「黄金の羅針盤」

フィリップ・プルマン「黄金の羅針盤 ライラの冒険1」新潮社

フィリップ・プルマンの名作。
三部作の一作目で、一番中身が濃いです。
いぜんにハードカバーを借りて読み、重厚さと迫力に驚嘆しました。
文庫を買って読み直してますが、二度目のせいか文庫のせいか映画化された写真が載っているせいか~ずっと、わかりやすく感じます。

舞台は20世紀の初め頃(1930年代ぐらいかな)のロンドンに似た異世界。
両親を亡くしたライラは、おじである探検家・アスリエル卿を後見人に、大学の学寮に預けられて育ちます。
生来活発でおてんば、嘘の得意な~近所の子達のガキ大将的存在。
自分では知らないある運命を背負った子として、途方もない冒険に飛び込んでいく事になります。
地域の子供が謎の評議会にさらわれるという噂が立ち、友達のロジャーが行方不明になるに及んで、ライラは救出に乗り出すのです。
荒っぽい女の子がイイコになるってわけでもなく、強さを生かして難局にぶち当たっていく~果敢さが良いですね。

この世界には「よろいグマ」という知能も戦闘能力も高い白熊がいて、この中のはぐれ者イオレク・バーニソンがかっこいいんです。
イオレクに出会ってからのライラは勇敢で~後半、ぐっと盛り上がります。

この世界では人は皆、分身のような存在のダイモン(守護精霊)を持ち、常に行動を共にします。
ライラのダイモンはパンタライモンという名前で、オコジョになったりカナリヤになったり蛾になったりと便利に姿を変えます。
パンタライモンはすっごく可愛いですよ~。

ダイモンの姿はその人の本質を現していて、大人になると一つの動物の形に定まります。
探検家アスリエル卿のダイモンは雪豹。
世界を揺るがす陰謀に関わっている謎の女性・コールター夫人のダイモンは、金色の猿。
ジプシャンの中の女王的存在であるマ・コスタのダイモンは鷹。という具合です。

もう一つの特異な存在は「ダスト」
これが何かは、この世界の人達にも良くわかっていなくて、色々説があります。
一体どう転ぶのか全体像が少し見えかけた所で終わるので、ひい~って感じですよね。続きも必読です。

映画公開中。キャストはピッタリの感じですね。
児童文学の枠にはまりきらない重厚さと大胆さが~映画ではどうしてもスッキリ軽くなってしまうのではないかと思いますが…見てから読めば解りやすいかも?

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「天璋院篤姫」下巻

宮尾登美子「天璋院篤姫」(下)講談社

大河ドラマの原作、後半です。
御台所にはおさまったものの、将軍である夫は身体が弱く、たまのお渡りをただ待つしかない日々。
それでも篤姫には夫婦としての情がわいていきます。
ハリスに通商条約を迫られる中、夫・家定の急死。
それも将軍の死はしばらく伏せられる習慣で、既に亡くなっているのも知らされず、病と聞いても看病に行く事すら出来なかったのは、無念だったでしょう。そういった心の動きをぐいぐい描き込んで読ませてくれます。

次の将軍となった家茂はまだ少年で、いぜんから本丸に住んでいたので馴染みがあり、篤姫を母上と立ててくれます。
しかし、和宮降嫁で京都と江戸それぞれの女中達が対立、大奥を揺るがす騒動となります。
和宮は4年の結婚生活で同居は2年6ヶ月、これでも篤姫よりは少し長いんですね。

10歳しか違わない和宮とは、江戸城明け渡しに際して、力を合わせて奔走することになります。
晩年は、共に江戸の町見物もしたという~微笑ましいエピソードも。
国政の大変動期を内側から描いて迫力があり、面白かったです。

徳川家は一大名となり、後には公爵となります。篤姫がさっさと薩摩の迎えに応じて城を捨てていたら、扱いはもっと悪かったかも知れませんね。
跡取りを江戸屋敷で育て上げた後半生はけっこう充実していたでしょう。手狭になった暮らしも今泉で育った頃を思い出させて、大きな大名家で生まれたお姫様よりもずっと適応しやすかったのでは。
尊敬された一生だったという事で、何だかほっとしました。

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「ジェイン・オースティンの読書会」再録

カレン・ジョイ・ファウラー「ジェイン・オースティンの読書会」白水社

ジェイン・オースティンは「エマ」「高慢と偏見」などで有名な(というか私が多分これしか読んでない)19世紀前半のイギリスの女性作家。
ロマンス小説の元祖みたいな作風で、村の中流家庭の男女の恋愛をいつも描いていて、当初軽く見られた面もあるけれど、現実味もあり、実に上手く書けているので~後の作家にもファンが多いんですね。

この小説は、現代アメリカのごく普通の町で、オースティンの読書会を開く6人の男女の物語。
月に一度、誰かの家に集まり、一つの作品について語り合う会を開くんですね。持ち回りでお茶とお菓子などを出すわけです。
こんな企画があり得るんですねえ…

言い出しっぺのジョスリンはお嬢様育ちで仕切りたがりという現代版のエマ50歳といった感じ。大型犬のブリーダーというのも面白い。
ジョスリンの長年の友達シルヴィアは司書で、夫に去られたばかり。
その娘で同性の恋人と揉めているアレグラ、唯一の男性でオースティン初心者のグリッグなど…
それぞれの状況の変化や、作品に関連して思い出される痛い思い出などを織り込みながら、数ヶ月の成り行きが語られます。
ユーモラスで皮肉をきかせた現実味がオースティンの作品を彷彿とさせ、結末もそれなりにハッピーエンドなのも倣っているようです。

