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おすすめ本

「火星に住むつもりかい」

伊坂幸太郎「火星に住むつもりかい」光文社

近未来の仮想日本のSFとでもいうのか‥
宇宙を舞台にしたSFではありません。
密告による処刑が公開されるという怖い話ですが、そこへ正義の味方が現れ‥?

平和警察という組織が作られ、海外テロ組織への関与を疑われた人物を取り調べる権限が与えられていました。
指定された地区では、しだいに密告が増えてくる‥

ごく普通の人々が生活している様子のなかに、突如として町の噂や隣人の逮捕といった出来事が降りかかります。
不運な人もいるが、すれすれで逮捕を免れる人もいる、ちょっとしたユーモアも含みつつ伊坂さんらしい展開。

謎の正義の味方が実行力を持っている面白さと、上のほうでも何やら独自の権力争いがおきている不気味さ。
予想のつかない展開のうちに~事態は?思わぬ展開を見せて、ほっとする‥
が、怖さは残りますね。
犯罪者同士のダークな話とは違う怖さ。
日本でも似たようなことが起こりかねない!?

‥人の心の中にある自然な動き、思いやりや勇気、前向きな気持ちを大切に。
お天道様に顔向け出来ないことはしちゃいけないよって(笑)
平和を愛する日本を誇りにしていきたいものです☆

「キャプテンサンダーボルト」

伊坂幸太郎 阿部和重「キャプテンサンダーボルト」文藝春秋

伊坂幸太郎と阿部和重の合作による長編小説。
出身地の仙台と山形が舞台になっています。

映画的なスケール感のあるエンタメ小説。
いつもの伊坂さんよりやや描写が重めかな?
ストーリー展開は後半とくにスピーディで、楽しんで書いている雰囲気も伝わって来ます。

幼馴染の友達がひょんなことから再会。
何かと問題を起こしがちな相葉時之と、真面目なサラリーマンで家族思いの井ノ原悠は気まずくなっていたが‥
どちらも金に困っている折も折、蔵王の御釜に隠された謎に巻き込まれることに。

ホテルの部屋の取り違えから起きた事件。
東京大空襲の夜にあったB29の謎。
二人が子供の頃に、人気のあるドラマだったが、映画は急に上映中止になった「鳴神戦隊サンダーボルト」‥
実際の試合経過と同じ、楽天イーグルスの田中マー君の試合振り。
一見無関係な要素が、だんだん絡み合っていくのが面白い。

二人は謎のロシア人の大男に命を狙われながら、危険な冒険に乗り出して行きます。
国家的なスケールの陰謀に立ち向かうのは、ごく普通の人たち。
かつての彼らのヒーローや、大人になった同級生が手助けしてくれたり、ちょっとした所での活躍が繋がっていくのは「ゴールデンスランバー」的な面白さ。
相葉が預かっている犬のポンセも、いい味出してます。

どうなることか?というスリルに満ちたストーリーですが、最後はなんとか円満に。
ほっとする読後感でした☆

「アイネクライネナハトムジーク」

伊坂幸太郎「アイネクライネナハトムジーク」幻冬舎

伊坂さんらしい軽妙さが光る連作短編集。
伊坂さんのもう一つの特徴である犯罪などのダークなものはほとんど登場しない~安全な?作品です。

「アイネクライネ」
データがふっとんだミスの後始末に、罰ゲームのような街頭アンケートをする青年。
仕事を探している女性に出会い、何気ない会話が生まれます。
日常的なシーンの親しみやすさ、大体はぱっとしなくて情けないけど、ちょっとだけ一生懸命な部分もあったり。

「ライトヘビー」
美容師の美奈子は客といつしか友達になり、弟と付き合うよう薦められました。電話で喋るようになったのですが‥?
ボクシングの試合を見ていると‥
大人のおとぎ話のような楽しさ。

「ドクメンタ」
妻に出て行かれた藤間。
自動車運転免許の更新のために出かけた場所で、ふと話した相手。
通帳の記帳でしか繋がっていない元妻に思いを伝える方法とは。
5年後にもまた会うことになるか‥?

「ルックスライク」
学校の先生・深堀朱美。
生徒の一人は、織田一真の娘の美緒。
登場人物がちょっとこんがらかってきますが~え、これって‥という驚きが面白いところ。

「メイクアップ」
昔いじめられた相手と職場で再会した女子。
相手は覚えているのか、性格は変わったのか? 復讐する機会はあるのか‥さて?

