「大河の一滴」

五木寛之「大河の一滴」幻冬舎文庫

10年前からのベストセラー。
戦後50年を過ぎ、阪神大震災後3年という時期だったんですね。
それまでは言わないようにしていた事をなぜか言いたくなったという著者。やむにやまれぬ思いがあったのでしょう。
中国の故事や親鸞、蓮如の教えを引用しながら縦横に語ります。

生まれて幸せになれるのが当然と思っていると、なかなかそうはいかなくて、不満ばかりになってしまう。
この世は辛くて当たり前と覚悟した方が良い、だからこそ良い事が少しでもあれば輝いて見える。
人間は生まれた時から既にいつかは死ぬと決まっている。
皆いずれは海に流れ込み天に上る、大河の一滴に過ぎないと。

普通で幸せな人がうっかり読むと、重すぎるかも?
ひどい事件も多い昨今、世界を見渡せば~さらに手に負えない出来事がいくらでも起きています。
頑張ろうとしても頑張れない時がある…ポジティヴに考えようがない事態に直面した時、この重さが救いになるかも知れません。
語り口は穏やかで、日常のぼやきも含めて具体性に富んでいて、わかりやすいです。

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「あやつられ文楽鑑賞」

三浦しをん「あやつられ文楽鑑賞」ポプラ社

文楽!どれぐらい人気があるのでしょうか?
人形を生で見たら、綺麗なんでしょうねえ…(そういう関心か?)
文楽と人形浄瑠璃は同じ物を指すそうです。
伝統芸能に興味はないではないんですけど、まだ舞台を見に行った事はありません。どっちかというと、その前に歌舞伎をもっと見たいかな…

思い浮かぶのは~玉三郎が「櫓のお七」というのだったか?人形ぶりでやった演目。元は文楽の演目だったのを人間がわざと人形のような動きでやるのが、チャーミングなのです。
文楽の方が歌舞伎より先に隆盛だったという事なのか、歌舞伎の演目は文楽でヒットした題材を使ったのも多いらしい。それで、似たのが多いんですね。

それと、お姫様が狐と湖を渡るシーンというのをテレビで見て、衝撃を受けたことがあります。あれは一体何だったんだ…という迫力のあるもので、恋人会いたさに諏訪湖を渡る時にお狐様が助けてくれるというか~取り憑かれた状態になっちゃうんですね。筋がやっとわかりました!
初心者が見るには、派手で良いんじゃないですかね~。

章毎に一つの作品を取り上げ、しをんさん流ミーハー精神での突撃インタビュー付きで、楽屋を拝見したり、近々と観察している様子が面白い。
とはいえ、初心者というには~かなり、はまっていますね。
なめらかな名調子だとかえって眠くなる事が多いとか、でも大事なシーンになるとオーラが漂ってきて、はっと目が覚めるんだそうです!?
わかりやすい文章なので、これを読んだら興味を持つ人が増えそうですね。

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「国家の品格」

藤原正彦「国家の品格」新潮新書

2年前からのベストセラーですね。
図書館にリクエストしておいたのがやっと来たので、読みました。

日本の良い所と悪い所、大きな世界史の流れの中での位置づけがハッキリ書かれています。
かなり大ざっぱではあるけど、それだけにわかりやすいんですね。
歴史の流れを知らな過ぎる人も多いと思うんで、突っ込みどころ満載ではありますが、この辺から考えてみるのも良いかと。
奥さんには「あなたの言うことは半分は勘違いで残りは大風呂敷」(はしょってますので~正確には読んで下さい)と言われているとか、「品格のない人間による世にも珍しい品格の本」だとか、笑わせながら語る講演口調がなかなか上手い。

論理で片付けようとしても上手くいかないことがある。
それよりも、日本古来の情緒と形が大事だという考え方です。
形っていうのがちょっとわかりにくいけど…
武士道で「弱い者をいじめるのは卑怯」「男が女を殴ってはいけない」ということに理由などない、ならむものはならぬといったあたりでしょうか。
これはお父さんの新田次郎にそう育てられたのだそうです。
若い頃には外国の合理主義に感心して憧れたが、次第に日本の良さに気づいたとか。

外国人に認められる日本の良い所はどんな点なのか、具体例を挙げて、良い気分にさせてくれます。
日本のように四季がハッキリしている国は珍しいというのは、そうかも知れませんね。繊細な日本の風景が世界一美しいというのはまあ~(私も日本は美しいと思うけれども)自分の国のことをそう思っている国民は他にもたくさんあるでしょう。