オースティンを読んだことがなくとも、十分面白く読める内容になっています。
巻末には作品リストとあらすじに加え、オースティンについて語った有名人の評などもまとめられていて、これも楽しい。
女性だったらまず、オースティンの作品を読みたくなるんじゃないかなあ?
映画で見るのでもオッケーだと思います。

[追記]先日、たまたま検索ワードというのを見てみたら~なぜかこの作品名が着物に次いでトップ。不思議に思っていたら、映画が公開になるんですね!
自分の記事を探すのにえらく手間取ってしまったので~アマゾンの画像を左サイドに出し、ついでに再録ですが記事も上にしました。

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映画「細雪」

市川崑監督を追悼して先日BSで放映がありました。
この映画、大好きなんですよ。83年の作品。
(劇場では見てませんが)
谷崎潤一郎の原作も、日本の小説の中では特別なお気に入りです。
妙に面白いんですよね…

昭和13年。
芦屋に住む名家の四姉妹が、揃って京都でのお花見に集まった所から始まります。
本家を継いでいる長女を岸恵子で、着物姿が最高に決まってます。背筋はしゃっきりしていて、真面目なんだけどどこか抜けていて。お婿さんの伊丹十三もそれらしくて~面白いの。

分家の次女を佐久間良子。
一番普通に女っぽい役でしょうか。もう親はなく、妹2人を預かっているので、けっこう気の揉める立場です。
これもお婿さんの夫を石坂浩二。義妹の雪子のはかなげな色っぽさに骨抜きになっているのが笑えるんですよ~ちょっと谷崎の想いを偲ばせる、この演技がね~。

三女の雪子を吉永小百合。
雪子の縁談を中心に話が進むので、彼女が魅力的でないと話になりませんが、これがとても良いんです。
いかにもお嬢様らしく品のある美形で、内気で弱そうに見えるけど頑固な所もある、なかなか一筋縄ではいかない雰囲気。
似合わない見合いを押しつけられるのに昔は同情したけど、大人になってから見ると、厄介な女だなあって感じしました。
婚礼のために親が用意しておいたという着物がすごいです。

四女の妙子に古手川祐子。
昔は船場の名家だった薪岡家だけど、末っ子が育つ頃には傾きかけていたからか?一人だけ雰囲気違います。姉たちのようになれないので居場所を求めて足掻いている様子。
確かに原作でも毒があるような所ありましたけどねえ…
品がないので、ちょっと損している感じがするわ。

それでも四姉妹ともパートナーとはそれなりに上手くいく展開なので、記憶よりわかりやすいというか~起承転結あるじゃん!と思っちゃいました。
何となく~優雅にお喋りしながら、何事もなくだらだら続いていくような感じがしてたんですよ。
でも長女一家の東京転勤もけっこう大変な事だし、じつは震災が起きていたり?、妙子なんか波乱の青春じゃないですか。
暮らしは優雅なようでも、実は戦争に突入していく時期だったわけなんですね。
失われていく美しさへの谷崎の思い、監督の思いが感じられます。

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「HAPPY AGE」

吉野朔美「HAPPY AGE」集英社

先日、押し入れを捜索中に出てきたコミックスの一つです。
これ、大好きだったんですよ~!

1926年のニューヨークを舞台に、繊細なペンタッチで描く、小粋でお洒落で、ちょっと不安定な~都会の若者達のお話。
新聞社のカメラマンで人の良い、赤毛のオーガスタスが主人公。

一章目の「キャバレーN.Y.」では、撃たれて入院中のギャングのボスの写真を撮りに行き、その情婦と目される気の強い少女カルラと出会います。
20年代のボブカットと、すとんとしたドレスが可愛い。
二章目の「10セント・ダンス」というのは、10セントでお客と踊るダンサーの仕事。半ばホストのようなもんですね。
仕事が少ないオーガスタスが上役のサーにバイトを紹介されて、ダンサーの仕事をしに出かけます。
そこで再会したのは、不思議な魅力を持つ中性的な美少年アレックス。
頻発する放火事件の現場にたびたび居合わせる彼は、亡命したロシア貴族で、カルラと同じく孤児の身の上でした。

昭和59年の連載、コミックスは1985年発行…つまり翌年ですね。
この間の「銀流砂宮殿」と同じ年!同じ棚にあったわけだわ~昭和48年デビューの文月さんとはキャリア違いますが。
吉野さんは昭和55年にデビューしてるので、まだ5年目。

ライザ・ミネリ主演の72年の映画「キャバレー」がベルリンの1930年頃の話でした。ヒロインの髪型が似ています。
最近だったら「シカゴ」の方がわかりいいかな?
これも元は「キャバレー」と同じ頃の大ヒットミュージカル、同じボブ・フォッシーの振り付けです。
ダンスの方は確か大スターのルドルフ・ヴァレンチノが若い頃やっていた商売です。
バレエダンサーのルドルフ・ヌレエフが主演した映画「バレンチノ」(77年)もありました。
どっちも見に行きましたよ~懐かしいです。
映画のパンフが「スティング」の手前に置いてありました!「スティング」は1936年の設定なのかな。

他に近いのはボウイ主演の「ジャスト・ア・ジゴロ」
これは風邪をひいて見に行けなかったんですが、友達がパンフをお見舞いにプレゼントしてくれましたconfident

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「天璋院篤姫(上)」

宮尾登美子「天璋院篤姫」(上)講談社

今年の大河ドラマの原作。
テレビで見やすいホームドラマ調の展開に慣れていたため、漢字が多い!と思ってしまった。
新装版は字が大きくて読みやすいです。
それに平家物語などよりは時代が近いので~まだ解りやすいですけどね。
150年前かぁ…

