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おすすめ本

「エチュード春一番 第一曲 子犬のプレリュード」

荻原規子「エチュード春一番 第一曲 子犬のプレリュード」講談社タイガ

荻原規子の新シリーズ。
女子大生の家に迷い込んだ小犬は、八百万の神と名乗り‥?!
もう2作目も出ています。

渡会美綾は大学生になったばかり。
家族は父の海外赴任に同行したため、とつぜん独り暮らしに。
家に迷い込んだパピヨンをとりあえず世話していたら、ある日とつぜん言葉を喋り始め、「八百万の神」と名乗りました。
驚愕する美綾。
犬に宿っているので、犬として過ごしていることもあるのですが‥
愛くるしい見た目と違って、喋りだすとやたら偉そうなのですが、人間になりたいという気持ちがあって、人間のことを知りたがり、時には鋭い発言も。

大学1年生の経験する事はリアルでわかりやすく、実体験も入っているのかという感覚がありました。
(あまり意識していなかったけど、作者と年代が近いってことかも)
荻原さんにしては平坦というか、今のところは現実から離れすぎない内容。
慣れない大学生活で、サークルに入ったり、友達付き合いが少しずつ出来ていくけれど、そこで問題が起きて、謎めいた出来事に悩みながら‥

大人しめでおくてなヒロインが、これから、色々な事にぶち当たっていくのか‥?
でも八百万の神って‥茫漠としてますが、そのうちの一人ってことですかね。
荻原さんなので楽しみなのと、油断できないな~みたいな期待もあります(笑)

「あまねく神竜住まう国」

荻原規子「あまねく神竜住まう国」徳間書店

源頼朝の少年時代を描く日本史ものファンタジー。
「風神秘抄」の続編で、前作の主人公達も活躍します。

伊豆の流刑地に流されてきた頼朝は14歳。
一族をほとんどすべて失い、あるいはすぐに処刑される決定が出るかもしれない身の上。
生きていく意味を感じられないでいたのです。

監視役だった伊東佑次は頼朝にかなり優しかったが急死してしまい、頼朝は蛭が小島へ移されることになります。
川の中州にあり大水でもあれば流されそうな小さな島。大蛇が出てきて人を食うといわれている場所でした。伊東の郎党に死ぬことを望まれている身と知りつつ、暮らしていこうとする頼朝。
そんなとき頼朝の乳母を名乗る女人が訪れ、伴っていたのは草十郎だった‥!

草十郎は、舞姫の糸世と新婚の身。
頼朝を守りながら、伊豆の山の地下深くおわす神竜との邂逅にまでこぎつけます。
頼朝は生きる道を見出せるのか?

か弱い傷心の少年がこの時期の頼朝では、思いっきりいじいじしていても無理はない設定ですね。
そこからだんだん人に囲まれ、危機を乗り越えて、生気を取り戻し、本音が出てくる展開。
北条時政のまだ幼い娘との出会いもあり、その無邪気さが微笑ましい。
頼朝や一族のその後を思うと、のちのちの波乱の展開が重過ぎて、ちょっと、なんですが‥
和風なしっとり感とファンタジーが融け合っていて、面白く読めました☆

伊豆の土地神である神竜は、地震や火山の因ともなっている存在。
あまねく、というのは、日本がどこもそういう土地だという感覚から来ているものだそう。
大自然への畏怖ということでしょうか‥
そのバランスを治めることの出来る人が各地にいたら、いいのにね。

「源氏物語 紫の結び <3>」

荻原規子「源氏物語 紫の結び <3>」理論社

脇筋を省略した荻原規子版・源氏物語。
光源氏が「女三の宮」を正妻として迎え入れていて、波乱の生涯も終盤です。

光源氏の娘の「明石の姫君」は、春宮(皇太子)の妃となっていますが、めでたく懐妊して里帰りしてきます。
「紫の上」にとっては、育ててきた娘。
姫君と対面するついでに、女三の宮(先帝・朱雀院の三女)とも会うことに。
まだ幼さの残る女三の宮は、実質的な正妻である紫の上が若々しいので、親しみを覚えるのでした。

