「書店主フィクリーのものがたり」

ガブリエル・ゼヴィン「書店主フィクリーのものがたり」早川書房

小さな島で唯一の本屋を営む主人公。
偏屈な男性が幼い女の子を育て、しだいに人と関わるようになる。
とてもいい話でした。

大学でポーを研究していたフィクリーは、妻の故郷で本屋を開きました。
ところが妻がとつぜんの事故死。
酒におぼれる彼に、意外な運命の扉がひらきます。

本屋に女の子が置き去りにされたのです。
2歳半のマヤ。
思わず世話を始める彼が一時的なことと言いながら次第にほだされ、ふいに愛情を自覚することに。
周りの人々も、心配して様子を見に来ます。
母の姉のイズメイや、その夫の作家、警察署長で人の良いランビアーズ。

そして、はるばる島まで本の営業にやってきた取次店の女性アメリア。
大柄でアンティークな服が好き、(ビッグバードというあだ名だった)ぽわぽわの金髪の彼女。
自分の好きな本しか注文しない気難しいフィクリーと、しだいに心を通わせるようになってゆくのです。

本を愛する気持ちがあふれていて、そんな人たちの交流に心温まります。
泣けるけど~感傷的というのではなく、ちょっと距離を置いた寛容さやユーモアがいい。
登場人物にいろいろな面があって、単純ではないのが魅力的ですね。

各章のはじめに、フィクリーが好きな短編が紹介されているのもお楽しみ。
マヤに向けて書き残したものということのようで、愛情あふれる内容なんです。
本屋大賞で受賞したため知りましたが、これは素晴らしかった!

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「舟を編む」

三浦しをん「舟を編む」光文社

辞書の編纂をめぐる人間ドラマ。
別館にある編集室で、わずかな人数で、何年もかかって。
熱意を込めて仕事をする良さが描かれます。
その人の能力がどんな風に生かされるか。
メインはこれと見込んで引き抜かれる編集者。その名も馬締(まじめ)くん…
営業部では浮いていて、お荷物だった彼が…

玄武書房に勤める荒木は、辞書編集部員一筋でやってきましたが、定年を迎えることに。
30年以上共に辞書作りをしてきた松本先生と「大渡海」という辞書を作ろうとしていたので、後任を探すと請け合います。
後輩の西岡は調子のいい男で、それなりに役には立つけれど言語感覚はあまり無いからでした。

辞書作りは、気長で細かい作業。
執筆者に依頼するだけでなく、偏向を抑え、他の辞書と比較検討もし、紙数やレイアウトに合わせての訂正もしなければなりません。
何年も丁寧な仕事を続け、そのうちに時代が変わっていくのにも対応していくのです。
荒木は、営業部で27歳の馬締光也を推薦されて、出会います。
整理したがる性格や言語への興味と執着など、才能を見いだす下りも面白い。

「辞書は、言葉の海を渡る船だ」
もっともふさわしい言葉で、性格に、誰かに届けるために。
「海を渡るにふさわしい舟を編む」
荒木と松本に託された馬締は?

お気楽な西岡と馬締の迷コンビ。
移動する西岡の内心の思いに、ぐっと来たり。
馬締の下宿先のタケおばあさんとの気楽な暮らしや、その孫娘で女板前の香具矢との恋。これが不器用でほのぼの。
さらに年月が過ぎて、新しい編集者・岸辺みどりの登場。
製紙会社の宮本と、辞書にピッタリの薄くてめくりやすい紙を研究し続けることに。

向いていないようでも、何かしら、役立つ道はある。
脇役もそれぞれに異なる存在感があり、意外な恋愛模様も。
どことなくおかしみがあり、とぼけた雰囲気が漂います。
所々ぷっと吹き出してしまう細部の書き込みに注意。
思い出しても、にまにま。
元気が出ますよ~さすが、しをんちゃん☆
今年の本屋大賞をみごと、受賞しました!
直木賞受賞作家が本屋大賞もというのは初めてだとか。

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「謎解きはディナーのあとで」

東川篤哉「謎解きはディナーのあとで」小学館

本屋大賞受賞の話題作。
ユーモア・ミステリです。

国立市の警察に勤める若い刑事、宝生麗子。
地味に作っていますが、じつは財閥の総帥の一人娘なのです。
直属の上司・風祭警部は自動車メーカーの御曹司で、派手な服装でジャガーを乗り回しています。
お嬢さん呼ばわりしている部下が、本物のお嬢様、まさか自分よりも金持ちの家柄とは知らないでいました。

