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おすすめ本

「民主主義ってなんだ?」

高橋源一郎「民主主義ってなんだ?」河出書房新社

高橋源一郎とSEALDsのメンバーの対談による活動の起こりと展開。
さらに、民主主義とは何か、歴史の変化を解説。

安保法案に反対するデモで知られるSEALDs。
どんな成り立ちでどんな人がいるのか?
知らなかったので、興味深く読めました。
名称の意味は、「自由と民主主義のための学生緊急行動」といったところなのですね。

たまたま集まってきたメンバーそれぞれの個性。
生真面目なばかりでもないのね。
冷静で、無理がないのに感心しました。
奥田愛基さんの生い立ちもすごいですね。
親御さんが人並みはずれていて、「家にマザーテレサがいたらうっとうしいでしょ」って、確かに(笑)

何万人もの普通の人たちが、デモに集まった。
デモすら起こらない日本だった頃よりも、ある意味では増しな兆しなのか?
事態は複雑だけど、譲れないこともあると。

歴史はざっと知っているつもりでも、このように整理した形で読むとまた、違う印象がありました。
民主主義‥
響きはいいけど、面倒くさくて、かつ、民意は意外にまとまりにくいもの。
困ったね‥

大事なことは何なのか?
わかりにくくても、少しずつでも、興味は持っていきましょう。
当たり前のことも、口に出しましょう☆

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「沈みゆく大国アメリカ」

堤未果「沈みゆく大国アメリカ」集英社新書

日本の医療が狙われている?
どういう話なのかと思ったら~
「貧困大国アメリカ」でアメリカの問題点を鋭く指摘した著者の本です。

オバマ大統領は、国民が皆、保険に入る改革を目指したが、それは業界の反対で骨抜きに。
結果、出来上がったものは‥
医療保険制度改革「オバマケア」とは、日本の保険制度とは全く違い、民間の会社の保険のどれかに入らなくてはいけないというもの。
掛け金が高い割りに制限が多くて支払いは渋られ、とんでもない実態となっているそうなんです。
がん治療薬は自己負担になり、安楽死薬なら保険適用とは。
手厚く治療すると医師が罰金をとられるという規則まである!
一%の富裕層たちが、自分たちの都合のいいように国を動かしてしまう。それだけの力があるんですね。

今のところは、日本の保険制度は世界に誇れる良いものだそう。
ところが、アメリカの実情は日本にとっても他人事ではなくなってきました。
アメリカの保険会社は日本に進出しているのですから。
戦略特区などとよくわからない名前をつけて、日本でも特例が通る地域が勝手に作られているらしい。
その狙いとは‥?

また、消費税を上げる時には、いつも必ず、同時に法人税が引き下げられているのです。
消費税そのものより、法人の優遇が続きすぎることのほうが問題では。
大企業が豊かになれば徐々に一般庶民まで行き渡るだろうという楽観的?な経済理論は、現実にはどうも起こらないようだとだんだんわかってきたのだから。

国の借金が膨らんでどうにもならないので、消費税アップもやむをえないという話がありますが、他の各国では国の資産を差し引いたものが借金になるのに、なぜか日本では国の資産を引かないで金額を公表しているという。
そんなことがあるとは。

こういう大事な問題をちゃんと報道せずに、どうでもいい番組ばかり作っているところはないでしょうか。
一般の人も、いろいろなことを知り、そんなに馬鹿じゃないんだよというところを政府に感じさせないと。

強引に国のあり方を動かしていこうとしているのは、何のため?
思わず出た「保育園落ちた。日本死ね」というネットの発言が鋭く問題点を突いていたため、急に事態が動き出したりすることもあるんです。
いい方向に変わるきっかけは、まだ作り得ると信じます☆

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「お金が貯まるのはどっち?」

菅井俊之「お金が貯まるのはどっち?」アスコム

元銀行員で支店長、現在は不動産で所得がある、両方の経験を生かしたお金の話。
お金を貯めるにはどうしたら良いのか?
その基本が書かれています。

たとえば、クレジットカードを持つなら2枚と4枚、どっち?
これはあまりたくさん持ち過ぎてはいけない。

メガバンクと信用金庫、口座を開くならどっち?
これは、メガバンクはどこにでもあるので、急いでお金を下ろすときのもの。
利率も低く、まとまったお金を一般の人には貸してくれない。家を買うときなど、そういう融資を頼めるのは信用金庫だそう。

お金の配分の具体的な目安など、参考になるかと思います。
預金をどう使い分けるか。
保険はどういうのに入るべきか。
カードローン、キャッシュカードのリボ払い、はどう?
これは、どちらも得しないのでやらないこと!