すぐに濃厚な語り口にぐっと引き込まれました。
桜島を見るのも最後になるだろうと思う出立の日から回想していきます。
幸せそうな家庭でしたが、実は父親には側室が2人もいたりしたんですねえ。そういう経験もあった方が御台所になるには良いかも知れませんが。

乳母の菊本のエピソードは原作通り。
他は幼い頃の話は少なく、尚五郎は影も形もありません…
西郷は篤姫の輿入れの道具を揃える仕事をしたんですね!似合わないけど~史実なので、どこかでも聞いた覚えあります。

養女の話が出てから御台所になるまでには何年もかかったとは、驚きました。
南の果ての薩摩の分家から、段階を踏んで出世街道を上がっていく、ところがその頂点の将軍家というのが~豪華な暮らしはしていてもねえ…
夫となる将軍は病弱で変わり者…篤姫の戸惑いや愛情がよくわかり、自然に感情移入出来ます。
世継ぎを誰にするかという激しいせめぎ合いが一段落しそうな所まで。以下、下巻!

身分制度がはっきりあって、皆がそれを受け入れていた感覚というのはどんなものでしょう。
そして、それがもろくも崩れ去っていく…
ちょうど黒船も来航したとドラマでもやっている所ですが。
明治になるまでもうあと、ほんの15年ぐらい?
どっちへ転ぶか~難しい時代だったんですねえ。

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映画「エデンより彼方へ」

映画「エデンより彼方へ」

ジュリアン・ムーアがブルジョワ家庭の理想的な妻を演じて、とても美しい。
「めぐりあう時間たち」の後の作品みたいですね。
たまたま最近見た映画で、歴代ベストというほどの大作ではありませんが。
監督はトッド・ヘインズ(って知らないけど)
夫役はデニス・クエイド。黒人の庭師は「24」の大統領役!?

舞台は1950年代後半のアメリカ、コネチカット。
美しく優しくセンスの良いキャシー・ウィテカーは理想的な主婦。
夫のフランクは一流企業の重役で、2人の子供にも恵まれ、豪邸の建ち並ぶ高級住宅街でも花形の一家でした。
まだ公民権運動もウーマンリブも動き出さない頃の差別が強い時代、豊かな生活は実は偽善に満ちて、夫の秘密と周囲の偏見のためにやがて崩壊していくのです。

まだ同性愛が病気だと考えられていた時代のことで、治療を決意する夫に喜んで尽くす愛らしい妻が悲しい。華やかに装っていたのも夫の気をひくためだったのかも知れないですねえ。
そんな努力も空しく、男性と真実の恋に落ちたと夫に告白されて泣かれてしまっては、妻は立場ないですよね~。

新しい庭師のレイモンドは黒人なので親の仕事を継ぐしかなかったのだが、知的で包容力があり、彼とのさりげない会話に慰められるキャシー。
だが黒人の車に乗っていたというだけで、あっと言う間にとんでもない噂が立ち、爪弾きにされてしまう。
それは誤解だったのだが、窮地に立たされて、ますます心は傾いていく…
無邪気なキャシーの言動があまりに無防備で痛々しい。

スカートが広がった当時のファッションを当時のテクニカラーの味わいで再現し、完璧にきちんとした見た目と内実のギャップが強烈。
大画面で見たらまた綺麗だったでしょうね。
ジュリアン・ムーアは「ゆりかごを揺らす手」の脇役の頃から注目していた女優さん。クラシックな美貌とまっとうな感性を生かせる役って案外少ないですよね。
人妻のはかなく散る恋を抑えた表情で演じて、世界で15の主演女優賞を獲得したそうです。

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「映画篇」

金城一紀「映画篇」集英社

映画のタイトルにちなんだ連作集。
作者はコリアン・ジャパニーズ。読むのは初めてですが、映画「GO」はテレビで見ました。窪塚君がコウ嬢に恋する話ね。

一作目の「太陽がいっぱい」
デビュー作が映画化されるので撮影現場に出向いた小説家が幼馴染みの女性と再会し、中学時代の親友・龍一の事を思う…
一緒に映画を見まくった親友どうしなので、映画のタイトルが続々~男の子が好きそうなのばかりで、私には思い入れがないのが多くて笑っちゃいました。(「スティング」は入ってました)
アクション物はけっこう見ているけど、それについてえんえん喋るなんて事はないもの。
どっちも父親がいないので、ヒーローの条件に父親がいない事をあげていたりするんですね。

総じて映画への愛たっぷりの本ですが、つまらないフランス映画というのが何度も出てきて、タイトルがないのが気になる…(ゴダールか!?)
特定の作品じゃないのかも知れないけど、そんなにつまらないのって妙に見たくなりますね。

映画にちなんだ短編にうまく繋がりを持たせてあり、最後の「ローマの休日」の自主上映で、それまでに登場した人々がすれ違うのがさりげなくて雰囲気あります。
最後がまたいい話~!
長年連れ添ったお祖父さんを亡くして元気のなくなったお祖母さんを心配して、ちょこっと問題ありの従姉弟達が結集して頑張る話で、おバカな小さな従弟や、口は悪いけど根が人の良い主人公の恋愛も自然体でイイ感じ~心があったかくなりました。

映画を知らなくても楽しめますが、まだ「ローマの休日」を見ていない若い人はぜひ見てみて!
本屋大賞の候補作だったと思いますが、あれ、まだ決まってなかったっけ…?