「ナハトムジーク」
ちょっとした不思議な縁が繋がっていきます。
日常に起きてもおかしくないような小さな奇跡。

100円でそのときに一番合うフレーズを流してくれる斎藤さんという人物が所々に出てきます。
斉藤和義に作詞を頼まれ、小説なら書けると書いたのが始まりだったそう。
曲を聴きながら読むとまたいいのかな。

絡まれたときに「この方が誰の娘か知っているんですか?」と言ってはったりをかます織田一真のやり方が受け継がれていったり。
どうということのない男なのに美人と結婚した幸運な男・織田は、口が達者で、時にはそれなりの存在価値を発揮する。このゆるさがいかにも、ですね~。

笑える日常のささやかな出来事の奥底には、ごく普通のまともさが流れている気がします。
余裕のある洒脱な雰囲気がよかったです☆

「残り全部バケーション」

伊坂幸太郎「残り全部バケーション」集英社

伊坂幸太郎らしい短編連作。
小悪党の溝口とその手下の岡田をめぐって~とぼけたテンポで淡々とユーモラスに、ちょっとブラックに、ちょっとだけリアルに。
このテイストが好きなら★5つでもいいよね~うーん、4.5ぐらい?
タイトルは好きだなあ!

第一章「残り全部バケーション」
早坂沙希の両親が離婚することになり、マンションを売る日。
「最後に何か一つ秘密の暴露をしあおう」と母が言い出します。
「実は浮気をしていました」と明るく言い放つ父。
いやそれは離婚の原因だから~秘密じゃないって。
そこへ「友達になりませんか」という見ず知らずの人間からのメールが入り、一家は皆でドライブに行くことになります。
このメールをしたのは岡田で、その理由とは‥

第二章「タキオン作戦」は、溝口と組んで仕事をしている岡田が、ある目的のために、はめようとしていた人間の協力を依頼します。
たまたま知り合った小学生が虐待されていることに気づいたためでした。
最後の一行にある暗示が。

第三章「検問」は、溝口と太田が乗っている車が検問に引っかかりますが、無事に通った後になって、トランクに大金が見つけます。
いつ入ったのか、誰の物か、なぜ検問で見つけられなかったのか?

第四章「小さな兵隊」は小学4年生の男の子の目を通して。
お父さんとなかなか会えなくなり、何か秘密の仕事をしているらしいという謎を抱えていました。
岡田君という子がクラスにいて、問題児だと聞かされたけれどその意味がわからない。
岡田君がきびしい母親のことを語るのが切ない。
担任の由美子先生に困ったことが持ち上がり、岡田君は‥?

第五章「飛べても8分」
溝口は高田と組んで仕事をしていましたが、毒島の入院している病院で、事件がおき‥?
溝口の真意は‥

大物の使い走りや当て逃げなどをやって生きている、まったく当てにならないがどこか憎めない溝口。
無表情で取るに足りないように見えるが、実は何か芯がある?かもしれない岡田。
溝口の手下は、次々に代わっていきますが~
岡田は足を洗いたいと申し出て、その結果‥

岡田の過去の出来事も出てきて、どこでどう繋がるのか‥
伊坂作品だと、ブラックのまま終わってしまう可能性もあるので、どのへんが着地点かなと見定めつつ、ちょっとした描写を楽しみました。
ネットの「食べ歩き日記」を愛読していたりする~溝口のおしゃべりが伊坂さんらしいなあ。
読後感はかなりよかったですよ!

「あの日、君と Boys」

伊坂幸太郎ほか「あの日、君と Boys」集英社

8編収録のアンソロジー。
集英社文庫創刊35周年記念の文庫オリジナルだそうです。
初出はすばるが多いけど、もともとこのテーマで書いたってことなのかな。伊坂さんのは書き下ろし。

「逆ソクラテス」伊坂幸太郎
やはり別格で、すごくよかった~ほとんど覚えてしまったぐらい。
転校してきた男の子・安斎君が、教師に何かと軽視されている級友を守ろうとします。
いくつか面白い手を考え出し、そして当人には、何か不当なことを言われたときに「僕は、そうは思いません」と言うんだよ、と。
多くの人に読んでもらいたい内容。
出来れば子供の頃に! でも大人でもいい‥

「骨」井上荒野
幼馴染の陽と幸太。
骨がみしみし音を立てるような成長期です。
サイクリングでキャンプに行くという計画だったのですが、幸太が来るかどうか陽はあやぶんでいました。
サッカー部の出場辞退という件に関わったため、幸太は怪我をしているのですが‥

「夏のアルバム」奥田英朗
小学2年の雅夫は、自転車の補助輪無しで乗れるようになるのが目標。
親がまだ早いとはずしてくれないのでしたが‥
その夏、母の姉が入院していて、従姉妹たちは自分で家事をしているという。

