るのか?
タミーが働いていた店や付き合っていた男を捜すうちに、麻薬組織のボス、レッド・エディーが関わっていることがわかってきます。
ブーンとは、旧知の仲でした。
タミーは、猫のような眼をした美女。
なぜか事件現場に子供がいたらしい。その理由とは…?

警官を辞めたいきさつは、哀しい。
過去の無念が、似た事件の渦中に新たな行動を呼び覚ますことに。
弾むような文章で、明るい日ざしの中、個性的な人物がかっこよく登場。
予想外の展開で、面白く読ませます。
今の仲間達の心意気が良いですね。

著者は1953年生まれ。
サンディエゴ在住。それほど上手くはないがサーフィンもするそうです。
ニューヨークを始めとする全米各地やロンドンで私立探偵として働き、保険会社のコンサルタントもした経験があるそう。
1991年「ストリート・キッズ」でデビュー。
これは2008年の作品。2011年7月翻訳発行。
「犬の力」は、2010年度「このミステリーがすごい!」で1位。

「犬の力」

ドン・ウィンズロウ「犬の力」角川グループパブリッシング

ドン・ウィンズロウは、デビュー作「ストリート・キッズ」が大好きで、4作か5作は読みました。
これは評判が高いのですが、暴力描写が多いらしいので後回しにしていました。
これまでとはややイメージが違うよう?入魂の長編力作です。

アート・ケリーは元CIA。
メキシコでの麻薬密売ルートを撲滅しようと、DEA捜査官となります。
若い日に後見人のような存在「叔父貴(テイオ)」として面倒を見てくれた名士ミゲル・バレーラが、実は組織の大立て者で、大ボス検挙の手がかりをくれたのは自分がトップにのし上がるため。
アートは利用されたと知ります。

アートだけではなく、組織側の若い者がいかに取り込まれていくかも描かれます。
バレーラの甥のアダンとラウル兄弟。
摘発されにくいように上流階級に食い込む方策をとるとは…
羽振りのいいラウルの遊び仲間となり、良家の子息だった大学生ファビアンは、やがて冷酷な殺人者となっていくのです。
アイルランド移民で、足を洗おうとして果たせないショーン・カラン。
互いにバトルを繰り広げつつ、人生行路を切り開いていきます。

カランと若い頃に出会ったことのある高級娼婦のノーラ。
カトリックの枢機卿フアン・パラーダと知り合い、民衆の中に立ち混じって働く彼に共感して、奉仕活動に通うようになります。時折「白い館」での仕事も続けながら。
映画「ゴッドファーザー」を思わせる家族の絆や裏切り、組織の興亡。
この作者らしいテンポ良くリズミカルな文章で、目に浮かぶように、読ませます。

DEA南西国境特務室の室長となったアートは、部下を殺されたことから更に執念を燃やして組織撲滅へ動きます。
いよいよ事態は国際的にも紛糾、どっちに正義があるのかわからない泥沼の闘争へ。
1970年代から2004年にいたる~中南米の麻薬抗争を大筋でたどっているそうです。
若い頃から描かれてきた人物が一堂に会したり、運命が交錯する所が面白い。