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映画「マイ・フェア・レディ」

映画「マイ・フェア・レディ」

今のベスト1は何だろうと考えてみたら、これかな?
名作です!
映画館では見ていないんじゃないかと思うけど、長年通して大好き!いつどんな気分の時にも見て楽しめる、何の気なしに思い浮かべたり~曲を口ずさむ事もある、素敵な映画です。
「スティング」が長い間ベスト1映画で、部屋にポスターも貼ってあったんですが~他の何かが取って代わったというわけではありません。最近見るまで何年も見直す事がなかったから、今の1位とまでは言えないかな、と。ベスト5には入ります~それも1位が5作品て感じかも。

さてオードリー・ヘップバーン主演「マイ・フェア・レディ」を知らない人は少ないと思いますが…
1964年(昭和39年)の映画ってことはパッと出ないですよね。
監督はジョージ・キューカー。原作はジョージ・バーナード・ショウ。
オードリーは1929年生まれで、この映画は「ローマの休日」から11年も後とは思ってなかったです。若く見えるけど~演技に幅が出ているのも当然かな?

舞台は、20世紀初頭のロンドン。
下町訛りの強い貧しい花売り娘イライザが、ふとした出会いから賭の対象になり、ヒギンズ教授の発声指導を受けて、美しい淑女に変身していくロマンチック・コメディ。
オードリーが生き生きしていて、何ともキュート。
皮肉屋の教授に当時大人気だったレックス・ハリソン。めちゃ口が悪いんですが、次第にイライザに惹かれ、それを素直に表現出来ずにケンカになるのも楽しい。大ヒットした舞台でも、この役だったんですね。

イライザのお父さん役もすごく良くて~歌も最高!娘の出世にあやかろうとしたのが上品に生きなければならなくなったとぼやくのが面白い。
ホームズ役者のジェレミー・ブレットが若い頃に出演していて、イライザに恋する若者を演じています。これに気づいた時にはビックリしたもんでした。

第37回アカデミー賞で作品、監督、主演男優、編曲、録音、撮影、美術、衣装デザインの各賞を受賞。
セシル・ビートンの衣装の役割は大きく、当時の流行も取り入れながらシーン毎に変化させ、オードリーの魅力を引き出しつつ、画面全体が実に美しく仕上がっています。
特に、競馬場のシーンは忘れられません。社交界のご婦人方が大きな帽子とモノトーンの装いで勢揃いし、とってもお洒落な描き方でした。
主演女優賞がなかったのはオードリーの歌が吹き替えだったのが主な原因だとか。本人も下手ではなかったんだけど、舞台で成功したジュリー・アンドリュースのようにはいかないということで。まあ「ローマの休日」でもう主演女優賞もらってたし。
しかし~ここまで歴史に残る歌となるとはね。

大地真央のミュージカルを何年も前に見ましたが、これも当たり役で、柄の悪い町娘も気品あるレディも完璧でした。

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映画「スティング」

映画「スティング」

先週、アカデミー賞受賞作品をいくつか、BSで放映していました。
その中に大好きな作品があったので、取り上げてみたいと思います。

ジョージ・ロイ・ヒル監督、1973年アメリカ映画。
出演ロバート・レッドフォード、ポール・ニューマン、ロバート・ショウ。
第46回アカデミー賞の作品賞、監督賞、脚本、映画音楽、美術、音響、衣装デザインの7部門を受賞。
1925年生まれのニューマンが円熟期に入った代表作と言えるのに、賞は縁遠くて貰い損なってますね…どうもハンサムで人気のある俳優はなかなか貰えないようです。(後にハスラー2で受賞)
レッドフォードは主演男優賞にノミネートされたけど、逃してます。36年生まれだから、この時はまだ若いですねえ!

物語は、1930年代のシカゴを舞台に、気のいい詐欺師達が力を合わせて、大ギャングに一泡吹かせるという~小粋でしゃれた復讐劇。
けちな仕事で日銭を稼いでいた若者ジョニー・フッカーが、ひっかけた金がギャングへの支払いだったことから、親代わりの師匠を殺されてしまう。
自分も命を狙われながら、敵討ちのために伝説的な賭博師ヘンリー・ゴンドーフを探し出し、手を組む事を依頼する。ひょうひょうとしたゴンドーフに信用しきれないものを感じつつ、次第に仲間が集まって、仕事は盛り上がっていき…

監督と主演2人は69年の「明日に向かって撃て!」と同じコンビ。
息の合ったチームで、ニューシネマと言われた前作とはまただいぶ違った大人のコメディとなっています。
敵役のロバート・ショウも貫禄があって、いい味してます。
ヘンリーの愛人も姉御肌で、大人の魅力。
詐欺師の中でも紳士的な風貌の人なんかも好きでした。
軽快なテンポで、とにかく楽しい~大好きな映画です。長い間、ベスト1でした。
ラグタイムピアノの音楽も最高!