コンビニと銀行、お金を下ろすなら銀行。
コンビニで払うなら現金よりクレジットカード。
持ち家派のほうが、賃貸派より得する。
家は、結婚前に買う。
住宅ローンは、ボーナス払いより、一律平均払い。etc.,

正社員で安定した給料があり、若い人、これから結婚を考えている人に多く当てはまる内容です。
現代では、そうでない人も増えていますよね‥
そのへんで、自分には手遅れな所も‥
それでも、細かな基礎知識として役に立つ部分はあります。
もっと早く知りたかったー!(笑)

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「職業は武装解除」

瀬谷ルミ子「職業は武装解除」朝日文庫

戦争が終結したばかりの土地に赴き、兵士の武装を解除する。
そんな職業があるんですね!
積極的な平和主義とは、まさにこのこと。
日本人だから出来ることがあるという。

一見、ごく普通の女性に見える。
瀬谷ルミ子、1977年生まれ。
国連での仕事を経験した後に、国際紛争解決を手がけるNPO法人の代表となりました。
2011年には、Newsweek日本版「世界が尊敬する日本人25人」にも選ばれた人なのです。

勉強もスポーツも何でも出来る優等生の姉。
明るくて人気者の弟。
どちらでもない自分に出来ることは何か、子供の頃から考えていたそう。
高校時代、新聞に載っていた一枚の写真に衝撃を受けたのです。ルワンダ大虐殺の難民キャンプでの、幼い子供‥
そんな環境にいる人に比べて、自分は努力しだいで色々なことが可能になることに気づいたという。

役に立つにはどうしたら良いか、進路を模索していきます。
日本の大学でまず政治を学びましたが、自分の行きたいコースがない。そこで諦めるのでなく、やっている人がいないのなら就職口は見つかるのでは、と考えたそう。
卒業後、英国で紛争解決学を学び、ルワンダ、アフガニスタン、シエラレオネ、コートジボワールなどものすごく大変な土地で、国連PKO、外務省、NGOの職員として、紛争を終結させることに携わってきたのですね。

まず兵士に武器を返還させるために、お金や仕事、農機具、職業訓練などを交換に与える。
そうしないと、武器を持った兵士に職がなくては、強盗や暴動が起こって、また逆戻りしてしまうから。
兵士に村や家族が襲われた記憶も新しい人々にとっては、兵士が罪をとがめられずにそんな得をするのは見ていて苦しいのですが‥
先に兵士を優遇しなければならないのは、そういう理由がありました。

アフガニスタンでは、日本人のあなただから武器を渡すと兵士たちに言われます。アメリカ人やイギリス人なら撃ち殺すと。
アフリカでは、植民地支配をしたことがないと評価される日本。
それに、第二次世界大戦で荒れ果てた日本が復興した様子は希望となっているのです。いつか、日本のようになれるのではないかという。
日本には、そういう価値があるのだということ。
そういう歴史的価値を背負った日本人。
平凡な一人に出来ることは少ないかもしれないが、決して、なくはないのでしょう。
傍観者としてではなく、関わっている当事者として考えてみること。
世界で起きていることを少しでも知ること。
この本のご紹介を書くこともその一歩のつもりです☆

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「世界一素朴な質問、宇宙一美しい答え」

ジェンマ・ウィルソン・ハリス編集「世界一素朴な質問、宇宙一美しい答え:世界の第一人者100人が100の質問に答える」河出書房新社

イギリスの小学生100人の素朴な質問に、その道の専門家が答えた内容。
アッテンボロー、ドーキンス、チョムスキーなども登場。
子供ならではの質問に、誠実に返事していて、大人でも面白く読めます。

もし自分が聞かれたらなんて答えるか?
考えながら読んだので、けっこうくたびれましたけど(笑)
疎い分野の答えは、おおそうだったのか!?と参考になって~面白いですよ。

「ミミズをたべても大丈夫?」という質問に、「大丈夫!」というのが笑えました。
「夜になるとなぜ暗いの?」
「どうして音楽があるの?」
「私は何でできているの?」
「どんなふうに恋に落ちるの?」
「人はどうして永遠に生きていられないの?」
「なぜ意地悪なんかするのかな?」
「ウシが1年間おならをがまんして、大きいのを一発したら、宇宙まで飛んでいける?」なんて質問までありました。

「神様って、だれ?」
という質問には、複数の回答。
決めつけないような書き方になっています。
「なぜ戦争があるの?」という質問には、「よく話し合わないから」と。
「偉い人が怖がると、起きる」
‥確かに。

イギリスならではの質問は削除したそうですが、どんなのだったんでしょうねえ?