「四本のラケット」佐川光晴
太二はテニス部。
朝練で荒れたコートを昼休みにならすのは、1年生の役目。
当番はグーパーじゃんけんで決めるのですが、ある日‥

「さよなら、ミネオ」中村航
学校では透明人間のように孤独な自分。
ミネオという友達だけがいれば、いい‥

「ちょうどいい木切れ」西加奈子
やたらと大きな身体にコンプレックスを抱いてきた青年が、ある日、電車の中で出会ったのは、とても小さな人。
風変わりでとても面白く、印象に残りました。
この本のテーマとしては、かなり変化球だけど。

「すーぱーすたじあむ」柳広司
元野球部の竜次が補導されてしまいました。
小学生のときに地元の少年団でスターだった彼。
ところが身長が伸びず、弱くなったのに気ばかり強くて、持て余しものになってしまったのです。
ヤケか嫌がらせかという感じの、破天荒な行動の意味は‥?!

「マニアの受難」山本幸久
昭和が終わりかかっていた頃。真輔は22歳になりました。
映画が大好きで、やはり映画が好きだという女の子と付き合っていたのですが。
真輔の選ぶ映画はマニアックすぎて、不満を抱いた彼女にはきっぱりフラれてしまう。
映画雑誌への就職を考えますが‥

男の子たちって面白いなあ。
女の子の話は出なさすぎなぐらい?
運動部の話が多く、テーマとしてはかなりまとまっている印象でした。

「最後の恋 MEN’S つまり、自分史上最高の恋。」

伊坂幸太郎ほか「最後の恋MEN’S つまり自分史上、最高の恋。」新潮文庫

男性作家7人の競作アンソロジー。
忘れられない恋の話。
「最後の恋」というテーマにぴったりとは限らないけれど~
いろいろな味を楽しめるという点ではお得感があります。

伊坂幸太郎「僕の舟」
病の床にある夫をもつ妻が、人生を振り返って、初恋の人は誰だったのかと‥
出会いの不思議。

越谷オサム「3コで5ドル」
日本人観光客に恋する男の子を軽快に。

朝井リョウ「水曜日の南階段はきれい」
高校の卒業を前にして。
最初の恋のような気もするけど、純粋な恋への思いには共感しますね。
印象に残りました。

石田衣良「イルカの恋」
会社を辞めて、カフェに勤めだした女性。
いわくありげな美女が、夜はバーをやっている店でした。
暗めの話だけど、濃厚な雰囲気に恋の気分がありました。

橋本紡「桜に小禽」
別れようとしている男女。
これといった理由は明かされないのですが‥

荻原浩「エンドロールは最後まで」
38歳になって結婚をあきらめた女性が出会った年下の彼。
医者だという彼の言動に、少し矛盾が見えてきましたが‥それにどう対するか?

白石一文「七月の真っ青な空に」
犬猫の里親探しで出会った二人。彼には過去が‥

それぞれの作家さんの個性が出ていて、「‥‥なるほどねえ!」と。
きめの細かさも、どれが粗いというのじゃなく、豆腐だったり、真綿だったり、みたいな手触りや空気感の違いが。
意外に女性目線の話もありました。
そのあたり~微妙に期待と違うような感じもあるんだけど。
これで初めて知った橋本紡さんもよかったので、これから読んでみようと思います。

「PK」

伊坂幸太郎「PK」講談社

3本収録。
さらりとして読みやすい。
所々にある、いかにも伊坂さんらしい面白い描写で、くすっと笑えます。
でも、え?今のは‥なんの話だったの??と‥
微妙に絡み合う~不思議なお話です。

サッカーの試合のシーンが、何度も出てきます。
ワールドカップの前年の予選で、進出できるかどうかという瀬戸際の対イラク戦での決定的瞬間。
頼みの綱のエース小津が絶不調、でも延長時間に奇跡の3人抜き、そして?
そこにいたるまで何が起こったか?
小津はもちろん架空の選手ですが、「持ち腐れになっている選手」だの「決定的に決定力が不足している日本」などと書かれているのが笑えます。

「PK」
大臣が秘書官に、10年前のそのときに何が起こったか調査を依頼します。
というのは、大臣がある決断を迫られているからでした。
小津が不調だったのはなぜか? そしてなぜ急に、晴れ晴れとした笑顔になったのか? 近づいて何か話しかけている仲間の宇野は何を言ったのか‥?
小津は試合直前に雲隠れした時期があり、誘拐されたというウワサもあったという。

大臣は議員になったばかりの頃に、偶然子供がマンションから落ちるところを見つけ、駆け寄って受け止めたことがありました。
いちやく時の人となり、知名度アップになったのですが。

「超人」
謎のメールで殺人事件が起きるのを未然に知る男。
これを食い止めるために、加害者のほうを先に殺すという場合もあったと聞かされる作家と友人。
その人物が実は‥

「密使」
1日の終わりのわずかな時間だけ、時が止まるという現象が起きる。
このときに何かが出来るのか‥?