小学校で英語を必修にする必要はない、それよりも日本語。まずは読み書き算数の方が大事、中身が出来なければ喋れても海外では尊敬されないとのこと。そうだと思いますよ~。
(もちろん、英会話を勉強するのは構わないんです。英語は日常にとけ込んでいるし。小学校の正規の授業として、試験などが大変になるのは早くないか、という事です)

日本は普通の国になる必要はない、孤高の国でよい、世界に向けて自信を持って平和を発信すべきだとのこと。(この結末は意外?)
同感です。孤立しちゃダメだけどね。
すべてに共感するわけではないけれども、ヒットしたのは良くわかります。

12月に読んだ本はここまで、です。

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「生き方としてのヨガ」

龍村修「生き方としてのヨガ」人文書院

ヨガ道場主催者の書いた、ものすごく真面目な本です。
ヨガの特徴と効果、発祥と歴史などを丁寧に語っていて、理論があった方が嬉しい人向き。
教科書のように読んでいけます。

優れた指導者ほど、謙虚で質素なものなので、豪邸に住んで威張っているような人物はレベルが低いんだとか。納得です。
本人は沖ヨガでかなり激しい訓練も経験しているようですが(2メートルの高さから飛び降りるのも呼吸や姿勢で可能だとか)、一般には極端な鍛錬はしない方が良いと戒めています。

丹田呼吸法について詳しく、ヨガ経験者としても改めて重要性に思い至ります。
たとえば食事が終わってもうけっこうですという時に、本当に満足している人は首を引っ込めてお腹をゆったりさせている、まだ満足していない人は首を伸ばしてがつがつした態度を取っているなど、なるほどと思いました。
気持ちを落ち着かせるには、お腹をゆったりさせる形から入るのも良いということですね。

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「ねにもつタイプ」

岸本佐知子「ねにもつタイプ」筑摩書房

翻訳者の岸本さんのエッセイ集2冊目。
作者の妄想癖は相変わらず~面白すぎです。
何が気になるかはけっこう共感できるところもあり。
富士山に登ったら青い砂を持って帰れると小さな女の子が想像してたいうのは美しいですね。そこまではいかないけど、私も実際に上った時にはがっかりしましたっけ…

車内で温泉の湯につかりながら上下するロープウェーとか、えっ本当じゃないよね!?と一瞬悩んでしまう~虚実取り混ぜたエピソードの数々。
前の本よりシュール感が増して、新しい形態の文学のような味わい。

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「気になる部分」

岸本佐知子「気になる部分」白水社

翻訳家の岸本さんの爆笑エッセイ。
メチャ面白いです~。
会社勤めが全く合わなかった話や、日常のこだわりを面白おかしく書いてくれています。
たとえば「首の皮一枚で繋がっている、というのはもう死んでるんじゃないか」という友達の提出した疑問とか(@@;

「岸本佐知子さんの文章に飢えていた」というようなことを誰かが書いていたので検索して見つけました。
翻訳者の名前って見覚えがある程度で余りよくわかってないんですが…
ユニークな視点も文学を翻訳するには重要な資質なのね、と納得。
変わってる人は面白い~どんな目つきや雰囲気の人なんだろうか?
なるほどこれはもっと読みたいわぁ。
次は「ねにもつタイプ」だなっ。

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「千円札は拾うな」

安田佳生「千円札は拾うな」サンマーク出版

意表をついたタイトルが上手いですね。
頭の体操になるというか、ちょっと刺激される内容。
趣旨は大体、将来の展望を大きく持って、守りに入るなということですね。

経済効果として、一円玉を拾うのに費やすエネルギーは一円よりかかる、といったことがあるらしいです。
う~ん、まさしく一円を節約して千円を浮かすような生活をしているような気もするのだがしかし…

あまりに私の状況とはかけ離れているため、どこをどう参考にすればいいのか??というのがまた、頭の体操です。
自分に投資するのを怖がるな、といったあたりでしょうか。
でも糸目をつけないってワケには…動かせるお金が違うし、どっちかというと性格(というか職業?)キリギリス型のような気もするしなあ。
起業を考えている人や経営者ならば、もっと具体的にピンと来るのかな?