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大河ドラマストーリー「篤姫」

NHK大河ドラマ・ストーリー「篤姫」前編

篤姫関連の物を幾つか見ていたんですが~これがわかりやすいようでした。
薩摩の事はあまり知らないんで、少し何か読みたかったんですよ。
いぜんの大河ドラマ「翔ぶが如く」も面白かったんです(西郷と大久保が西田敏行と鹿賀丈史というのが適役でした)が~1990年なので、細かい事はすっかり忘れてしまいましたし。
高橋英樹が島津斉彬を前にも演じたような気がしていたんですが、斉彬は加山雄三で、英樹氏は久光をやったんですね~。
外様でありながら大大名の薩摩が海外に目を向けるいきさつ、幕府との婚姻政策や反発…時代のうねりが感じられる所です。

その後に、年の初めは多く出ている着物関連の本や雑誌を見ていて、またここに行き着きました。
篤姫だけでなく主な登場人物の着物姿が綺麗に写っていて、なかなかの見応え。奥方様の着こなしも品が良いですが~奥女中は当時トップクラスのキャリアウーマンですよね。
衣装考証担当の人の話も載っていて、興味深いところ。
大奥で一番華やかになるように、その前は少しずつ引き算してデザインしているそうです。
篤姫の衣装は、白生地を選ぶところから始めて、染めて貰い、刺繍もするので、三ヶ月もかかるとか。
普通の反物は三丈あるそうですが、裾を引きずる振袖は四丈五尺も必要だとか。

丈って!?…調べたら、一丈は十尺で、約3メートルというのを見つけましたが、これは建築の場合。
ところが着物の場合、一尺は38㎝となっていました。えっと、そういえば八寸名古屋ってのが30cmぐらいですもんね~一尺には足りないんだ。
尺には二通りあるとは!
3.8mの4.5倍…すごい~勉強になりました~。

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「あかねさす紫の花」

「あかねさす紫の花」

宝塚の舞台をテレビ放映した物の録画をお友達から貰いました。
昨日今日とベッドの上で見ました。
面白かったです~。
いぜんに別キャストでのテレビ放映は見たことがありました(轟さんの中大兄が良かったんです)が、この配役は初めて。
中大兄を春野さん、額田を大鳥れいさん、大海人を瀬奈さん。
(ニックネームで書けるほど通じゃないんですよ)
大鳥さんは生の舞台を何度も見ていますが、想像通り、華やかで生命力豊かな中に秘めた哀しさも感じられて、合っていますね。
春野さんは明るい若者役のイメージのままでしたので、堂々たるトップぶりに感動~端正で酷薄、でも理想に燃え、額田に対しては押しの一手!の強引さがまた良かったりして。
瀬名さんは優しく誠実な弟。大海人はもっと体格が良い男性のイメージですが、それは現実~ここは悲恋の人で、あくまで二番手でありながら見る者の涙をそそる純情ぶりが素敵です。
つい先日、すますまで見た時は長身の印象でしたから、この時は役作りで少年ぽくしてたんでしょうね。

蒲生野の宴の日、娘の十市が15歳になったという設定で、額田が「二人の皇子に初めて出会ったのも15歳の時~こんなに幼かったのかしら」という回想で始まります。
十市を生んで皇子達の母である女帝に見せるために宮廷に上がった日、中大兄に恋されてしまう、という展開。
子供をなしたばかりで夫を捨てるみたいで額田としてはどうなの、って感じですが~
数年にわたる展開を踊りで処理して~額田の姉は鎌足の元へというのも含め一気に三角?四角?関係の組み合わせ変更となります。

脇筋に、少女時代の額田を知っていて憧れる仏師が天智にかしずく額田を見て絶望するというのが入ります。
なんか微妙になっとくいかない…?
あ~それなりに良い役を作るためかな。
うえつかたの恋は半ば神話みたいなもので、しょせん理解を超えてるし…
彼の場合は傍で尽くしてくれる妻の良さを再認識すべき!なのね!?

当時は通い婚なので、離婚は夫が通わなくなれば成立という時代。
身分が高いともっと公然となるとは思うけど、女帝も再婚しているぐらいですからねえ…
どう考えても中大兄の強い意志には逆らえない状況だったと思うし。
といっても中大兄との間がどの程度だったかは異説有りなのよね…妃の地位にはついていないので(それが作為の可能性もあるけど)
しかも、実際には女性が2人や3人じゃなく、10人も15人も絡んだ話なんだけど…………(@@;

いかにも華麗で見て楽しい~夢のような舞台です。
アレンジされた衣装もどうせ余りよくわかっていない時代なので、豪華すぎるみたいでも気にならないし、ハイウエストで薄布をまとったあのスタイルでの踊りならではの動きも楽しめます。
何よりも額田が美しい~一目惚れされるのも必要とされるのも、十分納得のいく魅力は素晴らしいですね(^^)

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集中力にはニンジン?

鼻先にニンジンをぶら下げれば馬は走る~というやつです、栄養の話じゃなくて。
ためしてガッテンでやっていたのを見て思い出したんですけど~

集中力をアップさせるには、まず気になるような音をシャットアウトすること。
風・水音・小鳥の声などの控えめな自然音をイヤホンで聞いているのが一番、邪魔にならないそうです。

それと、紙とペンがあれば出来る集中力アップ法。
それは自分の字で具体的な目標を書いて、目の前に貼っておくこと。それを見ると、気が散るのをストップ、頑張れるんだとか。
終われば帰れるとか、旅行に行けるとか、もうすぐビールとか。
達成目標というより、自分へのご褒美みたいですね。

……何が良いかなあ?

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「プラダを着た悪魔」

映画「プラダを着た悪魔」

アン・ハサウェイ主演の楽しい映画をDVDで見ました。
ジャーナリスト志望のアンディは、ニューヨークへ出てきたものの就職に苦労し、畑違いのファッション誌にやっと採用される。
センスのかけらもないと悪魔のような編集長にこき下ろされ、しごかれながら何とか頑張ります。
ヴォーグ編集長がモデルのメリル・ストリープの役は強烈。貫禄があって面白い~これは一見の価値ある名演技!

