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おすすめ本

「未来への扉」

ノア・ゴードン「未来への扉」角川文庫

最初はカテゴリーをミステリにしていました。
それで違和感ないような内容と雰囲気です。
事件も多少はあるけど~でも殺人事件の謎を解くとかはなかったっけ、と。

千年医師3部作の最後の作品。
これだけは上下巻でなく1冊でまとまっています。
時代も現代なので、拍子抜けするほど読みやすい。
本人もご先祖のことにそれほど興味があるわけでもないしね~。
ただ、いくつか共通したモチーフは出てきて、それが時代の違いでこうなる、というのも読みどころになっていますよ。

通称RJこと、ロバータ・ジャンヌダルク・コールは女性内科医。
マサチューセッツの大きな病院に勤めて、仕事では成功していたけれど、大人になりきっていないような夫との結婚生活は、空洞化していました。
会議や書類仕事が増えていき、診療にろくに時間をかけられない矛盾に苦しんだり、いくつかの悩みを抱えつつ、さらに女性初という昇進の可能性も打診されます。

夫とは、離婚に。
別荘のある美しい町ウッドフィールドを訪れたとき、町に医者がいない悩みを聞き、町の医者になることを決意。
地元の看護師や地域の病院と連携して、つぎつぎに事態に対処していきます。
出会った男性デビッドとも、当初はとてもうまくいって、彼の娘サラともしだいに仲良くなります。
ところが不幸が起きて、彼は姿を消してしまいます。
取り残されたRJは苦しみますが、やがて戻ってきた彼の長い話を聞くことに。

医療のさまざまな問題と医者の悩みが、赤裸々に描かれます。
鼻っ柱は強いけど、繊細な優しさをもつけなげなRJ。
一人で森に入り、自力で道を切り開こうとしたりするあたり、ご先祖の血もひいているのかな。
時には、深刻な事態が起こるのは、止められないのですが‥
RJの気風のよさと献身的な仕事ぶりに、気分よく読み進められます。

「シャーマンの教え」

ノア・ゴードン「シャーマンの教え―千年医師物語2」角川文庫

千年医師物語の第2弾。3部作の真ん中です。
時代はとんで、19世紀アメリカ。
開拓地に渡った父と子の波乱の人生を描きます。
「シャーマンの教え」というと、老人の話みたいですが~主に青春ものです!

初代のロブ・J・コールから、代々、医師となっているコール家。
初代の孫に当たるロブ・Jは、1839年にスコットランドから、一人ヴィオラを抱えて、移民してきました。
ボストン施療院でアイルランド人移民のいる区画に派遣されます。
働きながら西へ向かい、イリノイの開拓地に良い土地を見つけ、町でただ一人の医師となります。
途中で知り合ったユダヤ人の薬剤師ガイガーとは、生涯の友人に。
ロブは馬で広範囲に往診し、医師がいることは村の売り物ともなり、発展していくのでした。

元はそこに住んでいたインディアン(今でいうネイティブ・アメリカン)達はとうに豊かな土地を追われ、貧しい土地に移り住んでいました。
ソーク族の一部が戻ってきたとき、ロブ・Jはその窮状に思わず手を差し伸べ、自分の土地の一角に住まわせ、雇います。
中でも、ソーク族の精神的指導者である呪医の女性マクワとは互いに助け合い、親しくなります。

癌で家にこもっている母子を助けようとしたロブは、その女性サラが癌ではないことに気づき、彼女の手術にマクワの手を借ります。
健康と美しさを取り戻したサラと、結婚。
ロブはサラを助手として、二人で馬に乗り、泊りがけで往診に出かけます。

妻の連れ子の長男アレックスは、農場の仕事に夢中。
次男のロブ(ロバート・ジェファソン・コール)は何かとマクワに面倒を見てもらい、シャーマンというあだ名がつきます。
シャーマンはコール家に伝わる才を受け継いでいましたが、病気で耳が聞こえなくなってしまいます。
村の学校の女教師と、幼馴染のレイチェル・ガイガーは、シャーマンの不自由がなくなるようにと、声を出して話し唇を読む練習を助けてくれました。

インディアンを巡っての苛烈な争い、村の発展に伴う出来事、南北戦争への軍医としての参加など、波乱を含みながら、誠実であたたかい心を持ったロブの人間らしい生き方に、心動かされます。
耳が聞こえないというハンデを背負ったシャーマンも、医師への道を歩むのです。
ユダヤ人で年上の女性レイチェルとも、運命的な再会を‥

冒頭にオルコットという名も見えるなど、歴史上の人物も登場。
資料を駆使して、みっちりと書き込まれていますが、臨場感に溢れていて人間くさく、ドラマチック。
アメリカに興味ある方、歴史が好きな方はぜひ☆
読み応えがあって、とても面白いですよ。

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