身分の高い女三の宮(天皇の三女)の降嫁で正妻の座を奪われた紫の上は、内心の失望を表には見せません。
ただ、何度も出家したいと源氏に訴えます。
源氏はとんでもないと却下し、その気持ちもわかりますが、二度目三度目ともなったら、紫の上の心をもっと深く思いやるべきでしたよね。
さらに美しくなってきた紫の上に対する源氏の愛情は、かえって増すばかりだったにもかかわらず‥
その辺の成り行きを描ききる紫式部って、なんて頭がよくて意地悪なんだ!と千年も昔の女性作家の観察力と筆力に脱帽です。

紫の上が倒れた後は、そちらにかかりきりとなり、女三の宮は放置状態。
少女だった三の宮も、この頃は20歳ほどになっています。
そして、前々から三の宮に憧れていた柏木が、一目だけでも会いたいと思いを募らせ‥
三の宮に仕えている女房たちは若く華やかだがあまり賢いとはいえない。そんな環境で起きてしまったこと‥
源氏は驚愕しますが、若き日に藤壺の宮を愛したことで父の帝を裏切った自分の因果応報を思うのでした。
紫の上を亡くした後は、かくも光り輝き続けた源氏の命運もついに衰えを見せます。
やはり最愛の女性であったのでしょう。

荻原さんは、このあたりが一番書きたかったのかと思える力の入り方で、読み応えがありました。
紫の上の辛さがよくわかるため、ちょっと読んでいて気持ちが落ち込みますが。
この部分、確かに話のポイントではあるのですが、他のバージョンだと他の色んなことに紛れて、そんなに突きつけられる印象はなかったんですよ。
あとがきで、さらに念押しされます(苦笑)

源氏物語をあまり好きじゃない人の一番の理由は、あまりにも大勢の女性を相手にした話っていうことじゃないでしょうか。
いけいけのプレイボーイの話的な。いや、そうなるには理由があるし(物語の成立が恋愛のエピソードを集めたところから始まってるっていうこともあり)、いい思いばかりはしてないですよって。
二番目は、嘆き憂う部分が多いしんねりむっつりした印象?
どっちも一面ですが、当時の結婚形態や身分社会の様相、読まれた背景などがわかってくると、あまりに的確な描写に恐れ入る感じなんですよね。
物憂げなようで、こんなにビシバシ怜悧に鋭く描かれた話だったとは。
宮中というのは、それだけ女性の感性が研ぎ澄まされる環境だったってことかな。

「源氏物語 紫の結び <2>」

荻原規子「源氏物語 紫の結び<2>」理論社

荻原規子バージョン源氏物語。
快調です。

官位を与えられなかったため、自主的に謹慎の道を選んだ光源氏は、須磨に来ていました。
訪れた人が驚くほどの侘び住まいで、さすがにしばらくは女性を口説くこともなかったのですが。
運命かと思わせる成り行きが色々あって、明石の入道の娘とそういう仲に。
「真の罪はない」などと何度も出てくるのが~おいおい、って感じだけど。
朧月夜の君が、表向きは天皇(源氏の兄)の女御ではなく、宮廷の女官だからでしょう。

晴れて都へ戻った源氏は、紫の上と嬉しい再会。
むつまじく暮らし、次第に栄華を極めていきます。
明石の君に子が生まれ、都で育てたいがどうするか、紫の上にいつ打ち明けるかなど迷いもするのですが。手元に引き取り、紫の上が可愛がって育てます。

六条御息所が病の床に伏し、源氏はその娘の前斎宮の後見人になることに。
入内させるよう藤壺の宮に促され、その支度をします。
このときの若い帝は実は、源氏と藤壺の間の子。
帝の女御二人が張り合う絵合わせの行事のために、源氏は家にある見事な絵を持ち出し、さらには須磨で描いた自作で評判を取ります。

いまだに藤壺の宮は憧れの女性で、距離がある中にも、何かあるたびに心の奥深く響く存在。
出家した藤壺の宮の苦悶に比べると、源氏はいまだに慕う気持ちのほうが強くて罪悪感は少ないですね。
37歳で藤壺が病に倒れると、情け深い人柄が知れ渡っていたため、すべての人が悲しむことに。
源氏の嘆きは一通りではありません。
若い帝は僧都からひそかに出生の秘密を知らされ、源氏に親不孝をしていたと考えます。

葵の上が生んだ源氏の長男・夕霧は、幼馴染の雲居雁と相愛でしたが、雲居雁の父(葵の兄で、内大臣。若い頃は頭中将)に引き離されます。
それも大人になっていくにつれて、許されるのですが。
(雲居雁の生母が、早く離縁して今は別な人の北の方になっているというのがちょっと面白い)

