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「結婚は殺人の現場」

エレイン・ヴィエッツ「結婚は殺人の現場」創元推理文庫

南フロリダで崖っぷち生活を送るヘレン。
事情あって離婚した夫から逃れるため、現金で給料を貰える職を転々としているのです。

今度の仕事はブライダルサロンで、かなり流行っていて忙しい。
元は有能なキャリアウーマンだったヘレンのこと。
店主のミリセントには頼りにされています。
衣装選びは大事で、花嫁はヒステリー寸前だったり、さまざまな人間模様が展開するのでした。

中でもきわめつけに問題があるのは、大人しい花嫁デジレ・シェンラッドの母キキ。
大金持ちのキキは、娘が試着するドレスが気に入らない。
あまり引き立たない古風なドレスを娘に着せ、娘を圧倒するような豪華なドレスを自分のために選び、お抱え運転手とは人目もはばからず絡み合う有様。
花婿は、ハンサムな俳優ルーク。
付き添いの男女の服も決めて用意するため、店は大騒動に。

しかも式の当日、キキは現れず、花嫁にベールをつける母親の役割をヘレンが代わりにやることに。
後に、キキの死体を発見してしまう…
身元を探られたくないヘレンは変装して店に出入りし、事件の早期解決のために奔走します。
関係者は俳優や演出家など、華やかです。

ブライダルサロンではおおかたは困った客が多いのですが、仲の良い母娘の感動的なシーンも。
ヘレン自身、母とは上手くいかず、母が再婚すると姉から聞いたり、抱えている過去もちらほらと。

ヘレンが住んでいる<ザ・コロナード>は快適な建物で、大家のユニークな女性マージョリーとも仲が良く、さらにフィルという素敵な恋人まで出来たのですが…
フィルの妻だという派手な女ケンドラが乗り込んで来て、ヘレンはフィルと大げんかに。
じつは離婚成立まで一ヶ月あるので、ケンドラは近場で仕事があるため、フィルの部屋に住むという。

ヘレンのほうが、浮気した前の夫のイメージから逃れられないでいる、と指摘するマージョリーでした。
新しい下宿人で、ウォレンという~ダンス教室を経営する男性が登場。
高齢だがスタイルの良いマージョリーはウォレンとダンスを楽しみ、いい雰囲気になります。
さて?

2005年の作品。
生きの良いシリーズ、好調です!

「おかけになった犯行は」

エレイン・ヴィエッツ「おかけになった犯行は」創元推理文庫

ヘレンの崖っぷち転職シリーズ3作目。
ゆえあって記録を残さないようにしているため、現金払いの不利なバイトを続けるヘレン。

今回は、電話で勧誘する仕事。
トイレのタンクの洗浄剤を7年分売りつけるのです。
座って電話し続けるストレスで、みんなお菓子をつまむので太り出すとか。
電話での勧誘って、かかってくる側からしたら、時間とられるし、要らないものの説明を長々されたりして、面倒なものですよね。
でも、電話するのは雇われた人間…ひどいこと言われたり、怒鳴りつけられたりして大変な仕事なのね。
はっぱをかけると称して指導する上司の発言が、またなかなかすごいんです。
売りつけるには、騙されやすそうな相手のツボをつく、といった態度で臨まないと成績があげられないという実情…これもストレスになりますね。
会社の搾取もあり、この仕事を続けているのは~密入国者や子連れで来ている未婚の母、犯罪歴のある人間など。
ここにも、格差社会&肥満の増えているアメリカの一端がありましたcoldsweats01

さて、電話中に人が殺されるような様子を聞いてしまったヘレン。
これが事件です!
通報しましたが現場は何事もなかったように見えたらしく、警官にはとりあってもらえない。
被害者の姉サヴァナと連絡がつき、事情を探り始めます。
上流社会のあやしげなパーティーに潜入。ダイエットしすぎの金髪のマダム達など~こっけいですが、大金持ちのサイテー発言など妙に現実らしくも思えます。
しかしヘレン、あぶなっかしい…元は高収入のキャリアウーマンとは思えません。
この危なっかしさも、このシリーズのある種の魅力?

住んでいるところだけは一定で、80の高齢ながら脚がきれいで粋な大家のマージョリーとの信頼関係はすすみます。
お気楽ムードなフロリダの暮らしの方が、見栄を張っていた以前よりも良いと実感している様子。
これまでよりはずっとマシなロマンスの気配も!
謎の住人フィルも登場。
なかなか勢いがあって~面白かったです。
2004年の作品。2008年12月発行。

「死体にもカバーを」

エレイン・ヴィエッツ「死体にもカバーを」創元推理文庫

ヘレンの崖っぷち転職記シリーズ第2弾。
今度の仕事先は書店です。
かっては高給取りのキャリアウーマンだったヘレンですが、別れた夫から身を隠したい事情があって、記録に残らない安給料の仕事ばかりを探しているのでした。

へんてこな本屋の客たちと、もっと困りもののオーナーに悩まされます。
オーナーは大金持ちの家柄だが本人は商才がなく、やたらに女好き。
そのオーナーが殺され、同じアパートに住む友達ペギーのベッドに死体が!
今ではオウムを唯一の恋人にしているペギーは、実はオーナーに騙された過去があったと知って驚くヘレン。書店に怒鳴り込んだことがあったとは。
大家のマージョリーは、70過ぎて紫のホットパンツといった格好の脚の綺麗な元気な女性。一緒に事件を探り始めます。

コージー(気楽に読めるミステリ)というには辛口で、愚痴や悪口が多い感じではありますが、どっか抜けている愚かさも含めて~面白おかしく書けています。
一作目では高級ブティックが舞台で、その内幕の描写が新人としては鮮烈でした。ヘレンの抱えている事情がだんだん小出しにわかってくるあたりも上手かったけど~わかってしまうと今一つ共感できないところもあり、読後感は微妙。
まだ人間不信でぴりぴりしていたって感じなんでしょうか。その後、友達も恋人も出来、問題があってもたくましく向かっていく元気が出たよう。
南フロリダで面白い人間に囲まれた今の暮らしの方が、かっての見栄を張っていた生活よりも自分らしいと思っているあたり、前よりも好感持てます。

「死ぬまでお買物」

エレイン・ヴィエッツ「死ぬまでお買物」創元推理文庫

わけありのニューヒロイン登場のユーモア・ミステリ第一弾。
フロリダで高級ブティックの店員になったヘレンは、店長もお得意様も整形美人で、バカ高い服に身を包み、餓死寸前までダイエットする有様に目をみはります。この辺の描写が強烈。
店長が殺され、まわりはアヤシイ人物ばかり、仕事を引き継いだヘレンは証拠探しを始めます。

もとは事務職のキャリアウーマンだったヘレンには不似合いな職場なんですが、別れた夫から逃れるため、記録を残さない仕事を見つけなければならない事情があったのでした。
ヘレンに何があったか、小出しにわかっていくあたりは上手く書けています。

一ひねりした設定に新味があり、下宿の人たちなどけっこう面白いです。
気の強そうなヘレンだけど人物像がまだはっきりしない部分もあり、店はつぶれたし、どうするのかな…しばらく逃げ続けるのか?
最近、こういう気楽に読めるミステリはいまひとつパッとしなくて品不足気味なので~今後の展開に期待したいところ。

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