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おすすめ本

「フェイスオフ 対決」

デイヴィッド・バルダッチ、ジェフリー・ディーヴァー他「フェイスオフ 対決」集英社文庫

ミステリ作家の共作によるアンソロジー。
二人ずつ組んで、自分のキャラクターを登場させる趣向が面白い!

まずは、マイクル・コナリーとデニス・レヘインが組んで、ハリー・ボッシュとパトリック・マッケンジーの豪華な共演となります。
互いに相手を見ての描写が、面白い。
ボッシュをFBIと推測するなんて。そんなふうにも見えるんだ?(笑)

イアン・ランキンも登場。
ジェフリー・ディーヴァーの共作では、リンカーン・ライムにアメリア・サックスまで参加。
なんともゴージャスですね。
違う地域で活動している探偵をどう会わせて、共同捜査させるか、がミソらしい。

他は知らない作家が多く、元を知ってればもっと楽しめるのに~と、ちょっと残念。
アクション・シーンが売り物らしいシリーズ物の登場人物が多くて、短編で二人の主役が出会ったらすぐに容疑者の隠れているところに踏み込んだり、いきなりクライマックス!という展開になるのが、なかなか楽しいです。
そういう意味ではハズレ無し、かも。
アクション物が急に見たくなって、テレビ東京で昼間にやっている番組を続けて見てしまったりしました。
一部はイギリスの作家なんだけど~
企画がいかにもアメリカ的ですよね☆

「ナイン・ドラゴンズ」

マイクル・コナリー「ナイン・ドラゴンズ」講談社文庫

ハリー・ボッシュのシリーズ14作目。
現代最高のハードボイルドといわれるシリーズです。

ハリー・ボッシュはロス市警本部の刑事。根っからの警官です。
今回は別れた女性エレノアとの間に生まれた娘に、危機が‥!

かって暴動が起きたときに出向いた記憶のある酒店で、中国人の店主リーが殺されていた事件。
みかじめ料をとっていた中国系の犯罪組織「三合会(トライアッド)」の関与が疑われます。
アジア系ギャング対策班(AGU)の中国人刑事チューも、登場。
無意識に距離を置いていたボッシュは、「ベトナム帰りか」と偏見を指摘されて、気づかされたり。

有力な容疑者を逮捕した矢先、娘のマデリンを誘拐したという脅迫画像が送られてきます。
エレノア・ウィッシュは香港のカジノで生計を立てており、マデリンはもう13歳に。
ロスに滞在したこともあり、ボッシュにとっては最愛の存在。
香港に飛んだボッシュは‥!?
アクションシーンが多く、エンタメ要素が多い作品のようだったけど、思わぬ展開に驚愕‥
ハリー・ボッシュの新たな面を描きたくなったのか‥?

娼婦の子に生まれ、父には捨てられ、母からも引き離された育ち。
ベトナム戦争での暗い経験。
一徹な性格がもたらす警察内部での軋轢。
といったものを抱えつつ、刑事の感は鋭く、根っからの猟犬で、信頼できる腕前。
女性にはモテモテだけど、家庭のイメージがないせいか、仕事の虫のせいか?長くは続かない。
というボッシュでしたが‥

次は、意外な重荷を背負っての再出発になりそうです。
ある意味での若返りなのか‥?
ボッシュ大丈夫なのかとちょっと心配になっちゃうわ。
13歳の娘がいる割には年いってますよね~定年でも働き続けそうだけど。
常に水準をいっているミステリで、ボッシュの人間的な成長や他の作品とのスピンオフ的な絡みもあり、興味は尽きませんね。
この作品から読むのはオススメしません。
長年の読者としては、いずれ出る作品も読むのは確かです☆

「スケアクロウ」

マイクル・コナリー「スケアクロウ」講談社文庫

新聞記者マカヴォイが主人公の2冊目。
前作より10年後という設定で、新聞がネットに取って代わられつつある時代の流れも描いています。

ジャック・マカヴォイは、ロサンジェルス・タイムズの記者。
「ザ・ポエット」の事件で名を上げ、高給取りだったため、人員整理の対象になってしまったのです。
2週間だけ後任の教育に当たった後に、退職することになりました。
後任は野心的な若い女性。
同僚はいずれ彼女も良い記者になるだろうが、そうなるまでに多くの事件を見逃す、とマカヴォイを惜しむのでした。