麗子はリムジンの迎えが近くまで来ていて、家に帰ればドレスに着替え、フルコースの食事。
1ヶ月前に来た執事の影山は、長身で黒の似合う30代の男性。よく出来ていて、そつはないのだが、ときどき突然口が悪くなるのです。
そして、お嬢様の話を聞いただけで、事件を解決してしまうのでした。
「この程度の真相がおわかりにならないとは、お嬢様はアホでいらっしゃいますか」などと言いつつ。
麗子は「クビよクビ!」と叫ぶのですが…好奇心に負ける。

上司が気づかない男なので、この秘密は勘づかれないのかな??
タイトルも「殺人現場では靴をお脱ぎください」「殺しのワインはいかがでしょう」「綺麗な薔薇には殺意がございます」といった調子。

薔薇園の中で、若い美女の死体が発見されます。
豪邸の住人の一人と交際中で、水商売のために結婚は反対されつつ、滞在していたのですが…?
うちの薔薇園のほうが大きいとなにげに自慢する警部に、内心「うちは3倍はある」と思う麗子。
というふうに現実離れした展開なので、ゲーム的に楽しめます。

麗子が友達の結婚式に出た所、その後の披露宴の最中に花嫁の姿が見えなくなり、2階の自室で刺されていた?!
駆けつけた人々の他には、誰もいなかった…密室?事件など。

ときどき吹き出しながら、気楽にどんどん読めるので、もっと書いて欲しい気はしますが。
そう遠くない国立市内に住んでいて、大金持ちといつまでもばれないまま?でいるのは、さすがに不自然じゃないのかしら~。
二人(いや三人?)だけで捜査しているかのようなのも、ずっと続くの?
国立市の駅前あたりには行ったこともあるので、何となく雰囲気はわかるような気もします。

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「天地明察」

冲方 丁「天地明察」角川グループパブリッシング

本屋大賞受賞作です。
戦国時代が終わり、江戸城には振り袖火事で焼失した天守閣も再建されなくなった時代。
囲碁を専門とする家系の青年・渋川春海が主人公。

囲碁は侍の教養として必須で、上様の御前での試合も多かったそうです。
とはいえ、やはり半端な立場で、普通は帯刀も許されない。
御前試合は定石通りに打ってみせるだけで、真剣勝負というのでもないのです。
春海より年下で才能あるライバル?本因坊道策もじれていました。

春海は、安井算哲という父の名を継いだものの、年の離れた義兄が実際には立派に名をなしていました。
どこかはみ出しかけて、公式の席以外では自分でつけた渋川春海という名も名乗り、様々な趣味に打ち込みつつ、生きあぐねていたのです。
春海は欲というか闘争心?がない穏やかな性格ですが、内心では悩み、好きなことには夢中になって、地べたに座って計算し出すという~親しみやすい人柄。

当時、算術は趣味としても好まれ、絵馬に問題を書いて掛けておくという風習もあったんだそうです。
次々に即解してのけた驚くべき才能の主・関を発見した春海は喜び、その人を探しますが…?

春海は老中の酒井に呼び出されて、人物を吟味されることに。
その陰には会津藩主・保科正之が…
保科は三代将軍・家光の異母弟で、心から信頼された重鎮でした。
四代将軍の時代になっても、陰ながら重要な事業に関わっていたのです。
もともと安井家は会津藩に縁が深いのですが、春海が呼び出されて受けた命は意外にも…?
囲碁のつとめを離れて、測量に加わるというもの。

春海の芸(特技)は、囲碁、神道、朱子学、算術、測地、歴術と書類に残っているのだそうです。そのすべてを生かし切る大仕事!
尊敬できる先輩にも恵まれます。
全国を歩いて、歩幅で距離を計算するというのも~スゴイですね。
緯度を測る機械を持ち運んで、組み立てるというのも‥
[追記:緯度経度って書いちゃったんですが~ご指摘によると、この時代では緯度だけかも。
ちょっと検索したら~中国の経度について触れている記事もあるのですが、さらに間違いではないかという指摘も見られて、よくわかりませんが…すいません]

ユーモアもあり、葛藤もあり、何を命じられるかわからない立場の辛さもあり、見いだされる喜びあり、大失敗の身のすくむような経験もあり。
当時の暦は、唐の物を参考に清和天皇の時代に作られた宣明歴。
八百年の年月のうちに2日もずれてきた暦を変えるため、全国で計測して回り、元になる暦も深く探求することになるのです。
45歳で大事業をついに成し遂げるまで。
算術塾で出会った元気な娘・おえんとのはかない別れ、再会などもいきいきと描かれていて、楽しく読めます。
傑作!