アンディの学生っぽい服装や甘い考えは、社会に出たばかりの若者として普遍性があるかも。
ジャーナリスト志望にしては口べたなんでは…?
最初からかなり可愛いので変化はそれほど劇的ではないのがちょっと期待はずれ~この場合は十分キレイだからなまじ自信があって努力していなかったって事かしら。
スタイリストにブランド物を丸ごと借りて洗練されるってのはどうなのかねえ…?という気もしますが。
鬼編集長の無茶な要求は映画的には面白いですが、必ずしもファッションに関係あることじゃないので。
ファッションて何なんですかね…

面白いシーンだけでつないだって感じかな。
でも十分に楽しい時間を過ごせましたよ~。
(その昔、バイトの面接に行った時に私も~場違いな服装だったことを思い出しました)

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夏は絹

先日、おもいっきりテレビの冷え性対策で、下着は絹が良いとご推奨になっていました。
ただその時、いちいちクリーニングに出すのか?といぶかしそうに言ったままになってたんです。
女性なら皆さまご存じかとは思いますけど~シルクといっても今は大抵、洗濯機で問題なく洗えます。
おしゃれ着用洗剤を使い、ネットに入れてね。
レースや刺繍がついた高級な物は水流を弱くするか、手洗いの方が良いかも知れませんが。

シンプルな物だったら~ネットに入れるだけでオッケー。普通の洗剤で、他の物と一緒に洗濯機で洗えちゃいます。
夏場はシルクか速乾性素材をメインにしてるんで毎日洗ってますよ~。
木綿は肌触りはよいけど、汗をたくさんかいた場合にはすぐ乾かないので、べたっとなってしまうのが弱点。
速乾性のポリエステルだったら、繊維に横穴が開いていて、通気性が良いんですって。前にテレビでやってました。
10年も前にセシレーヌで買ったのを愛用してます。セシールでは繊維がよく研究されていて~とても良かったんです。
そういうのだったら下着を着ないよりも涼しいそうですから。
最近だとスーパーでもかなり揃いますよね~絹が良いというのは本で読み、スーパーで買ったんですよ~。

夏着物や襦袢も絹の方が涼しいらしいんですけど…
あれは水洗いというわけにもいかないですよねえ。
速乾性の下着や水洗い出来る絹の着物を開発してくれたらいいのに。
伝統とはいってもねえ…
温暖化の時代ですから。
木綿の浴衣1枚も良いんですが…大人の遠出にはちょっと?
単衣の着物や夏着物をちょこっと出してみたんですけど、陽の当たらない和室でも襦袢を着ると暑くて、この上~帯を結ぶなんてどうしましょ、という状態。帯を結ぶ時って何故か汗が出るし(下手だから~)
全然着ないのが一番もったいないとは思うんですけどね~!?

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「チャーリーとチョコレート工場」

映画「チャーリーとチョコレート工場」

友達に貰ったDVDで見ました。
ジョニー・デップが何と言っても魅力的です。まったく何をやっても、はまって見えますねえ。彼の妙な個性と楽しげなパワーのおかげで~お子様向きかという心配なく見ていられます。
チャーリー役のダニー・エルフマンは「ネバーランド」でもデップと共演、ピーターパンのモデルのピーター少年をやった子ですね。貧しくて素直なチャーリーを演じて、前のぴりぴりした疑い深い目つきがなくなってるのね。この子も名優だなあ!
貧しい一家がメルヘンぽくて~お爺さんも良い味出してます。

チョコレートの天才が作った工場に招待された5人の子供達、ほとんどはお金持ちの嫌みな子で、工場で次々に災難に遭う様子は因果応報というべきなのか~ややブラックな展開。
最後にどうなるのかちょっとハラハラ…でも本筋はハートウォーミング。
クリストファー・リーのきびしい歯科医の父というのが似合っていて、老いてからの登場にも涙~。

一方、とんでもない目にあってもめげない子供達もたくましい~さすが根性ワルと言うべきか?けっこう笑える展開でほっとしました。
言いなりに甘やかした親がいけないので、ちょっと態度を変えれば何とかなりそうな。他の出会いでも揉まれるだろうし。いや、そんなに真面目に考えることもないのか!?

カラフルでイメージ豊かで飽きさせない、特にウンパルンパの顔つきと滑らかなダンスが傑作で、抱腹絶倒~さすがはティム・バートン監督ですね。

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「葬儀を終えて」

アガサ・クリスティ「葬儀を終えて」早川書房

ちょっと前にポワロものの海外ドラマを見て、なかなか良かったんです~。
原作もお気に入りでしたが、だいぶ読んでいないので~どの辺が変えてあるのか確認したくて読んでみました。
ドラマはいかにもクリスティらしい1930年代のファッションが魅力的でした。

アバネシー家の当主リチャードが亡くなり、一族が葬儀に集まってきて、駆け落ちして以来初めて館を訪れた末の妹コーラがふと口走った言葉…「リチャードは殺されたのよね」
変わり者のコーラは言ってはまずい真実を漏らす癖でも知られ、しかも翌日、そのコーラが自宅で強盗に殺されたことから疑惑が広まるのでした。
意外な遺言、ひと癖もふた癖もある一族の誰にもアリバイがないという事態にポワロはどう立ち向かうか!?

年代の古さを感じさせない個性の描きわけに唸らされます。
クリスティはすごいわ~この作品はベスト10に入りますね。ポワロ物ならベスト5に入れたいです。
当時としては時代の先端を行っていた職業を持つ気の強い姪達も今となってはレトロでチャーミング、意志の強さもありながらキラキラと女っぽいです。
当主の義妹のヘレンという女性が大人の魅力を湛えたよく出来た人で~ドラマでは設定はだいぶ変わっていましたが、許せる範囲内でした。

古き良きイギリスの面影が残るお館や老執事なども楽しい。
ティータイムのお菓子も色々出てきて、この作品でスコーンに興味しんしんになったのを覚えています。
「スコーンなどに口がおごっていましてね」というセリフが忘れられなくて~スコーンって上手な人が作ってしかも焼きたてでないとダメらしいんですよね。日本人が作った物はある意味、本場物より口にあって美味しいのかも知れませんが!?