若い黒人が白人女性を殺した容疑で逮捕されました。
小さな事件と思われたのですが、家族の抗議を受けたマカヴォイは事情を調べ始めます。
犯人スケアクロウの側からも、描かれます。
マカヴォイらの動きに感づいた犯人は‥
ネット犯罪と連続殺人犯という事件のほうは、いかにも派手な題材。
FBI捜査官のレイチェル・ウォリングが登場し、10年ぶりにがっつり取り組むことに。
マカヴォイからのたった一本の電話で動くレイチェル。

類似した事件の現場へ赴くと、突然クレジットカードが使えなくなり、預金も何者かに引き出されているという事態に。
かっての短く激しい関係を不適切とされて、レイチェルは5年間左遷され、マカヴォイとは連絡もなくなっていたのですが。
不気味な連続殺人犯と追いつ追われつの展開は、手際よくスリリングに描かれます。
レイチェルは個性的で有能だと思うけど、今回の展開は映画に出てくる理想の女性のよう。

作者自身が同じロサンジェルス・タイムズの新聞記者だったので、実感がこもった内幕小説ともなっています。
コナリーの主人公でなんといってもカッコイイのはハリー・ボッシュなんだけど、マカヴォイは他人と思えないらしい書きっぷりが、なかなか面白いです。
新聞記者のリアルな描写以外は、スピーディなエンタメに徹した仕上がり☆
ひととき夢中になって~堪能しました。

「真鍮の評決」

マイクル・コナリー「真鍮の評決 リンカーン弁護士」講談社文庫

リンカーン弁護士のシリーズ第2作。

ミッキー・ハラーは刑事弁護士。
法廷や刑務所を効率よく回るため、3台のリンカーンを乗り回しています。
正義の味方のつもりでいたくても、ほとんどの仕事は、常習犯罪者の刑を出来るだけ軽くする手続きというのが実情。

いささか自分の仕事に疑問を感じたり、病気治療の痛み止めで薬物中毒になってリハビリの時期を過ごしたりという経験を経て、少し雰囲気が変わっています。
1年もの療養期間を過ごし、ようやく仕事に復帰しようとした所。
相互に契約を結んでいた弁護士仲間ジェリー・ヴィンセントが殺されました。
ジェリーの仕事をいきなり引き継ぐことになったハラー。
信頼している秘書ローナと、ジェリーの事務所に乗り込むのですが。パソコンとファイルの一部が盗まれていました。

ジェリーはセレブの弁護を引き受けていて、裁判がもうすぐ始まるというタイミング。
映画プロデューサーで富豪のエリオットが、妻と浮気相手の二人を射殺したとされる事件。
25万ドルもの前金が振り込まれていました。
証拠はほとんど状況証拠ですが…

ロス市警強盗殺人課の刑事ハリー・ボッシュも登場。
殺人事件に対しては素人っぽいミッキー・ハラー。
後継の自分も撃たれかねないという状況で、強面の刑事ボッシュと互いに信じられずにやり合うのですが、やがて協力体制に。

離婚した妻のもとで育っている娘ヘイリーに会うのが楽しみなハラー。
「パパは悪い人のために働いているの?」と聞かれてしまう。
元妻マギーは検察官なのです。
裁判の傍聴に一度連れてきてくれるようにマギーに頼むと、渋い顔をされるが連れてきてくれる。
幼い娘には難しくてわからなくても、何かを感じて欲しかったのです。

軽いようでも、実は理知的な判断力をもっているミッキー・ハラー。
裁判のリアルで地道な描写がほとんどだった1作目でしたが。
今度は法廷が舞台のリーガル・サスペンスの楽しみはもちろん、より刺激的な~思いがけない展開で読ませます。
根っからの刑事ボッシュも客演ながらしっかり活躍。
ロサンジェルスの山の反対斜面に住んでいた二人には、実は思わぬ縁が…!
ハラーの厳格な父親がねえ…

2008年の作品。
この後、ボッシュものとハラーものが2冊ずつ出ているらしい。
安定したペース、翻訳も期待してます!

