「秘密 下」
ケイト・モートン「秘密 下」東京創元社
面白かったです!
懸命に生きた人の思い、悲劇を悼み包み込むように、優しさが繰り返し揺れるような、切ない後味。
過去と現在、複数の人の視点で展開する物語。
お手の物の技ですが、上巻では焦らされて~時にイライラしかけることも‥
ここへ来て、怒涛の展開に。
老いた母の若い頃に何があったのか?
国民的女優となっている長女のローレルと学者になっている末っ子の弟ジェリーが協力し合い、過去を探っていきます。
登場人物は個性的でにぎやか。さまざまな思惑が飛び交います。
戦争中に記録が失われていたり、手がかりが尽きたかと思うと、思いがけないところから資料や証言が飛び出すのが面白い。
ネタバレになってしまうと、これから読む方の面白さが減るので具体的には書けませんが‥終盤は癒される展開になっていて、後味がよかったです。
歴史が好きで、年月がたつ話が好きな私には、ツボでした。
こういうタイプの小説、なんと分類したらいいんでしょうねえ。
ミステリ読みにも人気は出ると思いますが。
ロマンチックなところもあるけど、甘さは濃すぎない。
ドラマチックな話の好きな女性向け‥
というだけとも、言い切れないし。
面白い小説を探している人に☆
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