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おすすめ本

「あなたの苦手な彼女について」

橋本治「あなたの苦手な彼女について」ちくま新書

主に男性向け?
苦手なタイプの女性とは…

男にとって「女」とは、自分の恋愛対象になる存在、という指摘はもっともなんでしょう。
それ以外の女性はまあ、どうでもいい存在なんだそうで。
女性の権利などもまあ、どうでもいい存在の話ならまあ、好きにして、といういい加減な流れで来たんじゃないか、という。
この指摘は、女性向けに書かれているような気もしますね。

大卒女子が企業に採用されないのが問題視された時代がありました。
それが徐々に変わったのは、社会が豊かになったから。
(え、それだけ?)
専業主婦というものは労働を軽減され、ある意味では労働を奪われた存在だと。
一人の人間に対して一人の人間が尽くすという制度には無理があるとか(…指摘は理解できますが。子供のいない専業主婦は辛くなる人多いもの。
そりゃ場合によってだいぶ違うと思いますが…一人が大勢に奉仕していたり重労働を担っている家庭も有りだし)

教育ママが出てきたのはエネルギーのはけ口。
(ああ、これはまあ…そうですね。というか、家庭の全責任を負わされたのよね)

女性が社会に参加するというのが、勤めることを意味するのはなぜか。店や家業を手伝っているおかみさんは社会参加していないのか?
(…うんうん)

「あなたには自分がないのね」と女性になじられる場合、その意味は?
裏切り者という意味だという指摘は面白い。
会社人間としての自分もない場合、上司に「自分はないのか?」と聞かれる場合も、というのがおかしい。
「男社会」という言葉が出てきた時期。その考えによって、女性は個として生きることを意識した…等々。
戦後の戸籍改正によって家はすでに崩壊していたのに、皆それに気づかない??

繰り返しも多いし、理屈のための理屈のように思える部分もありますが、珍しい角度から光を当ててあるのが面白い。
え~と、つまりだから何なんでしょう…
個人として生きているとまわりにも合わせなくていいと思うようになるので、女性はすごくわがままになる場合があるって事?

「日本の女帝の物語」

橋本治「日本の女帝の物語 あまりにも現代的な古代の六人の女帝達」集英社新書

奈良時代は女性の天皇の時代だった…
それは中継ぎという言葉にはそぐわない、実力のある女帝の時代。

平安時代のことを小説に書くために調べ物をしていて、だんだん遡り、古事記や日本書紀を独自に読み込んだ作者。
数年前に、女性の天皇があってもいいのかという論議がされていた時期があって、今はもうすっかり沈静化しているけれども、女帝が地位についていた時代のことを皆知らなすぎる~と思ったそうです。

若すぎる男子は天皇にはふさわしくないという理由で天皇になれないとしばしば言及があるのに、一人前の女性なら何の問題もない様子だったこと。
天皇というのは、そういう立場だったのですね。
女性が他の行政官の長などになっていた例は全くないので、女性差別がなかったわけではないのです。

皇族であること、天皇の娘であることが、一番大事で、強力な条件だった。
そして、どういうなりゆきであれ一端なった後には権力がついてきて、それは退位してもなお、かなりの権威を持つ。
その結果、色々な波乱も起きてくるわけです。

持統天皇は誰よりも強力で、いわば会社を夫と共にたたき上げた中小企業の社長夫人といった調子で、わかりやすい。
ただし、本人は自分がどうしても天皇になりたいとこだわっていたわけでもないし、女性の権利といったことなど考えていなかったのではないか…と言われると、そんな気もします。
自分の血を分けた息子に、天皇位を譲りたいだけだったのですよね。

個性豊かな女性達、それぞれの即位のなりゆき、本人の態度や治世の違いが軽やかに述べられています。
いきいきとした個性を読み解かれると、確かに現代と意外に変わらない印象もありますね。
血で血を洗う皇位争いの時代なので、あまりにも現代的!といっていいのかどうか?わかりませんが~面白く読めました。

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