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「レシートで人生を変える7つの手順」

平林亮子「レシートで人生を帰る7つの手順 もらって、集めて、眺めるお金術」幻冬舎

お金は一体どこへ行っちゃったのかしら?
と思っている人に、必要なのがこの本☆
うちの経済を立て直そうと検討中の人にも。
本当に大切なものは、何でしょう?

まずレシートを捨てないで、一ヶ月集めてみる。
1日の終わりにちょっと見直し、
1週間の終わりにまた見直し‥
値段だけでなく内容や時間も書かれているので、おのずと見えてくることがあるそうです。

あ、このとき、こういう理由で無駄使いしちゃったなと気づいたり。
ちょっと高かったけど、これはすごく満足したのでいいなと思えたり。
違うところで買えばもっと安かったのに、とか。
買ったのに、使ってないのに気づいたり。
何に使ったのか覚えていないようなものは、必要がなかったのかも知れませんね。

レシートを分類し、集計する。
家計には一体いくらかかっているのか。
自分の生活費がいくらなのか、即答できる人は少ないそうです。
どうしても必要なのはいくら?
収入>支出が基本で、そうであれば、個人の好きにどう使ってもかまわないとのこと。
半端なことをしていると、満足できずに、余計なお金がかかることも。
無駄を省いて、本当に好きなことにお金を使えば、満足感が高まるそうです。

貯蓄や保険、住宅ローン、老後の資金などの収入に応じた見直し方は。
一生必要なお金はどのぐらいなのか、という見当をつけて、対応するようにしておけば、漠然とした不安をなくすことができる。
順を追ってわかりやすく解説してあり、無駄をなくすコツは細かく具体的に解説してありますよ。

ちゃんと家計簿をつけている人なら、ほとんど考えたことがある内容かも?
それでも、考え方のポイントを拾っていくと、頭の整理にはなるんじゃないかと思います。

(蛇足:私の場合、まず収入を増やさなくちゃいけないんでは~という気がするけれど‥こほこほ)

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「年収100万円の豊かな節約生活」

山崎寿人「年収100万円の豊かな節約生活」文藝春秋

年収100万(不労所得)は確保している人の、お金をかけない快適な人生術。

著者は1960年、大阪府生まれ。東大卒。
大手酒類メーカーに勤め、広告マンとして活躍するが30歳で退職。
どこか合わない生活で、無理をしていたらしい。
中古マンションを賃貸しして年収100万があり、再就職はしないままで暮らして20年。
プータローが天職と心得る日々。

仕事をしようと思えばできた人だからこそ、仕事で自分の幸福や健康をすり減らす必要はないと断言できる。って感じかな。
100万の家賃収入があるのは恵まれているけど、なかったとしても忙しくない仕事につける可能性もありそう。
職を失ってショックを受けたとき、こんな考え方もあると知ってもいいかも?

お金をかけずに有名店に負けない味の料理を食べるために、研究を惜しまず、そういう意味ではかなり労働している人ですよ。
外で食べるよりも、自分で作るほうが安い。
確実に安く上げるためにはチラシで比較したり、安いものを探すコツもあるでしょう。
しかも、友達を呼んで喜んでもらえるほどの腕前なら、楽しい暮らし。
確かにこれはなかなか豊かです。
料理が好きなら、面白いでしょう。
レシピなど、具体的に詳しく書いてあります。
ホームベーカリーを駆使し、ハーブを育て、スパイスは取り揃えているんですね。
読んでいると、節約したくなるというよりも、ピッツァ焼き釜とか、なんか買いたくなる‥(笑)

もしものときの貯金はあるのか?保険は?
といったあたりがちょっと、気になる。
同じ条件の人はどれぐらい世の中にいるものか、わからないけど‥
年金などで、使えるお金が年100万円程度の人は、今後増えると思いますから~そういう場合の参考になるかと思います。

