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おすすめ本

「ミレニアム3」

スティーグ・ラーソン「ミレニアム」早川書房

シリーズ3作目。
テンションが落ちないのに感心。
これまでの設定と人物を生かしつつ、さらなる展開へ。

小さいながらも社会派の雑誌「ミレニアム」の記者ミカエルは、1作目で取材対象に逆に陥れられ、雑誌の存続も危ぶまれる危機にありました。
その時知り合ったのが、有能な若い調査員の女性・リスベットでした。

2作目の終わりで頭部を撃たれ、重傷のリスベット。
入院中の彼女にも危機が迫ってきます。
公安が事件もみ消しをはかる動きが…
ミカエルは手を尽くして、見えない敵と攻防を繰り広げることに。
リスベットの裁判の弁護を、実の妹に依頼します。この妹は、登場人物の中で一番まともで堅実かも。
もう一人、もてもてのミカエルと関わるたくましい?女性も登場。
公安を敵に回しての、ミカエルの大仕事は確実に進んでいきます。

一方、ミレニアムの編集長で、ミカエルの長年の愛人でもあったエリカ。
大出版社に引き抜かれて、ミレニアムを離れたのですが、行った先では赤字経営なのに旧弊な習慣が抜けず、年下の女性を侮る部下もいて、前途多難な様子。
しかも、エリカの自宅まで何者かの魔の手が…?

入院中でありながら、手助けによって徐々に、本来の有能さを発揮していくリスベット。
150センチで拒食症の少女のように見えるのだが27歳。有能なハッカー…ということは法律破りですけどね。
少女時代からの不当な扱いにリベンジしていくのが小気味よい。

それにしても孤独なリスベット。
これからの人生は一体どうなっちゃうのか…と最後の方でちらっと思わぬでもなかったんですが、その辺もなかなか。いい読後感になりました。
4作目が書きかけだったとか…
作者急逝がつくづく惜しまれます。

「ミレニアム2」

スティーグ・ラーソン「ミレニアム2 火と戯れる女」早川書房

スウェーデン初の世界的ベストセラー、その2作目です。
社会派の雑誌「ミレニアム」に降りかかった火の粉を、1作目で見事に払った編集者・ミカエル。
ミカエルに協力した女性調査員リスベットは、事件の後にミカエルが何度連絡しても答えようとせずに、行方をくらましてしまいます。

リスベットは、パンクスタイルでタトゥーも入れ、一見すると痩せた少女にしか見えないのですが、とっくに大人。
本当は非常に有能なのですが、著しく社交性を欠き(小学校では全く口をきかなかったとか)、自閉症気味ということで後見人のついている立場でした。
福祉大国の意外な盲点みたいな設定ですね。
リスベットをぼーっとした娘と誤解して性的虐待を試みた後見人の弁護士は、1作目で返り討ちに遭い、深く恨んで今回は復讐計画を練っているという。

一方、「ミレニアム」では、人身売買の組織を暴こうと調査を重ねてきたダグのレポートを取り上げることに。
だがダグが殺され、なぜか殺人事件の容疑者として、リスベットが全国に指名手配されてしまう。
正体を隠して密かな活動をしてきたリスベットがこんな目に遭うとは、予想外でした。

1作目でかいま見えた彼女の複雑な生い立ちが、その全貌を表してきます。
リスベットを助けようと探すミカエル。
この男、中年だけど~頭はいいし、人柄も悪くない、そしてやたらにモテモテ。見るからにエネルギッシュなんだとか。
恵まれている分、ちょっと鈍い所もありますが。

強くてりりしくて型破りで凶暴ですらある~男性的?性格なのはむしろ、リスベットの方、という配分になっています。
最初は疑惑の目を向けた警察も、ミカエルの主張を信用するようにはなるのですが…
リスベットに迫る追っ手と、迫真の対決へ。
スリリングで、非常に面白かったです。

「ミレニアム」

スティーグ・ラーソン「ミレニアム」早川書房

スウェーデンの作家のデビュー作が、世界的に大ヒット。
なるほど~テンポよく、なかなか派手です。

主人公は二人。
ミカエルは、月刊誌「ミレニアム」の発行責任者で記者でもある男性。
リスベットは、調査員の若い女性。

ミカエルが、大物実業家から名誉毀損で訴えられて有罪となり、屈辱をかみしめているところから始まります。
雑誌社を共同経営する女性・エリカとは、長年お互いの結婚にもかかわらず関係を持っているという自由な?面もありました。
ミカエルの有罪で「ミレニアム」は経営悪化の危機に。じつはそれもこれも陰謀かも知れない…?

そんな時、大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルから、思いがけない依頼を受けます。
40年前に行方不明になった16歳の姪孫ハリエットに何があったのか、家に滞在して調べ直して欲しいというのです。
今頃になって調査しても無理ではないかと思いつつ、ミレニアムの経営にも力になるという申し出なので、静かな村に滞在できるかと引き受けることに。
大富豪で家族経営を続けてきたヴァンゲル一家は、ほとんど憎み合っていた… ヘンリックの兄たちのサイテーぶりは呆れるほどで、苦笑。

副題のタトゥーの女がリスベットです。
パンク風ファッションで、10代の拒食症の少女のように見えるのですが、じつは凄腕の調査員。
子どもの頃からろくに口をきかず、親も病気で入院していたため、後見人がついているという育ち。後見人には知恵遅れのように思われているという…
リスベットが調査から徐々にミカエルと関わり、運命が交差していくのはなかなかスリリングです。
彼女の違法捜査と、いざというときの暴れっぷりはすごい。
いいのか?という点もあるが…胸のすく活躍といえるでしょう。
作者は、男性のキャラクターが普通担うような役割を意識して、彼女を描いたそうです。

著者ラーソンは1954年生まれ。
グラフィックデザイナーとして20年、やがて社会派の雑誌に加わる。
1995年、人道主義的な雑誌を創刊。2002年小説を書き始め、2004年出版契約を結び、2005年デビュー、たちまちベストセラーに。
しかし、本人は2004年11月、成功を見ないうちに心筋梗塞で死去。享年50。
驚きました…惜しいですね。

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