物事の連鎖はどう起きるのか。
「臆病は伝染する、だが勇気も伝染する」という言葉も繰り返し登場。
一部だったり、逆の順序だったりで、印象が変わります。
決定的瞬間に、勇気を発すれば、それはまわりにも勇気を与える。

震災よりも前に書かれて発行が決まっていたそうですが、発行が少し延期されたもの。
別に地震や災害がテーマというわけではぜんぜんないけれど。
何かをすることで災害に繋がるかもしれないと不安になったりする言及があるのが、震災後に書かれたと思われると、ちょっと妙な印象を与えるかもしれないからでしょう。

「夜の国のクーパー」

伊坂幸太郎「夜の国のクーパー」東京創元社

独特なテンポでゆったり語られる寓話的な作品。
何か頭をかき回されて、考えさせられるような内容です。
猫の視点での部分が、かわいくて面白い。

悩みを抱えた「私」は、仙台から舟をこいで海に出ました。
気がついたときには蔓でぐるぐる巻きにされ、胸の上には子猫が乗っていたのです。
トムと名乗る猫に、話しかけられ‥?

猫のトムが住む国では、鉄国との8年にわたる戦争が終わり、鉄国に支配されることになったらしい。
鉄国の兵隊が乗ってきた馬というものも、初めて見る動物でした。
王である冠人(かんと)が心配することはないと広場で皆に話していたのに、鉄国の兵隊は冠人に銃を向けます。
冠人の息子の酸人は、鉄国に取り入ろうとする様子。
外出禁止令が出るが、人々はひそかに頑爺の家に集まり、今後のことを相談します。
猫達も何気なく傍にいて、ずっとそれを聞いていました。

国の外にある杉林の中で、巨大な杉が一本だけ、ある日動き出すという現象が起きるという。
クーパーと呼ばれるその杉を谷底に落とすために選ばれるのが、クーパーの兵士。
それは名誉なことだったが、兵士が故郷に戻ってくることはない。
ただ本当に大変な危機になったとき、クーパーの兵士が町に戻ってくるという言い伝えもありました。

猫にとって、鼠とは、見れば身体に震えがおきて追いかけずにはいられなくなる存在。
ところがトムは鼠に話しかけられ、襲わないように約束してくれと頼まれます。鼠が話せるとは知らなかった猫達。
本能だから、仲間を説得するのも難しいのですが。

クーパーの兵士は、本当にいるのか?
鉄国との戦争とは?
鼠と猫の関係は変わるのか?
どっちへ転ぶかわからない前半は、??と思いつつ、ひたすら読み進むしかありませんが~後半の展開はなかなか読ませます。
2012年5月発行。
書き下ろし長編としては10作目だそう。

「3652―伊坂幸太郎エッセイ集」

伊坂幸太郎「3652―伊坂幸太郎エッセイ集」新潮社

2000年以来、デビュー10年間のエッセイをまとめたもの。
最初の頃に、賞の選考を待っていて結局、選ばれなかったときの様子もユーモラスに。
エッセイを書くに当たって、いろいろ工夫している様子も。
欄下の現在のコメントがまた、楽しい。

お父さんの話が面白いですね。
正義感が強く、世話好きで、健康療法マニア。
ドッグフードを常にポケットに入れている、それもばらで、出会った犬にすぐあげられるように。
何かとネタの宝庫のよう。登場人物の面白さに通じる所があるような。
出番の回数では劣るお母さんとしては、それが少し悔しいらしいとか。

デビューしてもすぐには仕事を辞めないように勧められていたそうですが、仕事を辞めて小説に集中したくなったそうで。
奥さんに相談したところ、「いいんじゃない?」と軽く言ってくれたとか。
なかなか。
ご本人は後書きを読んでから読む方だけれど、奥さんは後書きからは絶対に読まないとか。
「ごきげんよう、おひさしぶり」とでもいうべき虫が、苦手な話とか。
そうそう、それはわかる~。

