「貧乏お嬢さまと王妃の首飾り」

リース・ボウエン「貧乏お嬢さまと王妃の首飾り」原書房

貧乏お嬢さまのシリーズも5作目。
正しくは?英国王妃の事件ファイル。

公爵令嬢のジョージーは、王族ですが親が破産したため、財産は全然ないのです。
なんの職業訓練も受けていないので、あれこれ工夫はするのですが。
いつもにもまして、お金に困っている出だし。
イヂワルな義姉の仕打ちがひどいのだが‥笑える結果に。

英国王妃のコレクションから「嗅ぎ煙草入れ」が紛失。
その行方を探る司令を受けたジョージーは、一転して、豪華列車で南仏へ行くことになります。
しかも、あのココ・シャネルに出会い、頼まれてショーに出ることに。
長身を活かして、珍しく贅沢なファッションに身を包むことになったのですが‥?
早くに離婚して出ていった女優の母の別荘に滞在して、ふだん一緒にいられない母親と暮らす事も出来たり。

恋人と思っていたダーシーには、他の女性の影?
ドタバタ騒ぎの中にも、ハンサムな大富豪のフランス貴族に誘われるというお楽しみもあり。
1933年なので、シンプソン夫人と付き合っている皇太子も出てきたり、「ダウントン・アビー」と同じ頃なんですね。

ついに、ダーシーとの仲も、微妙に進展~
そう来なくっちゃ!
ヒロインが前向きでチャーミングだから~応援したくなります。
お気に入りのシリーズ、満足な読後感でした☆

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「眠れる森の美女にコーヒーを」

クレオ・コイル「眠れる森の美女にコーヒーを」原書房

クレアのシリーズも14作目。
コージーにしては書き込みの多い作品です。
今回はちょっと味わいが変わっている?

クレアは、ニューヨークの老舗コーヒー店のマネジャー。
元姑がオーナーで元夫がバイヤーという複雑な環境ながら、才能ある店員たちにも恵まれています。
クイン警部との恋も、遠距離になった悩みを抱えつつ、進行していきます。

セントラル・パークでの秋のフェスティバルに参加することになったクレアたち。
おとぎ話がテーマなので、扮装をした人物が公園内にいっぱい。
クインの子供たちの子守をしていた娘も、プリンセス役を演じることになっていました。
ところが‥?

元夫マテオに容疑がかかり、クレアは手がかりを探して奔走することに。
マテオが買い付けた不思議な効能のあるコーヒーを使って、幻夢を見ることまで試み‥?
大学の研究者がデータを取るといった実験になるのが面白いところ。

リアルさと奇想天外な要素、ニューヨークならではの派手さ、ユーモアやロマンスと盛りだくさん。
好奇心は旺盛とはいえ真面目な性格のヒロインで、よくここまで盛り込めるものです☆

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「幽霊はお見通し」

エミリー・ブライトウェル「幽霊はお見通し」創元推理文庫

「家政婦は名探偵」のシリーズ3作目。
ヴィクトリア朝の英国ロンドンが舞台。
家政婦のジェフリーズ夫人をリーダーに、召使が探偵団として活躍します。

ウィザースプーン警部補は、殺人事件が大の苦手。
なぜか捜査の腕があると思われていますが~
実は陰で大活躍をしているのは、優しいご主人を思うお屋敷の使用人たちなのでした。

評判の霊能者が開いた交霊会。
家に帰宅した直後の裕福な女性が襲われた事件が起きます。
最初は強盗かと思われましたが‥?
器量よしのメイドのベッツィも交霊会に興味を抱いていることに、しっかり者の御者のスミスが不満で喧嘩になったり。
頼りない従僕のウィギンズも、懐いてきた野良犬に優しかったりと、人間味のある展開。