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「島国チャイニーズ」

野村進「島国チャイニーズ」講談社

これほど中国との間柄がこじれる前に読んだ本なので、今はなんだか複雑な気持ち。
経済的な打撃を受けた人や、間に立って困っている人も多いことでしょう。

まえがきは、東北へボランティアに行った中国人留学生の女の子の話から。
多くの中国人が日本から逃げ出したとき、ボランティアにまで行った人がいたのですね。おにぎりを三角に握れるようになったという。

今の31、2歳以下の中国人は一人っ子政策のため、ほとんど一人っ子。
親の愛情も期待も一身に受けている。そのため人付き合いはやや苦手だという。
日本よりも儒教的感覚が生きている中国では、親に電話口で泣いて帰国するように言われたら、逆らえないのだそう。

劇団四季の中国人俳優。
日本で大学教授になる中国人。
中国人芥川賞作家の誕生。
留学生は反日か。
北国の中国人妻たち。
神戸中華同文学校。
女たちの池袋チャイナタウン。
といった章立てで、具体的に。
ものすごい努力をして才能を開花させた人や、留学生のために尽力する人々など、感動させられます。
日本にある中国学校が、日本の昔の村の学校をモデルにしているとは。これがいじめも学級崩壊もなくて、いいんですよ~。

日本人の中国へのイメージは、かなり悪くなっている現実。
だが日本に住んでいる中国人は、もともと希望を抱いて日本にやってきたので、親日的だったのに。
孤独に苦しむケースもあるが、満足している人も多いそう。
日本のイメージは東京のような都会なので、日本人と結婚した女性は田舎暮らしに失望し、離婚すると不法滞在者になってしまう場合があるとか。

広大な中国では、民族ごとに顔立ちも言葉も文化も違い、同じ民族同士しか結婚しない。
日本に来るのは、中国内を移動するのとある意味、大して差がない。
韓国と違って単一民族ではなく、改姓を強要された史実もない。そのため、帰化も、名前を日本的にすることにも抵抗がないという。

戦前や戦中の日本軍の行為はもちろんよく思ってはいないが、終戦の時に中国は敗戦国の側ではなかった。
今の反日運動も、じつは政府への不満を発散している面がある。政府への暴動だともっと弾圧されるので、こういう形でやっているそう。

文化大革命と天安門事件などで苦労してきた世代は、日本の良さをよくわかっているのですね。
ただ、今の中国政府は、外国に住んでいるキャリアの高い学者らを優遇することにして帰国を促しているので、今日本にいる優れた人物が遠からず帰ってしまう可能性があるそう。

日本人と中国人はお互いに信用しきれないと恐れている部分がある。
知らないことは怖いので、知ることによって少しでも理解が深まればという熱い思いが伝わります。

著者は1956年東京都生まれ。
「コリアン世界の旅」でノンフィクション賞を受賞。

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2012年後半に紹介した小説以外の本

2012年後半にご紹介した本
7月
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」  岩崎夏海
1冊

8月
「日本中枢の崩壊」  古賀茂明
1冊

9月
「不機嫌なメアリー・ポピンズ」  新井潤美
「なんとかしなくちゃ」  モニカ・ディケンズ
「知らないと損をする 池上彰のお金の学校」  池上彰
3冊

10月
「生きていてもいいかしら日記」  北大路公子
「ヴィクトリア女王―大英帝国の“戦う女王”」  君塚直隆
2冊

11月
0冊

12月
「アガサ・クリスティーと訪ねるイギリス」  津野志摩子
「バービーと私」  宮塚文子
2冊

少ないですよね‥
小説だけではちょっと現実逃避になってしまうのでは?という危惧と、ベストセラーリストなどはむしろ小説じゃない本が多いので、おお世間はそうなのだと気づいて、読んでみたりして。

ドラッカーのマネジメントは図書館でも冊数が多いのでしょう。
いぜん調べたときには待ちが長いのでまあ読まなくてもいいかとやめたんですが~このときリクエストしたらすぐに来ました!
流行にすっかり遅れた感じ?(苦笑)

池上彰の本は、いつも買ってます~読み返すために。
お金の学校なんか、すぐ2度目を読みました。
それでも、忘れますねえ‥

イギリスものって面白い。
「不機嫌なメアリー・ポピンズ」はイギリスでは当たり前のことになっている身分(社会階層)の感覚が、映画や小説にどう反映されているかという親切な説明。
「なんとかしなくちゃ」はそこで取り上げられていたお嬢様が家政婦になっての体験記。
「ヴィクトリア女王」は、映画をテレビで見たため。
アガサ・クリスティーもすでに歴史的人物なので、いろいろ読み直そうと思ってます。