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「愛情評論」

藤本由香里「愛情評論」文芸春秋

主に少女漫画についての評論を集めた本。
なぜか生きづらくなっている世の中に気づいたという前書きに、思わずうなずいてしまいます。
やはり女子供にはしわ寄せが来やすいんですよね…
読んでいる作品がほとんどかぶってるのでわかりやすいですが、とてもこんなに細部を明確に覚えていないですねえ…

大島弓子の作品については、母親の存在が大きいという指摘。
う~ん、確かにそうなんだけど、それだけだったか…魅力は優しい絵柄、繊細なペンタッチ、細かな表情と独特なせりふの積み重ね、コマの配置やその間など、言葉に出来ない部分が多いんですよね。
弱いようでみずみずしく鮮烈な…
初期作品「誕生」の熱っぽさからもわかるように、母親へのこだわりも確かに感じます。
「フロイト式蘭丸」の過渡的な母親役の意味には、思わず納得。
「七月七日に」など、血のつながりのない親子への思い入れに共感して読んでいたような気がします。
なんだか思い出しきれない細部が気になってしまいますねえ。

アダルトチルドレンについても鋭い指摘が。
何もかもトラウマのせい、あるいは親のせいにして、いつまでもそこで停滞しているんじゃ困りますよね。
まあ~程度問題ですけどね?

「男流文学論」への批判が的はずれなことを説明するくだりに苦笑。
男性のする批評で、ありがちなやり方というのがあるようです。
女性の盲点をついたつもりが、男性の盲点を露呈してるんでしょう。
評論という物をそもそもあまり読んでいないので、良くこんな事をずーっと考えていられるな…とどっちにしても思うんですけどね(@@;

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「13歳のハローワーク」

村上龍「13歳のハローワーク」幻冬舎

なかなか良い仕事していると思います。
どんなことが好きな子供はそれをどんな方向へ生かせそうか、職業の紹介が大量に載っています。
その仕事に就くには何が必要か、ものすごく大変かどうかといったピンポイントの評が面白い。
特に好きなことがない子や、妙な物が好きな子へのアドヴァイスも新味があってなかなか有効なのでは。
小説家とは最後になるもので、最初から目指さない方が良いというあたりも、さすがの説得力。
画家というのは、自分が描きたくて描かずにいられないのなら、誰も認めなくても画家だそうです。

好きなことを生かして満足感を得るという方向なので、我慢して地道に暮らすとか、嫌なことをしてその分お金を貰うものだ、という視点はやや弱いかも。
どっちにしても辛いことはあるのだから、好きなことで辛い思いをした方が良いと書いてありますが。
…趣味だけにしておいた方が良い、という物もあるし…
それはもっと先に考えることでしょうか?

確かに~中学生ぐらいで、こういう本、読みたかったよな…
いや、19歳ぐらいでも良いな。
仕事についての本は当時何か読んだとは思うのですが…
今思うとスッゴイ極楽とんぼ!?まあ個人的な事情は多々あって、それは現在もそうですが(爆)
これだけ世の中にはたくさんの仕事があるのに、自分に出来るかも知れない物はごく僅か。ほとんどが縁もゆかりもないハナも引っかけて貰えない感じ。
そりゃ年齢的には可能性が閉ざされていても当然なのかも知れませんけど~13歳でも20歳でもそう広くはなかったよな…
…イラストレーターに画家に小説家に人形作家って~あなたね。(いえ自分に)もしかしてばかなんじゃ…
今やほとんど終わってる現実…頭が痛い~!?

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「歳時記を生きる」

岸本葉子「歳時記を生きる」中央公論新社

ちょっと前に新聞で元気そうな写真を見かけ、そういえばガン体験公表後の著作は読んでないなと思い、2004年発表のこの本を読んでみました。いぜんに他のを2~3冊ぐらいは読んだかと思います~。
現代版の歳時記というか、月毎の生活についてのリアルなエッセイで、とてもわかりやすい。
ふと「今年が最後になるかも知れない」という思いで景色を眺めたりする…といった感慨や、ガン患者の会へ父親と共に参加する下りなど、ちょっとしみじみとしますが、他は特に言及はありません。
どちらかというと~都会で暮らすシングル(老親つき)として、共感する所が多かったですね。

公園や電車の中でカップルを観察したりするのも何やらおかしい。
微妙に無礼な若いモンに対する視線が厳しくなっているあたりが、大人になってしまった感じかな。
ガシガシ文句つけたり要求通したりしない所が、まだオバサンにはなっていない?理性でしょうか。