最後の方の銃撃戦や、手に手を取っての逃避行、虚々実々の駆け引き、橋の上での身柄引き渡しと最後まで盛り上げます。
いや~すごい迫力でした。

その他のカテゴリー

bベスト本 | i本屋大賞候補作 | l本屋大賞 | l直木賞 | l芥川賞 | l:日本エッセイスト・クラブ賞 | mf:世界幻想文学大賞 | mf:日本ファンタジーノベル大賞 | m:CWA賞 | m:MWA賞 | m:このミステリーがすごい! | m:アガサ賞 | m:マカヴィティ賞 | name:あさのあつこ | name:万城目学 | name:三上延 | name:三浦しをん | name:上橋菜穂子 | name:上野千鶴子 | name:中島京子 | name:乾くるみ | name:五木寛之 | name:京極夏彦 | name:仁木英之 | name:今野敏 | name:伊坂幸太郎 | name:佐々木譲 | name:佐藤多佳子 | name:佐藤賢一 | name:佐野洋子 | name:勝間和代 | name:北村薫 | name:原田マハ | name:坂木司 | name:大島真寿美 | name:大崎梢 | name:太宰治 | name:姫野カオルコ | name:宇江佐真理 | name:宮下奈都 | name:宮部みゆき | name:小川洋子 | name:小川糸 | name:山之口洋 | name:山崎ナオコーラ | name:山田詠美 | name:島本理生 | name:島田荘司 | name:川上弘美 | name:恩田陸 | name:有川浩 | name:朝井リョウ | name:木内昇 | name:杉本苑子 | name:村上春樹 | name:村上龍 | name:村山早紀 | name:村山由佳 | name:東川篤哉 | name:東野圭吾 | name:松井今朝子 | name:林真理子 | name:柚木麻子 | name:柳広司 | name:栗田有起 | name:桜庭一樹 | name:梨木香歩 | name:森絵都 | name:森見登美彦 | name:森谷明子 | name:横山秀夫 | name:橋本治 | name:池上永一 | name:津村記久子 | name:海原純子 | name:海堂尊 | name:湊かなえ | name:町田康 | name:畠中恵 | name:百田尚樹 | name:矢崎存美 | name:磯崎憲一郎 | name:神田茜 | name:米村圭伍 | name:米澤穂信 | name:綿矢りさ | name:荻原規子 | name:菅野雪虫 | name:葉室麟 | name:角田光代 | name:誉田哲也 | name:貴志祐介 | name:辻村深月 | name:近藤史恵 | name:道尾秀介 | name:長野まゆみ | name:香山リカ | name:高田郁 | oその他の作家 | o海外作家:C.J.ボックス | o海外作家:M.C.ビートン | o海外作家:P.Gウッドハウス. | o海外作家:R.D.ウィングフィールド | o海外作家:S.J.ローザン | o海外作家:アガサ・クリスティ | o海外作家:アラン・ブラッドリー | o海外作家:アリアナ・フランクリン | o海外作家:アリス・マンロー | o海外作家:アレグザンダー・マコール・スミス | o海外作家:アンナ・マクリーン | o海外作家:アン・クリーヴス | o海外作家:アン・タイラー | o海外作家:アン・マキャフリイ | o海外作家:アーシュラ・K・ル=グウィン | o海外作家:アーロン・エルキンズ | o海外作家:エリザベス・ギルバート | o海外作家:エレイン・ヴィエッツ | o海外作家:エレン・カシュナー | o海外作家:カズオ・イシグロ | o海外作家:カミラ・レックバリ | o海外作家:カルロス・ルイス・サフォン | o海外作家:キャロル・オコンネル | o海外作家:キンバリー・ウィリス・ホルト | o海外作家:ギヨーム・ミュッソ | o海外作家:クリストファー・プリースト | o海外作家:クレイグ・ライス | o海外作家:クレオ・コイル | o海外作家:ケイト・キングズバリー | o海外作家:ケイト・モス | o海外作家:ケイト・モートン | o海外作家:ゲイル・キャリガー | o海外作家:コニス・リトル | o海外作家:コニー・ウィリス | o海外作家:コリン・ホルト・ソーヤー | o海外作家:コルネーリア・フンケ | o海外作家:サラ・ウォーターズ | o海外作家:サラ・スチュアート・テイラー | o海外作家:サラ・パレツキー | o海外作家:シャロン・フィファー | o海外作家:シャンナ・スウェンドソン | o海外作家:シャーリィ・ジャクスン | o海外作家:シャーレイン・ハリス | o海外作家:シャーロット・マクラウド | o海外作家:ジェイソン・グッドウィン | o海外作家:ジェイニー・ボライソー | o海外作家:ジェイン・オースティン | o海外作家:ジェフリー・ディーヴァー | o海外作家:ジェフリー・フォード | o海外作家:ジェラルディン・ブルックス | o海外作家:ジャニータ・シェリダン | o海外作家:ジャネット・イヴァノヴィッチ | o海外作家:ジュンパ・ラヒリ | o海外作家:ジョアン・フルーク | o海外作家:ジョナサン・キャロル | o海外作家:ジョン・ハート | o海外作家:ジョージ・R.R.