「妖精の丘にふたたび」

ダイアナ・ガバルドン「妖精の丘にふたたび」ヴィレッジ・ブックス

アウトランダー・シリーズ。
「時の旅人クレア」「ジェイミーの墓標」「時の彼方の再会」がそれぞれ3冊ずつあるので、これはシリーズ10~12冊目に当たります。
世界20ヵ国以上で出版され、1500万部突破のベストセラー。

クレアは、20世紀の女医。
ジェイミー・フレイザーは、18世紀スコットランドのハイランド出身の戦士。
クレアがハイランドを旅行中に妖精の丘でタイムスリップして、二人は出会いました。

1767年、アメリカに渡った二人は新天地に定住の地を見つけ、フレイザーズ・リッジと名付けて住み着くことにします。
ジェイミーの伯母ジョカスタは、歓迎してくれるのでしたが‥

20世紀では、クレアの娘ブリアナが、ロジャーとの恋をしだいに自覚しつつも、二人の父のことで悩んでいました。
育ててくれた父のフランクが亡くなり、実の父ジェイミーには会ったこともなく18世紀の人間、ブリアナはクレアの時空を超えた大恋愛の結実なのだから‥

ブリアナが過去へ行ったと知ったロジャーは、すぐに後を追います。
当時、スコットランドからアメリカへ渡るには、ただでさえ危険な航海。
ロマンチックですが~それだけでは終わらない?!

クレアは、ジェイミーの甥イアンと3人で、開墾に追われていました。
知り合ったインディアンはフランス語を話すことができ、ジェイミーが熊をしとめたお礼にと贈り物を持ってきてくれます。
クレアは次第に治療師として知られるようになり、あちこちに馬で出向くようになりました。
危険な冒険もありつつ、続いていく暮らし。
そこへブリアナがたどり着き、父娘の対面!

ロジャーとは会えないまま、憂いがちなブリアナを案ずる両親。
ジェイミーの誤解から、ロジャーは恐ろしい窮地に。
伯母の家で待つことになったブリアナはジョン・グレイと出会い…そして、思いがけない運命が…?!
起こりそうな危機はすべて起こりつつ、さらにスリル満点な展開。
えらい目に遭う話もリアルな描写でガンガン進み、まとめ上げていくのは、あっぱれ。
長いシリーズなので、ここまで来たらどうだろうと思いましたが、だれることなく、上手く展開させていきます。
五感を刺激するような臨場感溢れる描写が実になめらか。これは飜訳もとてもいいですね。
過去へ旅してみたくなります。

「時の彼方の再会」

ダイアナ・ガバルドン「時の彼方の再会」(ヴィレッジブックス)ソニーマガジンズ

ガバルドンの「アウトランダー」シリーズの3作目。
「時の旅人クレア」「ジェイミーの墓標」についで、これも3冊あります。既に9冊になるわけですね。
ドラマチックで良く書き込んであり、面白いですよ。

シリーズの発端は、第二次大戦終結直後に、夫フランクの郷里スコットランドに来た若妻クレアが、ストーンサークルで何故か18世紀にタイムスリップしてしまう。
そこで出会った青年ジェイミーと恋に落ちるというもので、イングランド人を憎むスコットランド人に嫌われたり、従軍看護婦だったので治療師として活躍するが魔女と疑われたりとさんざんな目に遭いながらも~愛を深めていきます。

[すぐ読もうと思っている方は下はさらっと斜め読みにしといて下さいね。
あまり詳しい事までネタばれはしないように書いてますけども]

続く「ジェイミーの墓標」はパリでの活躍やジャコバイトの反乱、そして18世紀から戻るに至ったいきさつが語られ、現代で夫フランクの死の後に、娘ブリアナを連れてスコットランドへ。
ブリアナに実の父ジェイミーの事を話し(最初はもちろん荒唐無稽な話として信じて貰えないのですが)、研究者のロジャーの協力を得て、200年前のジェイミーの消息調べが始まります。

さてこの「時の彼方の再会」は、タイトルで、まあジェイミーの元へ戻るのね?とわかりますよね。
でも一筋縄ではいきません~。
互いに死んだと思い、生きているとしても二度と会えないと思い込んで苦しんでいるクレアとジェイミーのそれぞれの生活がまず描かれます。

現代のアメリカで子供を生み、医者になる勉強もしつつ暮らしたクレアの日々。 実体験を込めているのか、忙しい子育てがえらく生々しいです。(夫のフランクとはあまり上手くいきませんが~フランクとしては無理もない?)
戦乱を生き延びたものの謀反人として捕えられたジェイミーの苦闘の年月と、それを辿るクレア達が描かれます。