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「告白」

湊かなえ「告白」双葉社

2009年4月、本屋大賞受賞作。
「このミステリーがすごい!」では、2008年11月までの1年間に発行の本のうち、国内4位に入っています。

中学の終業式の日に、辞任の挨拶を淡々と語り始めた女性教師。
自分の幼い娘が秋に中学のプールで水死したのですが、それが実は殺人だったと。
このクラスに、犯人がいると…
今さら警察に訴えるつもりはないけれど、ある手段をとったと言って、教壇を去るのでした…つまりはそれが復讐?!
それが第一話。

続いて、クラスの女子や犯人たち、その家族など視点を変えていきます。
ややブラックに意地悪く、つぎつぎに事件が展開するのが~なかなか、発想が面白い。
いかにもミステリ的なアイデアに満ちていて、しかも、わかりやすい。
そのあたり、売れっ子になったわけはわかります。
ただ、けっこう後味悪いんですけど~?

有名な事件いくつかについて言及があり、視点の違う発想にちょっとはっとさせられます。
そういうところも、大勢が読んでみて考えるにふさわしい…のかな?coldsweats01

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「ゴールデンスランバー」

伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」新潮社

2008年本屋大賞を受賞したばかりの作品。
直木賞も本命?だったみたいだけど候補を辞退してたんですね。

仙台での凱旋パレードで新首相が暗殺され、犯人に仕立て上げられた青年・青柳が逃げ回ります。
首相公選制があるという架空の設定を取り入れ、いろいろな要素をほどほどに入れて、スリリングで、わかりやすく。
エンタテインメントとして、とても良くできています。

優男だがぱっとしない青柳雅春は、かって恋人の樋口晴子に物足りなく思われて振られていました。
宅配ドライバーの仕事をしている時に、たまたまアイドルの女の子がストーカーに襲われているのを助け、一躍時の人となったことがあります。
そのせいなのかなんなのか、大がかりな陰謀のスケープゴートにされてしまうのですが。
携帯からの発信で居所が知られてしまうような状態をいかに乗り切るか?
陰ながら力を貸す元恋人まで含めて、彼の人柄を信じる何人かの人に助けられ、これまでのすべての経験と人脈を使って対抗し、逃走するのです。

ゴールデンスランバーとは、黄金のまどろみ、といった意味。
もとは子守歌にあるんだけど、ビートルズのナンバーに使われているんですね。
解散が近づく時期にメドレーとして作られた曲の6曲目だとか。

今の時点では一番完成度が高く、伊坂ワールド集大成の感もあり、一般的にオススメでしょう。
初めて読むのにも良いですが~「グラスホッパー」を読んでいれば、なお面白いです。
あの殺し屋たちが登場してますから!
(女性には、これを読んでから「グラスホッパー」の順がよいかも)
国家的陰謀の怖さを感じさせて、重みもありつつ、テンポ良く展開。
ほっと泣き笑いするような結末で、締めくくってくれます。

「このミステリーがすごい!」でも1位に選ばれました。

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「一瞬の風になれ」

佐藤多佳子「一瞬の風になれ」講談社

本屋大賞受賞作。
ソフトカバーで出ている3分冊が第一部イチニツイテ第二部ヨウイ第三部ドン、という構成。
高校の三年間が描かれています。
男の子の一人称なので、綿密な文章という感じではないけど、ノリが明るくて読みやすい。

サッカー選手として成功していく兄・健一に憧れながら、自分はそれほどの才能がない弟・新二。
幼馴染みと共に普通の高校に進学することを決め、陸上を始めます。
スプリンターの天才だが性格に問題有りの幼馴染み・連と何だかんだ言いながら仲良く切磋琢磨していく~青春物です。
陸上は初心者という視点なのでわかりやすい。
試合前にはおなかがぴーぴーになるという緊張しいで走る格好は無様なほど、でも実は基礎体力に恵まれていると顧問に励まされる。
スパルタではない顧問の先生も好感持てます。

第二部は前半、主人公がだいぶ成長してきて、なかなか良い感じではないかと快適に読み進む…
はっ、3冊本の2巻て~後半何かが起きると思ったら起きてしまいました。それだけに泣ける結末ですが。

第三部、 3年生になった新二は手のかかる後輩に気を配りつつ、高校最後の試合になるという意識を持って真剣に練習に取り組んでいきます。
自然に成長している仲間達の確かな存在、400mリレーというチームプレーの醍醐味が伝わります。
建前上は内部恋愛禁止の陸上部で、チームメイトと奥手どうしのほのかな恋が育っていくのも微笑ましい。
女性作家のスポーツ青春物でも、これが一番健全かも。安心して読めます!