著者は1956年、フィラデルフィア生まれ。
引き抜かれてロサンゼルス・タイムズの記者になった経歴。
刑事ハリー・ボッシュのシリーズは当代最高のハードボイルドと評価されています。
ハードボイルドにしては?女性の描き方が個性あって上手いですよ。身近に有能で素敵な女性が沢山いるんでしょうね。

「死角」

マイクル・コナリー「死角」講談社文庫

ボッシュ・シリーズ13作目。
ニューヨークタイムズマガジン(日曜発行)に連載されたものに加筆修整した作品。
そのせいか、いつも以上にスピーディでテンポがいいですね。

仕事中毒で、目下恋人もいない刑事ボッシュ。
マルホランド・ドライブの東端、展望台で死体が発見されます。
跪いて射殺され、ギャングの処刑めいた状態でしたが、スタンリー・ケントという医師にそういう面はない様子。
残されたポルシェの中には、奇妙な痕跡が…

FBIが乗り出したため、レイチェル・ウォリングと、半年ぶりの再会。
ケント医師は、放射性物質に直接アクセスすることが出来るため、FBIのリストに載っていたのです。
妻のアリシアが襲われて、ケント医師は脅迫されたことがわかってきます。
FBIとの縄張り争いが始まるのでした。

展望台の上にマドンナが住んでいた家があり、ファンが訪ねてきて、事件を見ていたことがわかります。
目撃者の少年を隠すボッシュ。
ボッシュの新しい相棒は、イグナシオという男。
イギーと呼んでくれと言われていますが、刑事という仕事の現場で、イギーは軽すぎるのではと違和感を覚えて、いまだに一度も呼んでいなかったのですが‥?

相変わらずマイペースで強引で仕事中毒だけど、刑事としての勘は確かなボッシュ。
楽しみに読める安定した実力。
これは連載された作品のせいか、キャッチーでわかりやすい感じ。
いいですね~。

「エコー・パーク」

マイクル・コナリー「エコー・パーク」講談社文庫

現代最高のハードボイルドと評されるボッシュ・シリーズ。
もう何作目かな?
筋金入りの刑事ボッシュに、意外な連絡が来るところから始まります。

ボッシュが、13年も気に掛けていたマリー・ゲストという女性の失踪事件。
機会があるごとに調べ直し、容疑者と睨んだ金持ちのドラ息子には出来る限りの圧力をかけ、嘆き悲しむマリー・ゲストの両親とも連絡を取っていましたが…

死体を車に乗せているところを現行犯逮捕された男レイナード・ウェイツが、死刑を免れる代わりに、いくつもの犯行を自供する司法取引に応じます。
そして、あのマリー・ゲストの事件も自分の犯行だと。
野心丸出しの検察官らの言動。
犯行のタイプに違いがあり、にわかには信じられないボッシュですが…?

エコー・パークでの現場検証で、死体を埋めたという野外に関係者一同が揃って出向いたとき、犯人ウェイツが逃走。
ボッシュの頼りになる相棒の女性キズミンも、銃撃されて入院。
大事件に発展してしまいました。

エコー・パークというのは広大な公園で、死体を隠せそうという‥日本人が思い浮かべる基準よりでかいんでしょうね。
ボッシュは18ヶ月ぶりに、ケンカ別れしたEBIの女性レイチェル・ウォリングと連絡を取り、独自の捜査で真相を突き止めていきます。
スリル満点で、痛快な終わり方。
とはいえ、危険を顧みないボッシュは暴走気味で、そりゃ女にはモテるのに次々に引かれるわけだわ?だし、上手くいかなかった部分の苦みもあるけれど。
毎回高水準ですが~出来がいい方で、嬉しいなあ。