私も寒がりなので、デパートで季節の先取りをし過ぎるために今着たい衣服が手に入らない不満など、よっくわかります。あれは決算の関係なのか、日本人には一斉に衣替えする感覚があるからなんでしょうか。最近はバーゲン時期も早くなっていて、よけいワケがわからなくなってますね。
一人で冬服をしまう大変さ、クリーニングに出そうか自分で洗濯しようかどうか迷ったりする気持ち、等々。
40過ぎて初めて日焼け止めを使ったとあり、あまりお化粧する方ではないので、慣れない化粧品のカウンターへ行った時に緊張するとか。色々ありますよねえ…わかるわかるって感じ。
最近になって、改めて季節感を大事にしたくなったという感覚は世代的な共感かしら。
この方はまっとうな人間だなあと思います。頭が良くて真面目でいかにもスッキリとして…男性からしたら付け入る隙が無いんでしょうかね!?

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「三四郎はそれから門を出た」

三浦しをん「三四郎はそれから門を出た」ポプラ社

このタイトルの新聞連載は前に読んでいました~三浦しをんを最初に認識したのがそれだったかも。他のコラムも集めた内容です。
このタイトルは夏目漱石の作品を合わせた物で~つい「三四郎はそれから猫である」だの「我が輩はそれから夢十夜」だの…くだらないネタをちょっと思い描いてしまいました。

何よりも本が好きで好きでたまらない!という情熱に好感が持てます。
ここまではついていけないかもしれないけど~共感する部分も多々。
書評も生き生きしていますが、家族ネタに爆笑~
理不尽そのものとしをんさんが思う母堂も半ば引きこもり?(そうでもないような…)の弟君をゆったり見守っているのが良いわねえ。
家族のうち父親だけは座って本を読む人で、他は寝っ転がって本を読むんですね。それで父が帰宅すると妻、娘、息子がそれぞれ好きな本を横に電気をつけたまま眠り込んでいる状態に出くわして電気を消して歩くというのに爆笑~
うちはそんなことはありませんが~息子と娘に関しては多少共通性が!?

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「人生は廻る輪のように」

エリザベス・キューブラー・ロス「人生は廻る輪のように」角川書店

終末医療の先端を開いた高名な医師の自伝です。
「死の瞬間」は世界的ロングセラー。
裕福な家の三つ子として生まれ、スイスで育った少女時代は金髪の巻き毛で同じ可愛らしい服を着た三人の女の子のモノクロの写真で昔懐かしいような…
これが本人にとっては自分の個性を封じられているようで辛かったとのこと。
親の反対を押し切って医大を卒業したらすぐに、第二次大戦戦後のポーランドに(何とヒッチハイクしてまで)渡って困窮する患者を救おうとした大胆な女性で、勇気と行動力はものすごいです。

精神病院に研修で配属されれば、重い分裂病と診断されてただ閉じこめられていた何十人もの患者に根気よく話しかけ、ほとんどを退院させる所まで持って行ったというのですから~。
天性の医師ですね!
何ともストレートな生き方で、時にはひるむ気持ちも正直に書かれています。
騙されたり脅されたりもしつつ、エイズが偏見を持たれていた時代から患者のために尽力した事には感服。
後半スピリチュアルになっていきますが、科学者の言うことなので他とは違う説得力があります。
自らの臨死体験も含めて、これほど深く生死の極限に接して暮らした人も少ないでしょう。

生きるとは何か?
命は愛と成長のためにある…力強い言葉です。
死ぬとは何か?
普通に考えるような死というもの(全てが無に帰す絶望)は存在しない!
つまり~肉体は失われて魂もこの世を去っても、魂は存在する。
生涯を通じて悟ったというのです。
準備の出来た人にはわかることだそうです…
考えてみれば、人類のほとんどは長い年月そう感じて生きてきたのではないでしょうか?