まだ残暑の蒸し暑さが残る中、8月に読んだ本の感想を書いているので~夏休みの宿題をしているようだわ(^^;

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「東京タワー」

リリー・フランキー「東京タワー」扶桑社

ちょっと前に読みました。
昨年の田中裕子主演のドラマをほぼ見ていたため、見たシーンのイメージはまんまでした。
シーンによっては今ドラマでやっている倍賞美津子の方が合うのかも?

オカンがとても感じの良い人で、控えめでチャーミングであったかい、ひたすら我が子のためを思う、すばらしい母親なのね。
母一人子一人の状態で育った上に、これでは~マザコンになっても当たり前!?
たまにしか出ないオトンはけっこう強烈。別居の原因は2代に渡るマザコンか!?という気もするが…
人は夫婦でも親子でも互いに知らない面もあるというあたりは深いです。
度胸もありそうなのに女としては不器用で、大変だった人生のようで、ちらほら見える苦労に同情してしまうけど…
これだけ日本中に素晴らしさを息子の筆で伝えて貰えたのだから、母親冥利に尽きますね。

しかし、これは自伝ですよね。
東京に人が集まることについての物思いみたいなのが何ヵ所かに入っていて、そこが小説っぽいけど、それは別に要らないというか…?
母親への愛と感謝と惜別が人の心に強く訴えかけ、日頃あまり意識しない大切さを再認識させるので、良い本だと思います~。

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「夜のピクニック」

恩田陸「夜のピクニック」新潮社

本屋大賞をとったことで有名な2004年の作品。

高校の行事で年に一度、全員で一昼夜歩き通す「歩行祭」というのがあるのは、作者の母校で実際にあるものだそうですね。(良いネタ持ってはるぅ~)

朝の8時から夜中まではクラス毎に移動し、夜中の仮眠を挟んで、翌朝8時までは自由歩行となっていて、順位もつくもの。
そのため、運動部の生徒はゴール目指して走るし、そこまでしない生徒も、思い出作りに好きな友達と一緒に歩くのが楽しみなわけですね。

西脇融や甲田貴子は高校3年で、これが最後になるため、それぞれに心中期する所があった… この二人は出来ているという噂があるんですが~実はもっと複雑な関係というところがミソ。
寡黙で頑固な融は3年になってから親しくなった気さくな友人・戸田忍に心を開き始め、一緒に走ろうかどうか迷っている。
貴子は自慢の親友・遊佐美和子と歩くつもりだが、ついて行けるか自信がない。実はこの機会に小さな秘密の賭をしていた…

一昼夜クラスメイトと歩く間には、これまでのことが頭をよぎり、色々なことも起こりますよね。
実感のこもった描写が続くので、夜間歩行を知らなくとも追体験出来ます。
自分の「あの頃」の息吹が蘇ってくるよう~上手いです!

児童書というわけではないですけれど、10代の人に特にオススメなので、児童書・YA(ヤングアダルト)というカテゴリも入れておきました。

※じゅびさんの所に書評があるかな~と見に行ったところ、何とアップされたばかり。初トラックバックに挑戦してみました~(^^)

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「博士の愛した数式」

小川洋子「博士の愛した数式」新潮社

家政婦の「私」は、数学者だった老人の家に派遣される。
14年前の交通事故で脳に損傷を受け、その後の記憶力が80分しかもたないという状態のため、会う度に挨拶をして、すべて新しく始めなければならない。
数式を美しいと感じる博士の世界は、静かに澄み渡っている…

その人柄に次第に好感を持つようになっても覚えていては貰えず、時には会っている途中に、博士が何も知らない状態になってしまう哀しさ。
未婚で一人息子を育てている主人公が子供を連れて行くと、必ず博士はとても優しい面を見せ、ルートと名付けられた息子との交流も慈しみに溢れて胸を打ちます。

既に語り尽くされている気がして、すぐ感想を書きませんでしたが、文庫も出たところなのでお薦めしておきます。
こんなに説明したくない気もするんだけれど…なんか自分の文章がつまんなくって伝えきれてない気が。
でもまだ隠れている部分もありますよ~。
独特なので、読んでみる価値はあります!

映画化されるそうで、まあねえ…
悪くない配役ですが、知る前に読んでおいて正直助かった!と思いました。
知らない方が自由に想像を膨らませられますからね(^^;

これに先だって「妊娠カレンダー」も読みました。
こちらは芥川賞受賞作。
たしかに~久々に文学してるのを読んだ気がする練り上げられた作品です。
日常の中のかすかな歪みがきしんでいく息づかいを拾い上げて実体化したような。
文学には、時代の空気のそこはかとなく嫌なところを吸い取るような部分があって、さらに空気の悪くなった今こんな物を読むとリアルに感じられすぎなんですが。
妊娠してる人は読まない方が良いかも?

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