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一に櫛?

NHK教育でやっている「美の壺」という番組、時々気になっていました。
先週(というかもう先々週)のテーマが「友禅」だったので録画しておいて見たら、とても面白かったんですよ。
歴史や名品の紹介、実際に染めるシーン、似合う着物の選び方まであって。
この間の金曜夜は「櫛」…なんだかツボを狙って来るじゃございませんか。

一に櫛、二に帯、三に小袖(着物のこと)~という言葉が江戸時代には都々逸か何かであったそうです。
実用はつげの櫛、おしゃれにはべっ甲というのが美の鑑賞マニュアルとしてのポイントだそうでした(そういう番組なんです)
櫛って確かに昔は目立ったでしょうね~。
髪はみんな真っ黒で、身分が同じなら結い方も同じ、そのてっぺんに乗ってるんですもの。着物はそうとっかえひっかえも出来なくて大抵はお互いに見慣れた物だったでしょうから。

現代だと櫛はそんなに使わないし、ほかの髪飾りも凝る人凝らない人色々です。
着物を着る時にも、ショートヘアだとそのまんまで良いので意外に便利なんですよ。
私はショートが似合わないんで~黒いバレッタでシンプルにまとめています。
耳と首を出すとどうも冷えて良くないみたいなので、寒くない髪型を研究中なんですよ。
垂らしたままだと襟が汚れるし、着つけもしにくいので~。
日本髪の結い方も面白いですが~あれは長く伸ばした上にかもじも使わないと無理かな、やっぱし。

一に髪、二に帯、三に着物、といった言葉もどこかで聞いたような~
現代でもヘアスタイルは大事ですよね~国民性もあるのかしら。
着物を着た場合の実感としては、帯締めなんか目立ちますね。
着物は一番面積があるので意味は大きいし、帯も洋服にない個性を出しやすいので目立つけど~最後にじっと見るのは帯締め、みたいな所も。
髪は~すごく決まっている人の場合はまじまじ見てしまいますね!

来週の「美の壺」は大和路、次は下駄、和傘…しばらく目を離せないようです。

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「天使の卵」

村山由佳「天使の卵」集英社

昨年映画化された後、ドラマで続編をやったようで、そのドラマを見ました。
ヒロインがちょうどイメージにピッタリなんですね。
それで印象が良くて、この原作を読んでみました。
第6回すばる新人賞受賞作。いぜんはリクエストしようにも待ち人数が多すぎましたが、今回はなんとか。

美大を目指して浪人中の歩太は、電車で一緒になった清冽な横顔の女性に一目惚れ。
彼女は父の入院する病院の精神科医で8歳も年上とわかります。しかも、高校時代のGFの姉だった… 

自然に感情が流れていてわかりやすく、重い部分もそれほど重苦しくはありません。ストレートでピュアな恋愛小説です。
受賞した時の評で「凡庸」と言われたと作者の他の本の後書きかエッセイにありましたが、この本の後書きにもありました。
ずいぶんな表現ですが、う~ん、まあ…
そりゃ~普遍性があるということで、多くの読者にとってわかりやすいのだから、売れる要因の一つで、それも良いんじゃないですか。
作者も居直ったというか、吹っ切ったらしいです。

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「予告殺人」二つのドラマ

アガサ・クリスティの「予告殺人」はミス・マープル物です。
イギリスでドラマ化された番組が12月にNHK・BS2で放映されましたが、最近になって民放でも翻案されました。

本国のはジェラルディン・マクイーワン主演。
多少、演出には新しさがありましたが、ほぼ原作通りでした。
殺人を予告する新聞広告が載り、村人が新手のパーティかと集まってきた所へ銃を持った男が…!?という話。
綺麗な村は一見すると平和なようでも~実はまだ戦後で少し混乱している地方の生活が目の前にカラフルに展開して、面白かったです。
ミス・ブラックロック役の女優さんは昔々シェイクスピア劇場のリチャード3世でお妃をやった人じゃないかなと思ったら、そうでした(由比さんご紹介のページによる)
脇に「エクスカリバー」のギネヴィア役だった人も出ていて、中年の母親役だけど、まだ綺麗で恋する役でした。

民放のドラマの方は前に「パディントン発4時50分」を翻案した時の設定を続けていました。
マープルに相当するのが岸恵子で、ルーシー役をはしのえみ。
原作とは違うキャラなのですが、これがけっこう良い感じ。
日本が舞台で平和な村に住んでいる老婦人が探偵というのも考えにくく、地味になりそうだからねえ。岸恵子を名士の娘にしたことでイギリス風の部屋に住まわせることが出来て、ちょっとゴージャスな香りが加わりました。なかなかセンスが良いわ。
雪の中の旅館という設定に変更してあるのは~クリスティの戯曲がロングランしている「ねずみとり」の雰囲気を生かしたかったのかな?
原作を知っている人には犯人はすぐわかると思うけど~脇の設定も結末も一捻りしてあり、なかなか面白く見る事が出来ましたよ。
「バートラムホテルにて」のドラマ化もいけそうですね。