マーティン | o海外作家:ジョー・ウォルトン | o海外作家:ジル・チャーチル | o海外作家:スティーグ・ラーソン | o海外作家:ステファニー・メイヤー | o海外作家:スーザン・プライス | o海外作家:スー・グラフトン | o海外作家:タニス・リー | o海外作家:ダイアナ・ウィン ジョーンズ | o海外作家:ダイアナ・ガバルドン | o海外作家:ダン・ブラウン | o海外作家:ディック・フランシス | o海外作家:デイヴィッド・アーモンド | o海外作家:デニス・ルヘイン | o海外作家:デボラ・クロンビー | o海外作家:トレイシー・シュヴァリエ | o海外作家:トーベ・ヤンソン | o海外作家:ドナ・アンドリューズ | o海外作家:ドナ・ジョー・ナポリ | o海外作家:ドミニク・シルヴァン | o海外作家:ドン・ウィンズロウ | o海外作家:ナンシー・ピカード | o海外作家:ネレ・ノイハウス | o海外作家:ノア・ゴードン | o海外作家:パウロ・コエーリョ | o海外作家:パトリシア・A.マキリップ | o海外作家:ピーター・キャメロン | o海外作家:ピーター・ディキンスン | o海外作家:ピーター・トレメイン | o海外作家:ピーター・ラヴゼイ | o海外作家:フランセス・ファイフィールド | o海外作家:フレッド・ヴァルガス | o海外作家:ヘイリー・リンド | o海外作家:ヘニング・マンケル | o海外作家:ベリンダ・バウアー | o海外作家:ベルンハルト・シュリンク | o海外作家:ポール・ドハティ | o海外作家:マイクル・コナリー | o海外作家:マーガレット・アトウッド | o海外作家:マーセデス・ラッキー | o海外作家:ミネット・ウォルターズ | o海外作家:ミュリエル・バルベリ | o海外作家:メアリ・W.ウォーカー | o海外作家:メグ・ガーディナー | o海外作家:メグ・キャボット | o海外作家:ユッシ・エーズラ・オールスン | o海外作家:リサ・クレイパス | o海外作家:リチャード・ノース・パタースン | o海外作家:リース・ボウエン | o海外作家:ルーシー・モード・モンゴメリ | o海外作家:レジナルド・ヒル | o海外作家:レスリー・メイヤー | o海外作家:レーネ・レヘトライネン | o海外作家:ロイス・マクマスター ビジョルド | o海外作家:ロビン・ホブ | o海外作家:ローズマリ・サトクリフ | o海外作家:ローズマリー・マーティン | o海外作家:ローナ・バレット | o海外作家:ローラ・チャイルズ | o海外作家:ローラ・リップマン | o海外作家:ローリー・キング | o海外作家:ローレンス・ブロック | o海外作家:ヴィヴェカ・ステン | o海外作家:ヴォンダ・N.マッキンタイア | お人形 | お人形着物 | お茶 | アニメ・コミック | ウェブログ・ココログ関連 | グルメ・クッキング | コージー | ジェイドール | ジェニー | スイーツ | ドールmomoko | ドール:Misaki | ドール:SD | ドール:シドニー | ドール:ピュアニーモ | ドール:プーリップ | ドール:ユノアクルス・アズライト | バービー | ファッション | ファンタジー | フィギュアスケート | ベスト本 | ミステリ | リカちゃん | ロマンス | 介護 | 健康・ダイエット | 児童書・YA | 動物 | 国内作家:あ行 | 国内作家:か行 | 国内作家:さ行 | 国内作家:た行 | 国内作家:な行 | 国内作家:は行 | 国内作家:ま行 | 国内作家:や行 | 国内作家:ら行 | 国内作家:わ行 | 国内小説 | 家事 | 心と体 | 日記 | 映画・テレビ | 書籍・雑誌 | 歴史もの | 海外小説 | | 病気体験 | 着物 | 経済・政治・国際 | 絵本 | 舞台・バレエ | | 言葉・歌 | 評論・エッセイ | SF

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

カテゴリー

無料ブログはココログ

最近のトラックバック