明石の君は、田舎育ちとは思えない品位と才覚を備えた女性。
身分を自覚して娘を手放し、身を引いていましたが、娘の明石の上が春宮(源氏の兄の子で、次の天皇)に入内することになり、付き添っていくことになります。

太政大臣となり、六条院に壮大な邸宅を築いた光源氏。
そこに、女三の宮の降嫁という大きな問題が‥

一巻目よりいくらか落ち着いて、都での優雅な催しややり取り、人々のいろいろな思惑が描かれます。
淡々とした文章ですが、紫式部が宮中で見聞きした経験から、華やかさに実感がこもっているのでしょう。
こういうふうに人の気持ちは動くもの、この場合はこうした方がふさわしい、などと、当時は宮廷で働く人や縁組を考える人の参考書にもなったのでしょうね。

「源氏物語 紫の結び(一)」

荻原規子「源氏物語 紫の結び(一)」理論社

荻原規子による「源氏物語」の新訳。
読みやすくするための工夫がなされています。

光源氏の生い立ちの章の次に、幼い紫の上との出会いを持ってきて、印象を強くしてあります。
順番を入れ替え、脇筋は省き、敬語もなく、和歌は意訳のみ、注釈などもつけずに、どんどん話が進む。
停滞は確かに少ないですね。
これなら読める、という方もいらっしゃるのでは。
この後に、もう少し詳しいものを読んでみるという手もありますよね。

紫の上は、確かに重要人物。
ただ、藤壺を想ってもんもんとした年月、決められた結婚相手は冷たく、うまくいかない‥
といった光源氏の気持ちはあまり実感として迫ってこないから、いきなり紫の上の実父にも知らせずに、幼女誘拐?!という感じがしないでもありません。
当時の同居しない父子の縁のはかなさや、男性が望めば事実婚になることなどを、示しているともいえますが。

その後で、六条御息所という高貴な年上の女人とまで付き合っていたことや、許されない恋の藤壺とは密会しちゃったし~朧月夜の君にも手を出すし、明石の君にももう会うの?!
って、ほんとテンポ早い、手も早い‥

あの時代の結婚制度や源氏物語の成立についての説明が何もないと、初めて読む人はどうなのか‥
いつ疫病で死んじゃうかわからない寿命の短い時代。
結婚にも離婚にも制約は少なく、多くの女性を相手にしていた男性は珍しくなかった。
貴族の男にとって恋愛も仕事みたいなもの、結婚は身分制社会を生き抜く命がけの政治なのよ~ただのサイテー男じゃないのよ!とか、何だか弁明してあげたくなります。
でも飛ぶ鳥を落とすような勢いのプレイボーイ・光源氏の内心は、あんなこんなで、めめしいの‥ということを描いた作品でもあると思いますが(笑)

一体どうなるの?と宮廷の人々の興味をさぞ集めたことでしょう!

「RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと」

「RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと」カドカワ銀のさじシリーズ

完結編。
え、次で終わり?と知ったときにはびっくり。
ちょっと気になっていた設定を次々に解決するというか、方向性はちゃんと示して行って、ぱたぱたと終わりました。
なるほどねえ‥

特殊能力の子を集めた学園での<戦国学園祭>で、鈴原泉水子は能力を顕現させました。
その存在は一般の生徒にもじわりと印象付けられています。
影の生徒会長・村上穂高は、泉水子を世界遺産候補となる学園トップとして判定。
ところが、陰陽師を代表する高柳一条は、これに異議を唱えます。

もう一度、どちらの力が上か、対決することになりました。
往生際が悪い?高柳の理屈に、泉水子は考えをめぐらせ、トップは高柳ということにしておくという提案をします。
泉水子の望みは、普通の高校生活を送ることだったから。
成績アップを目指して試験勉強に取り組み、苦手科目を相楽深行に教えてもらうことに。

深行はツンデレというか、いまだにデレはまったくないんですが、泉水子と一緒に考えていこうという真剣な姿勢。
そんな彼の気持ちをつかみきれず、心細い泉水子。
クリスマス・パーティーに用意したワンピースは着ることもできず、目立たないようにトナカイの着ぐるみに身を隠した泉水子はさびしい気持ちになります。
海外から来ている要人に目をつけられないようにという大きな目的のためなのだけど、少女のささやかな願いや悲しみが微笑ましい。
別な機会に、深行や真響と遊ぶ予定にしていたところを‥?!