「生きていてもいいかしら日記」
この気持ちわかるわぁ。まあこれだけ筆が立って、人を笑わせられれば、十分でしょうが。

「バービーと私」
世界的にヒットしたバービー人形が最初日本で作られ、その洋服のデザインに貢献した話。なんとね~日本人がこんなに力を入れて作ってみていたとは。
すごく面白かったです。
私らしいという点では、この本がベストかな。

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「ヴィクトリア女王―大英帝国の“戦う女王”」

君塚直隆「ヴィクトリア女王―大英帝国の“戦う女王”」中公新書

ヴィクトリア女王の若き日を描いた映画をテレビで見た後に、読んでみました。

19世紀イギリスの繁栄期に64年近くも女王の座にあったヴィクトリア。
「君臨すれども統治せず」という言葉もあったため、政治にはあまり口を出さなかったような印象がありますが、実際はそうでもなく、かなり熱心だったという実像を紹介。
女性であり、若くして即位、9人の子だくさんで家庭的なイメージといったあたりから、実際よりも政治的でないと思われているそう。

王家の跡継ぎがいなくなりそうだった時期の問題から始まり、結婚出産ラッシュ。
しかし早世した子もあって、四男の娘ヴィクトリアしか跡継ぎはいない事態に。
ヴィクトリア自身は伯父にあたる王に気に入られていましたが、母親ケント公妃はドイツ人だったために王に信頼されていなかったいきさつも。

首相や大臣達との対立や交流ぶりが具体的に。
メルバーン首相を師と仰いで信頼しましたが、政権交代がおき、身近な女官も取り替えなければならなくなって、当初はこれを拒否したために揉めることに。
メルバーンは妻子を亡くした後で、父娘のようだったらしい。

ディズレーリやグラッドストン、名前は覚えていたけど、詳しいことはすっかり忘れていたので、また印象が変わりました。
自由主義のグラッドストンとは仲が悪く、ヨーロッパのもめ事に不干渉な態度を無責任と感じたらしい。世間にも不評となって辞めたがまた復帰、長年勤め上げて辞めたときにも冷たい態度だったとか。

女王が拡張政策に熱心だったという一面も。
長女のヴィクトリアがドイツ皇太子(後の皇帝フリードリヒ3世)と結婚したため、ドイツとも縁が深かったのですね。
ビスマルクを嫌っていましたが、対面したときに互いに印象が変わったという。
ロシアのことはかなり警戒していて、ロシアが帝国であるために、一つランクが低い「女王」というだけでなく張り合える「インド女帝」の称号を望んでいたとも。
(1872年に女帝の称号を得る)
子どもや孫が各国の王家と縁を結んだので、ヨーロッパ一のゴッドマザーになってゆく。

1861年、42歳の時に最愛の夫アルバート公が亡くなってしまう。
その後は、生涯喪服で通したため、政治に関心を失ったと思われてもいます。
実際に10年ほどは国民の前に姿を現さなくなったのですが、離宮で静養していても書類は持ってこさせ、政務には関わっていたそう。そして、10年ほどたってからは、やはり国民の前に出なければと思うようになったらしい。
黒い服で通しましたが、子どもの結婚の時には白いベールを付け、在位50年の時には黒いドレスに銀の刺しゅう、60年の時には金の刺しゅうをしたとか。

長男で跡継ぎのバーティには失望していて、30になっても何も実権を与えなかったのは失策だったと批判的に書かれています。
確かにバーティは、大学を中退してしまった遊び人ではあったんですね。
自身が喪に服している時期には、バーティに何かさせた方が良かったかもねえ。

1893年には、ロシアの皇太子ニコライ二世がロンドンを訪問。
バーティの次男ジョージ(後のジョージ5世)の結婚式に出るためでした。ニコライとジョージは母親同士がデンマーク王女で姉妹という従兄弟で、そっくりだったという。
翌1894年には、皇帝になったニコライ2世と、女王の孫娘のアリックスが結婚。
後にロシア革命で倒された一家ですね。皇帝の方が格が上なため、結婚式はロシアで行われました。
結婚相手が公国の出だったりすれば、結婚式はイギリスで、ということになる。
面白かったです。

女王は、1901年1月に81歳で死去。
世紀の葬列を夏目漱石が目撃したとか。ちょうど留学していて、下宿の主人の肩に乗ったんだとか。
自分の整理のために~年号など含めてメモしておきました。
2007年発行。

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