そして、ついに18世紀に戻ったクレア。
エジンバラで働くジェイミーと感動の再会!
大柄で存在感のある心のあたたかいジェイミーは健在で、よく似た娘が無事に育っている事に感動してくれます。
しかし、20年の歳月は重く、ジェイミーが置かれた立場もまた新たな危険をはらんでいました。
ありとあらゆる苦しみが襲いかかるに近いですね~でも、手を携えて危機を乗り切り、時には体当たりでケンカする2人は変わりません。多彩な人物が登場して盛り上げてくれます。
ジェイミーの甥、ヤング・イアンが何者かの船にさらわれ、クレア達は救出のために大海原へと船出します。何と、ジャマイカまで…!
苦難の航海、疫病、意外な再会、エキゾチックな南海の自然と現地の人々、むざんな奴隷貿易と奴隷の反乱。
そして、時を越える意味とは……!?
まだまだ続くシリーズです。

「ジェイミーの墓標」

ダイアナ・ガバルドン「ジェイミーの墓標」(ヴィレッジブックス)ソニー・マガジンズ

ロマンティック・アドヴェンチャー大作「アウトランダー」シリーズの2作目。
1作目はブログを始めて間もない頃に紹介したんですが、それっきりになってたんですね。再読してみました。
第二次大戦終結直後、スコットランドを夫と旅行中に、ストーンサークルからタイムスリップしたクレアが、18世紀の若者ジェイミーと愛し合う波乱の物語です。
ジャンル的にはファンタジーですかね…歴史物の醍醐味があります。
作者は長年大学で教えた人で、細部までよく書き込んであり、臨場感たっぷり。

200年前、イングランドはカトリックの王を追放し、娘夫婦メアリとウィリアムのハノーヴァー王朝になっている時代。
スコットランドはカトリックの王を戴いて、反乱を起こそうと動きます。
クレアとジェイミーはスコットランドを出てパリで暮らし、悲惨な敗戦になるとわかっている戦闘に巻き込まれるのを食い止めようとするが?!
運命は…
現代に戻って娘を育てたクレアの回想という衝撃の展開!?まだまだ続くシリーズです。

↓以下、ややネタばれになりますので、これからすぐ読もうとしている方はご注意!

貿易商の叔父の元で暮らすクレアとジェイミーは、宿敵が生きていた事を知り、動揺します。
クレアは宮廷に出入りしつつ、治療師としても活躍。
ルイ15世の宮廷やワインの輸入商売、怪しげな薬草医など、歴史物の面白さと、スリルに満ちた恋愛描写がたっぷり味わえます。
ジャコバイトの乱が起きるのを防ごうと動いて、いったんはハイランドに戻って平和に暮らしますが、事態は急転!

反乱軍に加わるしかなくなったジェイミー達の軍勢は、戦争の実際を知らない指揮官ボニー・プリンス・チャーリーに振り回されます。
イングランド軍に追いつめられた時にイングランド女性の捕虜を装い、ジェイミー達を逃がすクレア。
預けられた先は何とどっちの味方かわからない曲者・サンドリンガム侯爵の館。パリで親しくなったメアリとアレックスとの思いがけない再会…
現代の夫の先祖にあたる一族と関わることで、歴史を改変してしまうのかと悩むことになります。
クレアが現代に戻されるいきさつ、全てを話した理由とは!?怒濤の展開です。

「アウトランダー」シリーズは本国では6作出ている模様。
こちらでは文庫で各3冊ずつ~邦訳タイトルでは「時の旅人クレア」「ジェイミーの墓標」「時の彼方の再会」「妖精の丘にふたたび」と続いているようです。
雰囲気はゴロン夫妻の「アンジェリク」が一番近いかな~。
面白いです!

「時の旅人クレア」

「時の旅人クレア」ダイアナ・ガバルドン(ヴィレッジブックス)

第二次大戦終結直後、二度目の新婚旅行にスコットランドに来ていたクレアは、ストーン・サークルで意識を失い、なんと18世紀にタイムスリップしてしまう。
夫の先祖に当たるそっくりな男に捕らえられ、思いがけないクレアの大冒険が始まります。
従軍看護婦だった経験を生かして助けた若者との間に恋が生まれますが…
この若者が良い奴で(^^)

原題は「Outlander」
あちらで大ヒットしたのもうなずける波乱万丈の物語です。
作者は大学で教えている人で、確かな知識の裏づけがあり描写が詳しい。
その上にロマンス作家顔負けの生々しい感情表現が加わっているのです。
フルコースの後にデザート選び放題といった趣(^^)

「時の旅人」というとアリスン・アトリーの佳作もありましたっけ。
少女が主人公で、古い館内での物語。幻に迷い込むような雰囲気があって、素敵でした。
ゼンゼン趣は違います…(^^;

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