重いテーマで、凡人はなかなかこの境地にまでなれないと思いつつも、生きるヒントと勇気を与えてくれる書だと思います。
読了は3月末だったかな。

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「うつもまた楽し」

斎藤茂太「うつもまた楽し」大和書房

これを読んでいる途中で訃報を知り、驚きました。
風貌そのままのふわっとした語り口で読む人をほっとさせてくれる茂太さん。
うつが国民病のようになってきた昨今、何かお薦め出来る本はないかと探していました。自分もちょっと気分が落ち込むことはあるので~あまり深刻な症例が載っているような真剣な本ではかえって暗くなってしまいそうですから…
これは臨床の知識に基づいて、一般向きにわかりやすく書かれている名著と思います。

うつになりやすい性格は日本人に多い性格でもあるとか。
真面目で神経質な頑張りやさんってことですね。何かあった時に自分を責めて落ち込んでしまうタイプ。
神経質な人はその性格を生かして学校の成績が良い、と言われてみると確かにそうですね~。世間に出ると、仕事や人生は試験とは違うので自分一人がどう頑張っても結果が出るとは限らない、上司も部下も家族も言うことを聞いてくれるとは限らない、確かにね!
処方箋は目標設定を高くしすぎないこと。肩の力を抜いて、なんでも百点を取ろうとしないことだそうです。

生きていて何かとちょっとした憂さがあるのは当たり前、それを感じるのは正常な神経の持ち主だという証拠で、そこまでは健康。憂さがたまって、生きる気力が萎えていくような事にならなければよいのです。
気分転換の方法を身につければ、だんだん楽になっていく…

ストレスというのは、必ずしも悪いことではなく、それ故に頑張れることもある。あって当たり前の物で、ただ無くそうとする必要はないんですね。
これも実例を挙げて言われてみて納得!
同じストレスが続くよりは、違うストレスに切り替えた方が能率が上がるとか。頭を使うストレスの後には運動が効果的なのもその理屈。

また精神的な疲れを取るには時間の経過も大切だそうです。大きな事があった後で、他のことにすぐ立ち向かおうとするとポッキリなるとか…
もしかして、今の自分がそうなのかも~プチ無理!?ってとこですかね。ちょっと焦っていたかなあ…
気分転換のためにも趣味を持つのは大切なこと。趣味を仕事にした場合には切り替えが出来ないために苦しむこともあるそうで。これは個人的によくわかる~!?

精神科の門を叩く人の7割がうつ、というぐらいになって来たそうですが、来てくれれば半分は治ったようなもの。
自覚がないまま無理をしている状態が長引いてしまうよりは、風邪をひいたら病院へ行くぐらいの気持ちで、早めに気軽に相談して欲しいそうです。

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「いとしさの王国へ」

角田光代ほか「いとしさの王国へ」マーブルトロン(中央公論新社)

文学的少女漫画讀本というのが副題。
角田光代の著作リストから選んで図書館で借りたんですが~若手女性小説家8人プラス2人の執筆陣による少女漫画論というか、それぞれの立場による漫画の思い出談義。
最近は本屋に行っても知らない漫画がどっと増えているので、わからない話が多いかと思いましたが、特にエポックメーキングな作品や少女時代に愛読した作家についての話なので、けっこう知っていて懐かしく読めました。
夢中になって読んだあの頃を思い出す本です。

文学的というぐらいだから、私のお気に入りだった大島弓子や萩尾望都の話は多いしね~。全盛期のことならこっちが本を書けるかも!?
岡崎京子はあまり読んでないし、逆に?「キャンディキャンディ」も愛読してはいませんでしたが、どちらももちろん知ってはいます。
「キャンディキャンディ症候群」という題で横森理香が書いている内容は、当時の少女の憧れが一杯詰まった物語だったのだが、結末でキャンディはお金持ちの王子様とは結ばれず、孤児院で献身的に生きる。こういう日本的なストーリーを読んで影響を受けた少女が大人になってけなげに一生懸命頑張ってる。それは下手すると単なる不幸症の女になりかねないと…
ど、どうでしょうかね!?

むしろ書いている小説家をよく知らない。三浦しをんは読んでいるけど、角田光代、嶽本野ばらは1冊ずつ。他はたぶん読んでない…
このリストを参考にぼちぼち読んでいこうかなと思っています。
三浦しをんはいつも何かを求めて気合いを入れて漫画を読んでいる由。短い文章でもいつもながらオタク爆裂です~。
嶽本野ばらの「鱗姫」はポーの一族を読まなければ書かなかった作品だとか。異常に美しい兄妹の話で…それは確かにそうでしょう~。

驚いたのは樹村みのりのデビューが64年で「ピクニック」という作品が初めての内面的な少女漫画作品だということ。
うっすらとどこかで知っている気がするんですけど~そ、そんなに古かったんでしたっけ…?(き、記憶力がぁ…)萩尾さんのコメントか何かで後から知ったのかな?
巻末に年表みたいな図が入っていて面白いですが、もう少し資料的な部分も完備していた方が~買う価値があったかなと思います。