BSの「予告殺人」は後半だけ放映時に見ていて、声が岸田今日子なのが個性がハッキリわかり過ぎのように感じました。
けれども、いっそのこと岸田今日子マープルのドラマを作ったら、それは面白いのではと想像を巡らせていたのです。
ところが訃報…思いがけないことで、寂しくなりました。

録画して貰った物を最近見て、直後に日本のドラマを見るという順になりました。4作も見たら岸田今日子さんの声もすっかり一体化して感じられます。
マクイーワン版はもっとあるようですが、誰が声を当てるのでしょうか。 

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海外ドラマ「牧師館の殺人」

クリスティ原作のドラマを引き続き見ております。
これはかなり話をハッキリ覚えていました。
ミス・マープルの家がとても可愛らしくて素敵!
夏の話なので~そうそう、お花がいっぱい咲き乱れていて、庭の手入れをしていると、低い生け垣から全てを見渡せるのよね~!
セント・メアリー・ミード村全体が綺麗で、言ってみればターシャ・チューダー風。モデルとされている村よりも色彩豊かでした。

横柄なプロズロウ大佐はカドフェル役者のデレク・ジャコビ。
牧師の奥さんのグリゼルダや大佐の娘のレティスが華やかで、脇役の大人の女性達も個性豊かで愉快。
見た顔の女優さんの名前がわからないのが歯がゆい…ラストの配役の名前、吹き替えだからって声優さんだけって~ひどくない?
原作では確かグリゼルダが金髪で、レティスはもっとスッキリした現代的(当時としては)なイメージだったけど。バービーみたいなファッションが可愛いので、楽しかったわ~。

ミス・マープルを最初は侮った警部が後ろ姿を見送りつつ「チョコレートを送ろうか、ひっかけて転ばせようか迷う」というのがおかしく、耳も遠くないマープルがすかさず「チョコレートにしてね」と言いながら去っていくのね。
マープルの若き日の恋が出てきましたが…あれは原作にはあそこまでは描かれていないと思います~たぶん。
セピア色の映像で出てきた若い女優さんがマープルに似ていたのが微笑ましいけれど、微妙~に可愛すぎる気も!?

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海外ドラマ「パディントン発4時50分」

原作はアガサ・クリスティ、グラナダTV作成の海外ドラマを見ました。
原作も大好きなので、いずれご紹介するつもりでおりました。

ずっと以前にもあちらでドラマ化され、それは原作に忠実だったんですよ。
NHKのアニメでもやったし~岸恵子主演の民放のドラマにも翻案されています。人気のあるのはわかります~けど、最初じゃないせいか?毎回けっこう話は変わってますね。これも改ざんに近いものがあって、ちょっとイメージが違いました。いやストーリーはまあまあなんですが…

美人で知的なスーパー家政婦、ルーシー・アイレスバロウ(アイルズバロウと発音していたようです)がヒロイン。
探偵はミス・マープルです。
マープルの友達が隣り合う列車の窓から女性が首を絞められる所を目撃、通報しますが死体は見つからず、おばあさんの妄想扱い。
そんな女性じゃないことを知るマープルは現場に出向き、ここで線路脇の土手に投げ落とされたとしか考えられないと広大な屋敷に目をつけ、知り合いのルーシーに潜入を頼みます。
借金があったり隠し事の多い家族たちは遺産を巡っていがみ合っていましたが、美しいルーシーの登場で恋の花も咲き始め…?

さて原作では彼女が兄弟の誰を選んだかが結末でハッキリしていないのも興味をそそる所でした。
今回は色々違う展開になっていて、サプライズを狙ったのでしょうか。
俳優陣はけっこうゴージャス。ハロルドの奥さんの個性とか脇役も面白い。
ただね、う~ん、ルーシーのイメージがちょっと違うのがなぁ…
最高学府を出ていて家事には頭脳が必要というハッキリした意志を持って家政婦になったというほどの人には見えませんでした。
それにあの展開だと結末のシーンでお屋敷の長女が気の毒でした。
邸宅の広大さはすごいです。アビニヨンの法王庁のようだわ!?

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海外ドラマ「書斎の死体」

アガサ・クリスティ原作の新作ドラマを12月にBSでやっていて、見損なったんですけど、友達に借りて見ることが出来ました。

製作は「シャーロック・ホームズの冒険」を作っていたグラナダテレビ(イギリスのテレビ局です)
建物などが小説では想像しきれないので、映像化は楽しみなのです。
その辺はモチロン期待通り!
これは特に衣装が良かったですよ。
「書斎の死体」は初期の作品ということもあって、あの頃の衣装は何気ない物でも妙に素敵なのね~レトロな魅力でしょうか。もちろんドラマですから意図的に上手く選んであるわけですが。
今ならパーティー用でも珍しいような、身体にピッタリしたドレスに真っ赤な口紅が大人の女なら普通のスタイル、それもある意味犯行に関わってくるとも言えますね。

マープル役者はマクイーワンは新顔で、ちらっと見た分にはミス・マープルのイメージよりも若すぎて、元気なオバサンという感じがしてました。
髪型が古風でないせいだったみたいで、通して見たらかなり雰囲気は出ていました。
華奢な肩をしてよたよたっと歩き、とりとめのない思いつきを口走る風に見えて、いかにも害がなさそうで、会う人がちょっと毒気を抜かれるような。
実は観察力がするどくて、目が賢そうなのも原作通り。

犯行のシーンはクリアな映像で見ると生々しくて~ぎょっとしました。
結末忘れてたわ…というか、映像で見るとまた印象が違うのね。
バジル・ブレイクのことなんかはよく覚えていて、書斎のあるゴシントン・ホールの主もイメージ通りで楽しかったです。

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