「伊坂幸太郎がもてはやされるようでは」と嘆いていた作家がいたとか、、誰だろう?
自身も、他の素晴らしい作家を読んで欲しいと思っているとも。

子供向けの本はたくさん読んだけれど、その後に余り読まない時期があったとか。
赤川次郎さんも好きで。
大学時代に、大江健三郎にはまったとか。
北方謙三には、選考会で酷評されて落ちたときに「あとで俺の所に来い、話をしよう」と呼ばれて励まされ、それがなければ書くのをやめていたかもと。

気になる所をメモしておきます。
佐藤哲也、読んでないな、たぶん‥打海文三?知らない。
井伏鱒二の「ジョセフと女子大生」ってどんなのだろう。
作家じゃないけど、斉藤和義(あ、今は知ってる~!この本を読んだときには認知してませんでした)、武田浩三、三谷龍二‥
「エドウィン・マルハウス」読まなくちゃ。ローレンス・ブロックのこれも未読だな‥
何となくそんな気はしていたけど、読んできた物はかなり違いました。
世代と男女の違いもあるけど、それなのに読みやすいのはやや不思議なのよね。

島田荘司が好きで、読んでいなければミステリは書かなかっただろうというのは納得。アイデアを大事にしている所と濃いめの発酵具合に、ちょっと共通性があるわ。

長篇は「砂漠」1作を残すのみでコンプリートと気づきました。良く読んだわね~。
すぐまた次の作品が出るでしょうけど、ね。

ちなみに~
感想は「死神の精度」を2007年8月にご紹介したのを最初に~
「終末のフール」「オーデュボンの祈り」「重力ピエロ」「グラスホッパー」「ゴールデンスランバー」「ラッシュライフ」「フィッシュストーリー」「モダンタイムス」「チルドレン」「魔王」「あるキング」「SOSの猿」「陽気なギャングの日常と襲撃」「オー!ファーザー」「マリアビートル」「バイバイ、ブラックバード」の順。
右側のカテゴリ欄のname:伊坂幸太郎をクリックしていただくと、読めます。
あ、読んだけど、アップしてないのもあるわ…?

著作リストによると、長篇は~
2000年12月発行の「オーデュボンの祈り」に始まり、
「ラッシュライフ」
「陽気なギャングが地球を回す」
「重力ピエロ」
「アヒルと鴨のコインロッカー」
「チルドレン」
「グラスホッパー」
「死神の精度」
「魔王」
「砂漠」
「終末のフール」
「陽気なギャングの日常と襲撃」
「フィッシュストーリー」
「ゴールデンスランバー」
「モダンタイムス」
「あるキング」
「SOSの猿」
「オー!ファーザー」
「バイバイ、ブラックバード」
「マリア・ビートル」の順です。
初めて読んだ「死神の精度」は2005年の作品でした。

「バイバイ、ブラックバード」

伊坂幸太郎「バイバイ、ブラックバード」双葉社

奇妙な設定で展開する伊坂ワールド。
気は優しいのだが、特に取り柄のないダメな男・星野一彦が、借金で追いつめられます。
虎の尾を踏んで?「あのバス」に乗せるために送り込まれた巨大な女性・繭美と行動を共にする羽目に。
繭美は、180センチ180キロあると豪語する女性。
バスが来るまで2週間あるというので、五股かけていた女達と別れ話をしていくのです。
「繭美と結婚する」という理由に驚きつつも、それぞれに納得していく女性達。

知り合ったいきさつも、それぞれにユーモラス。
訪ねた一人目の廣瀬あかりとは、他の女性に振られた後に、やけで行った苺狩りで。
彼女の方も、不倫で泥沼にあったのでした。
繭美と3人で大食いの店に行き、一彦は大食いに挑戦するのですが、隣で食べきろうとしている男を手助けしたり。

二人目の霜月りさ子は、子連れの女性。
彼女とは、刑事に車を持って行かれた後に知り合ったのです。
なんと不知火刑事という名前の~ドラマに出てくるようなシーンで。
そんな男はいるわけがないとわめく繭美。
この場合、実在するのでしたが‥

三人目は、如月ユミ。
なぜかロープを抱えて、偽泥棒を演じる勝ち気なお姉ちゃん。
四人目は、神田那美子。
別れた女性の父親がたまたま医者をしているという病院で知り合ったのです。数字に強い地味な女性。
五人目は、有須睦子。
女優なので、あっさり別れるかと思ったら~意外に、別れないと言い張ります。

ユニークな設定や、ちょっとしたお喋りが伊坂さんらしい。
経過もけっこう毒がありますが、いくらかの救いを残して。
ブラックバードとは、不運のこと。
最初は、不運な男とお別れ~といった雰囲気だけど、うまくいけば、不運とさようならできるのかも?
もやもやした物が残るけど~なかなか面白く読ませます。

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