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「江戸へようこそ」

杉浦日向子「江戸へようこそ」ちくま文庫

86年に一度まとめられた本で、58年生まれの作者がまだ26歳の頃、漫画以外では初めて出した本のようです。
著者近影の若さにも不意をつかれましたが、中身も若いな~って感じ。
「お江戸でござる」のおっとりした解説とは雰囲気が違います。
江戸に関する本を何か読んでみようと手に取ったのがこれでしたが、初心者向けというより、かなりユニーク。そこが面白いと言えば面白いんです。

前口上でまず、「歴史好き」の人と「時代劇好き」な人というのがいるが自分はどちらでもないと宣言。
江戸趣味もノスタルジーも否定します、とどんどん切り捨てていきます。
「今、何故、江戸なのか」ではなく、「常に少しずつ江戸」と考えたいそうです。それだけ思い入れが深いんですね。
紋切り型のインタビューにうんざりしていた時期なのかな?

江戸とは何か…それは精神。
日本人を放っておくと江戸になる、というのが面白い考え方だと思いました。精神的なニュートラルポイント、ではないかということです。
特に江戸時代後半がお好みで、その頃の絵に大きく描かれている明るい空のようなあっけらかんとした絶望感を江戸の人は感じていたんじゃないか、それは東京の空を見て感じるものにも通じるとおっしゃいます。

といった話から始まり、吉原、浮世絵、戯作本についての詳しい蘊蓄が語られます。粋・野暮・気障の解説もよくわかって、面白いです。
特に黄表紙は実例と解説があり、どんな物か初めてわかりました!
もじりや皮肉をきかせた読み物で、教養がある大人向けの遊びなんですね~。
中島梓、高橋克彦、岡本蛍との対談が挟まって、漫画も入っているので盛りだくさん。
この対談もけっこうとんがっていて、お互いは認め合っているからいいけど…80年代後半にこんな空気があったんだろうか…?

惜しくも故人となっている方なので、「50年後いい婆さんになった杉浦さんが宇宙服を着て…」という後書きに複雑な思い。
…きっと今頃は天国で、戯作者達と夢中になってお喋りしているんじゃないかしら…

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「桃色トワイライト」

三浦しをん「桃色トワイライト」太田出版

直木賞をとったばかりの三浦しをん、小説とエッセイを何冊も出していますが、小説は色々あるけどどちらかというとシリアスで妙な雰囲気のあるタイプ、エッセイが爆笑もので面白いんです。
前に3、4冊は読んだエッセイもすごく面白かったけれど、更にグレードアップした気がする~楽しく笑える本です。
本好きでかなりオタクっぽい妄想渦巻く日常なので、ひょっとしたら、意味のわからない部分のある人もいるかも知れないけど~!?

松苗あけみの表紙も可愛らしく(柄足袋や猫が好みだわ)、表紙を描いて貰えて感激している様子も楽しい。
大の漫画ファンなんですよね~ものすごい買いっぷりと読みっぷり!
気持ちはよくわかるけど、ここまで出来ないな~。
「少女漫画タイトルの法則」にのっとって、らしいタイトルを考えるというゲームをやる話が中にあり、「桃色トワイライト」とは編集さんがその線で必死に考えた物だそうです。

ルトガー・ハウアーとか、俳優の好みに似た所があるので、最初は余り年齢が違わないのかと思っていたんですよ。
若いのに…
好みに二つの系統があるそうで、片方が同じ路線なのねー(猿顔じゃない方)
この本だとオダジョー、ああ懐かしや~日曜朝の番組も見ましたよ!数回だけど。あの時は癒し系キャラ。他にも色々な役やりましたよねえ…
大河は毎回見てました!
(しんごちゃんが一番合ってないかもって~そ、それは…)

相変わらず、乙女の妄想炸裂ですね~とくに「物陰カフェ」には爆笑。
一つには似たようなことを友達と考えたことがあるからです。
ここまで徹底して必ずしもこっそり見るだけって感じでもなかったんだけど~素敵なウェイターさんや執事みたいな人が働いているところを見てみたいっていうか。
スーパーのレジ袋を集めているとかね、最近はそうでもないけど、この内容を書いていた頃って、ちょうどうちもそうだったみたいな。

これはオンラインで発表していたそうなんで、じゃあこの続きみたいのも読めるんだわね。
[Boiled Eggs Onlineに週一で連載しているのが一ヶ月分までは無料で読めるそうです]

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