2006年発表の本書。
その後も毎年、新作があちらでは順調に出ているそうです。
後書きに出版不況のことが…そ、そうでしょうねえ。

「リンカーン弁護士」

マイクル・コナリー「リンカーン弁護士」講談社文庫

本のご紹介です~。
しばらくやってなかったので、なかなか頭が働きませんでした。ちょうど下書きも尽きてしまっていて…

ミッキー・ハラーは、リンカーンを乗り回すやり手の刑事弁護士。
ちょっと久しぶりな気がするマイクル・コナリーの作品です。
刑事ボッシュ・シリーズではなく、弁護士が主人公。

二度の離婚経験のあるミッキー、仕事に追われて、幼い娘に会いに行く時間もなかなか取れません。
広大なカリフォルニア州に点在する40を越す裁判所や刑務所を次々に回っているのでした。そこそこ成功してはいるのですが、大仕事には最近恵まれていないという焦りも。
別れた妻とはいまだにしょっちゅう顔をつきあわせる関係。しかも、検事と弁護士という敵対する立場でというのが面白い。

前半、現実的な事件の描写が続くので、カリフォルニアの実態がかいま見えます。あまり盛り上がりはしませんが、勤めている大人にはわかりやすいかも。
コナリーを読み慣れている人には、これがどう動くかな~このままじゃ終わらないよな絶対、という気分に。
そこへ飛び込んできた事件は…

大金持ちの一人息子で会社社長の30男が、女性に暴行で訴えられたのです。が、無罪を主張。
扱う事件のほとんどは常習的な犯罪者で、無罪の人間は少ないという現実があり、これは珍しい無罪かも知れないと思うハラー…
弁護士にとっては、無罪はやりにくいんだそうです。…なるほどね?

人生を変える事件に巡り会った中年の弁護士の奮闘を描きます。
リーガルサスペンスを書きたいとかねて思っていたというコナリーが、野球場である弁護士に出会い、満を持して5年がかりで書いた作品。
弁護士のハラーは刑事のボッシュとは反対の立場で、淡々と仕事をこなしていく様子だった始まりですが、なぜか似たような場所に住んでいる。
危機に陥って、しだいにボッシュと似てくるような?
犯人との対決はいかに?!

2006年、国際ミステリ愛好家クラブ主催のマカヴィティ賞最優秀長編賞を受賞した作品。
1999年に「わが心臓の痛み」でも受賞しています。
コナリーは達者ですね~。
続く作品では、ボッシュと共演もあるとか。

「終決者たち」

マイクル・コナリー「終決者たち」講談社文庫

ボッシュ・シリーズも11作目ですよ~。
2007年9月発行。原著は2005年。講談社文庫は4作目~以前のは扶桑社から出ています。

3年間私立探偵をやっていたハリー・ボッシュだが、ロス市警に復帰。
迷宮入りの事件を再検討する未解決事件斑に配属され、かっての相棒キズミン・ライダーと組むことになります。
頼りになる黒人女性のキズは、ボッシュの復職に力を尽くしてくれたのでした。
チームプレーの大切さを再認識して大人になったボッシュ、かっての暴走ぶりは影を潜め、ストレートな警察官物になっています。
腐敗を一掃しようとする時代の流れにも乗っていて、アメリカでは大好評だったというのも、うなずけます。
娼婦の息子でベトナム帰り、組織に馴染まない、いぜんの独特な陰影がほとんどなくなったけど~確かに私立探偵はやりにくそうだったんで、一匹狼のようでも根っから警官だったんですね。

終決者とは、事件の捜査をクローズさせる人という意味ですね。
他のタイトルと間違えなくて良いかも。( この前の3作は「夜より暗き闇」「暗く聖なる夜」「天使と罪の街」というハードボイルドっぽい長いタイトルで区別がつきにくいのよ)
新たなDNA鑑定の証拠を手に、17年前の少女殺人事件を再捜査するボッシュとキズ。
少女の母は娘の部屋を当時そのままに、父は行方知れずでホームレスらしいという家庭崩壊した状況にあり、事件の痛みはまだ長く続いていた…いつものように目線を低く、今は子を持つ親としても共感を保ちながら、捜査するボッシュ。
当時の警察の捜査が不十分だったことを突き止め、警察内部の反発を食らいながらも、猟犬のごとき本能を発揮します。
まっすぐに事件解決へ向かうボッシュはやはりいいですね!

