「街の灯」
北村薫「街の灯」文春文庫
15歳のお嬢さんを主人公に、昭和初期の上流階級の世界を描くシリーズの一冊目。
2002年に書かれた作品「虚栄の市」「銀座八丁」「街の灯」3作収録。
女子学習院に通う花村英子は社長令嬢。
本好きで、好奇心が強く、頭の回転が速い。
華族令嬢にも友達はいるが、それよりはだいぶ気楽な暮らしぶり~といっても当然のようにお出かけには振袖を着て「ごきげんよう」と挨拶しあい、運転手や女中頭のお供がなければ外出もままならない。
学校の送り迎えをする運転手に若い女性の別宮みつ子が雇われます。これは異例のことで、父の知り合いだったから、娘に少しは社会勉強をさせるための案内役と護衛にという気持ちもあってのこと。
ベッキーさんと呼んで、すっかり仲良くなり、一緒に小さな事件を解決していきます。
世間を知るクールで控えめなベッキーさんがやたらカッコイイんです。
壮士もお坊っちゃまも圧倒する文武両道、必殺・男装の麗人?運転手!
この段階では正体は不明で、事件の推理もけっこう少女の方が中心です。
優雅さ漂う暮らしぶりとちょっと懐かしいような銀座の風景などが楽しい。
レトロな魅力がありますが、実は5.15事件とか剣呑なことも起こっている時代なんですね。江戸川乱歩を良家の子女は読んではいけないというあたりも面白い…ま、そうでしょうねぇ。
2作目を先に読んでピンと来なかったんですが、こっちが先の方が良いですね。
北村さんをアップするの、このブログでは初めてかなぁ。
初期の物は8割方読んでると思います。血なまぐさい事件がなくて、素直な女の子がヒロインで、心安らぐ感じが貴重だったから~いいんですよね。
女3人の友情と闘病中の遅ればせの恋を描いた「ひとがた流し」はとても良かった!直木賞とるべきだったと思ってます。
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