泉水子の危機にかけつける深行。
ふっふっふ、そう来なくちゃ。
泉水子の母も、これまでよりは事情を説明してくれるのでした。

広げた設定が展開しきれずに終わった印象があり、ちょっとこれっきりというのは惜しい感じがしますね。
基本的には児童書だし、すっかり大人になってからの話までは読みたいと思わないけれども。もう少し具体的に成長してもいいのでは。
作者自身に迷いがあるのか? 「続きを書いても書かなくても」という意味深なあとがき。
とりあえず、お疲れ様でした☆
これまで楽しませてもらいましたよ、大人も!

「RDG5 学園の一番長い日」

荻原規子「RDG5 レッドデータガール 学園の一番長い日」角川グループパブリッシング

前作に続いて~学園祭の後半。
ぐぐっと話が進みます。

鈴原和泉子は、熊野の神社で育った大人しい女の子。
姫神という超越的な存在が降りるのを抑えるため、長い髪は三つ編みにしています。
東京の高校に来て、新しい経験をし、真響という親友も出来ました。
ただこの高校は、特殊な能力を持つ生徒が集められていて、その中のトップを争って世界遺産をめざすという隠れた戦いがあるのです。

鳳城学園の学園祭。
戦国時代の衣装をつけての大がかりな催しで、準備だけでも大騒動に。
生徒会執行部は黒子の衣装で裏方に回るので、内気な泉水子も気が楽だったのですが。
中等部の女の子達に妙な出来事が起きていて、それで泣き出す子も出て、お姫様役が決まらなかった事情が判明。

他にもどことなく、おかしい気配が…
ホラーハウスで気分が悪くなる子が出たということで、相楽深行と様子を見に行きます。
相楽深行は幼なじみで、泉水子の血筋を守る山伏の家系で、修行をしている身。
泉水子には冷たい態度ですが。
奔放で強力な姫神と、人見知りで不器用な泉水子のギャップに閉口している様子。

泉水子は、ホラーハウス内で本物の幽霊らを見て、「姫」とすがりつかれます。
深行の父・雪政は、泉水子に同情する心があったからだと指摘。

泉水子はいつの間にか、敵?の高柳一条がしかけた術にはまり、好感を抱いて僅かな時間だけれど行動を共にします。
真響と対立する高柳は、泉水子の真の力には気づかないまま、味方に引き入れて利用しようとしたのです。
そのことに気づいてしまい、怒りを止められなくなる泉水子。
ついに自身が姫神だと悟ります。
ところが、真澄にずっと一緒にいて欲しいといわれ…?
深行に渡された携帯が、ここぞというときに活躍。

真響はお姫様役に担ぎ出され、戦いの旗頭に。
八王子城攻めに見立てた合戦ゲームの最中、事件が…?
学園での混乱の中、後輩に頼られるだけのことはある真響の良い面や、意外な限界もわかり、それも面白い。
少しずつ成長し、それぞれ今までとは違う段階から、物を見るんですね。
満足な読み応えでした。

「RDG4世界遺産の少女」

荻原規子「RDG4 レッドデータガール 世界遺産の少女」カドカワ銀のさじシリーズ

シリーズ4作目。
鈴原泉水子は、熊野の神社で育った内気な少女。
姫神が憑依する体質を封印するために、長い髪を三つ編みにしています。
東京の高校に入りますが、そこは能力者を集めた特殊な学園でした。

泉水子のために一緒に入学を命じられた相楽深行(みゆき)。
それを命じた相楽の父も、講師として、学園に赴任しています。
若く見えすぎるので、父息子とばれてはいないのですが。
泉水子の家系を代々守ってきた家柄なのでした。

夏休みを終えて学校へ戻ったとき、泉水子は正門でふと違和感を覚えます。
学園祭に向けて生徒会執行部は大忙しになっていて、すぐに忘れてしまうのですが。
大事な友達の宗田真響(まゆら)には、姫神の事を初めていくらか話します。
夏の合宿で起きたことの不思議さを隠し通せるものではないと。
少しずつ自覚を強める泉水子。
真響もまた、目指していることを明かすのでした。

戦国学園祭がテーマなので、地元の古戦場を執行部のメンバーで訪れることに。
わざわざ夜に出かける肝だめしが、男子と女子の期待する所を全く気づかない泉水子がおかしい。