「天使と罪の街」

マイクル・コナリー「天使と罪の街」講談社文庫

ボッシュのシリーズ10作目。日本では昨年、原著は04年の発行。
もう一つのシリーズ、テリー・マッケイレブものと合体したオールスターキャスト。
7作目の「夜より暗き闇」で既に共演したテリーが急死し、彼の妻がボッシュに調査を依頼してきます。
心臓移植を受けたために働くことが出来なかったテリーは、元はFBIの優秀な心理分析官(プロファイラー)。いぜんの事件の再調査を試みて、のめり込んでいたことが判明し、一方では「ザ・ポエット」の事件の連続殺人犯が不気味な動きを‥
「ザ・ポエット」に出ていたレイチェルも登場~アクションに大人の恋愛も盛り込み、かなり派手な展開になってます。

運命の女性エレノアと前作の終わりで意外な幸せが訪れそうになってましたが、そうは問屋が卸さない。
こいつは幸せになってはいけないキャラクターなのか!?と思いつつ読み進むうちに、ボッシュにとってはこれは十分幸せ!という気がしてきました~。

天使の街というのはボッシュの住んでいるロス・アンジェルスを指しているのでしょう。ボッシュの娘のイメージを掛けているのかな。罪の街というのはラスヴェガスのことなのか‥もう少し広い意味??
原題のTHE NARROWSは狭い川が危険だということを指していて、この方がカッコいいけど~日本語で「狭い川」っていうのもねえ。難しいものです。前2作のように「暗き」がついてないだけマシかな‥「狭く暗き街」じゃあんまりだし??

「暗く聖なる夜」

マイクル・コナリー「暗く聖なる夜」講談社文庫

ボッシュのシリーズ9作目。
ロス市警を辞めて1年になるハリー・ボッシュが心残りのある事件を追って活躍します。
映画会社に勤めていた若い女性が殺された事件を捜査していて、映画撮影の場で200万ドル強奪事件に遭遇、銃撃に加わったボッシュ。
強奪事件が大きすぎたために管轄が変わり、目撃したにもかかわらず捜査から外されていました。
その後、女性の事件が何の進展もないことを知り、新たに証拠を調べ始めます。
事件に関わった元刑事が今は半身不随になっているのを訪ねたボッシュに市警とFBIから妨害が入り、さらに興味を募らせるのです。

原著は03年、日本では05年9月発行の本です。
コナリーはけっこう長く読んでいる作家のような気がしますが、ちょっと久しぶりで~ボッシュってこんなんだったっけ…ともやもやしながら読みました。
刑事を辞めたために前ほどぴりぴりしていないせいかな~はじめのうちは展開も緩やか。
運命の女性エレノアとの再会も丁寧に、じりじりと描かれます。
半身付随の元刑事とその妻との出会いも描写が生半可でなく、ボッシュの見込みが覆されるのが鋭い。
そういえば、このシリーズは有能で魅力的な女性が意外なほど、たくさん出てくるのです。現実を反映しているのでしょうか?
後半は展開急で、これまで以上に派手な感じ。
結末には救いがあります。良かったですよ。

ボッシュのシリーズは92年発行の「ナイト・ホークス」で始まり、この後も順調に出ているんですね。
ハリー・ボッシュは1950年生まれという設定。(作者より6歳上)
本名はヒエロニムスで、有名な画家と同じ名。
シングルマザーだった母を11歳で亡くし、里親を点々として育つ。ベトナム戦争での過酷な体験でトラウマを負い、刑事としては凄腕だが一匹狼タイプなんですね。
「現代最高のハードボイルド」というのがコピー。そのわりには知られてない?ような気もしますが。
初期の作品は暗すぎると受け取られた時もあるのかな。でも、そうでもないような…痩せ形でなかなか渋い外見らしく女性にはもてるし、中身もだんだん変わってきたみたい。
人格は丸くはないですけど、けっこう仲間には信頼されてます。低い立ち位置に立って全てを見通すような天性の刑事でとにかく強いから!間違いもしますが、カッコイイといえば良いんですよ。
もっと穏和な別シリーズの主人公と共演した時に、危険そうでうさんくさく思われるのが面白かったですけどね。

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