時代物の衣装の着付けを習う日に、急遽モデルの代役を頼まれる泉水子。
戦国時代の衣装を付けることに懸念を覚える深行。
鏡で見ても自分とは思えない姿で、泉水子は他人事のように思うのですが。
見たことのない綺麗な娘の登場に、学園は大騒ぎになります。

深行の不安が的中して、姫神が降りてきていました。
姫神の要請で、八王子の古戦場に同行する深行。
姫神に話を聞かされて、その正体にいくらか近づくことは出来たのですが。
泉水子は自分の知らない所で自分の身体を使って、深行と姫神がデートした?ことにショックを受けます。
人類の未来に関わる姫神の話を重く受け止めている深行は、それどころではないんですが。
少~しずつ、気持ちが育っていくのが微笑ましいが…まだまだ食い違う二人。
姫神の言動は時間がたつと泉水子にもだんだん思い出せますが、それにはタイムラグがあるのです。

学園祭当日にならないうちに、終わっちゃうとは!
続きが読みたいです~。
しかし、このテンポでどこまで書くのだろう…?
2011年5月発行。

「レッドデータガール3 夏休みの過ごしかた」

荻原規子「RDG3レッドデータガール 夏休みの過ごしかた」(カドカワ銀のさじシリーズ)カドカワグループパブリッシング

荻原さんの現代物で、和風ファンタジーのシリーズです。
読んだのは夏だったんですけど~アップしそびれて、思いっきり季節が真逆に…もう4作目5作目も出ています。
文庫化も始まって~1作目2作目が出ています。

鈴原泉水子(いずみこ)は、山奥の神社で育った内気な女の子。
東京の高校に通うことになりましたが、じつは何らかの特殊能力や霊力がある生徒が多いという不思議な学園。
相楽深行(みゆき)は、泉水子のためにこの高校へ来るよう親に命令されたのが不満で、相変わらず不機嫌で無愛想ですが、とりあえず口はきいても良さそうになっただけ泉水子はほっとしていました。

親しくなった宗田姉弟も、かなりの背景があるらしい。
泉水子と同室の宗田真響(まゆら)は成績優秀な美人で、男子のファンが日本史研究会という名目でサークルを作っているほど。
泉水子は素直に友達になり、一緒にいるために生徒会執行部にまで入ります。
真響は女子から見れば、憧れというより嫉妬も感じる対象であるらしいことにも、ようやく気づくのですが。

泉水子は夏休みに真響の家に招かれ、周囲のためらいも気にせず、楽しみにしていました。
生徒会と日本史研究会の合宿が、同じ時期に戸隠の宿で行われることになります。
宗田家の地元で、顔が利くのでした。
真響と弟の真夏は実は三つ子で、もう一人の真澄は亡くなっていました。
泉水子と深行は、その真澄の姿を見ることも出来るのですが。
故郷では力が強くなるのか?
様子がだんだん、おかしくなっていき…?!
姿を消した真夏を、皆で探すことになりますが…

泉水子の母親・紫子も登場。
危機はけっこう大変ですが、全体としては毒が少ない学園物で、読みやすい。
奥手な少女が悩みつつも、きらきらした思春期へ入り、少しずつ育っていく様子が感じよく描かれます。

「レッドデータガール2」

荻原規子「RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧」角川グループパブリッシング

シリーズ2作目。
特異な能力を持った少女の成長を描く~児童文学というかラノベというかヤングアダルトというか。
若向きだけど、安心して読める筆致です。

山深い神社で育った内気な少女・鈴原泉水子。
何も知らずに育ち、何の取り柄もないと思っていたのですが、じつは巫女の家系の重要な一員だったのです。
今回は、いよいよ東京の高校・鳳城学園へ進学することになりました。

学校は郊外にあって環境は意外に都会的ではないのですが、泉水子には慣れないことばかりで、緊張しまくり。
一人だけ旧知の相楽深行も、相変わらず冷たい態度でした。
山伏の家系でその修行をしている深行は、泉水子を守る下僕の役目と父親に命じられたことに反発していたのです。

泉水子と同室になった宗田真響は、明るく人気のある少女で、学年2位の成績。弟の真夏も馬が好きな自然児で、なかなか感じがいいのでした。
仲良くなれてほっとしながらついて歩くのですが、実は意外な問題も…
クラスメイトの一人が不気味に見える泉水子は、やがてその正体を見破ってしまいます。
学校内で、何が?!
超能力合戦のような展開になりますが~続きも楽しみです。

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