アメリカから来た未亡人のルティ・ベル・クルックシャンク夫人の執事ハチェットも初参加。
渋い雰囲気ながら、独自の腕を発揮しそうです。
事件はけっこう考えてあって、途中でわかりますが、それなりに推理を楽しめます。
ものやわらかなジェフリーズ夫人が、ご主人様とお茶を飲みながら、真相にたどりつくよう上手に誘導するのが、何ともユーモラス。
楽しく読めるのが嬉しいですね☆

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「プラム・ティーは偽りの乾杯」

ローラ・チャイルズ「プラム・ティーは偽りの乾杯」(コージーブックス)原書房

お茶と探偵シリーズ、2016年5月発行の新作。
15作目あたりかと思いますが‥ 数字をつけるのをやめたようですね。
紅茶専門店をやっているセオドシアがヒロイン。
これから呼んでも差し支えありません。

アメリカ南部の古都チャールストンで、ティーショップを出しているセオドシアは30代。
赤毛で長身の明るい女性で、もとはキャリアウーマン。
頼りになる専門家のドレイトンと、若い女パティシエのヘイリーという仲間にも恵まれて、充実した日々を送っています。

高級ワイナリーの試飲パーティに招待されたセオドシアとドレイトン。
新しい銘柄の披露に、チャールストンの主だった人々が集合していました。
ところが、ワイン樽が開けられたとき‥?!

素人探偵として知られているセオドシアは、ワイナリーのオーナーから事件の解明を依頼されてしまう。
恋人には反対されているのですが、持ち前の親切心と好奇心で突き進む結果になります。
その一方、ティーショップでは、テレビドラマ「ダウントン・アビー」のような英国の貴族風のお茶会を催すことに。

美味しいお茶と食べ物がたっぷり出てきて、気の合う大事な仲間とタッグを組んでの仕事ぶりが楽しい。
今回はワインという新しい題材も目を引きます。
脇には変人も勢揃い~
初期の素人っぽさはだんだん薄れて探偵仕事は慣れてきたようですが、その分ちょっと気が強くなったかな。
気楽に読めるシリーズです。

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「貧乏お嬢さま、吸血鬼の城へ」

リース・ボウエン「貧乏お嬢さま、吸血鬼の城へ」(コージー・ブックス)原書房

貧乏お嬢さまのシリーズ、じつは「英国王妃の事件ファイル」も4作目。
快調です。

公爵令嬢のジョージーは、王位継承権34番目の王族。とはいえ親が破産したので財産もなく、1930年代当時、仕事につくのも難しいという。
王妃に呼び出され、英国王室を代表してルーマニア王女の結婚式に出ることになります。

吸血鬼ドラキュラの伝説が残る山深い土地に孤立している城。
ルーマニア王女とは学友ですが、まるで別人。
王族が集まるお城で優雅なひと時‥のはずが?
怪しい出来事が続く恐怖の城‥
さらに事件が起こりますが、無事に結婚式を挙げるため、事件は秘密裏に。
ダーシーも来ていたのは、何か起こりそうという依頼によるもの?

かねてルーマニアの王子とは縁談をささやかれていたジョージー。
なりゆきと誤解から、婚約したと皆に祝われてしまいます。
さて?

急に雇ったメイドのクイーニーがおそろしく不器用で、ほとんどドタバタ喜劇となりますが、素朴な良さもあり、どうやら迷コンビになりそう。
続きも楽しみなシリーズです☆

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「書店猫ハムレットのお散歩」

アリ・ブランドン「書店猫ハムレットのお散歩」創元推理文庫

書店猫ハムレットのシリーズ、邦訳2作目。
賢い黒猫ハムレットが事件解決に一役買います。

ニューヨークで書店を経営することになったダーラは、30代。
書店と一緒に受け継いだ店のマスコット猫が、ハムレット。
大きくて気難しいハムレットにようやく認められたよう?

そのハムレットがなんだか元気がない‥
猫の共感力者を名乗るセラピストに診てもらったところ、なんと前の事件のことで自分を出来損ないのように感じているという?

そんなとき、ダーラが通う近所の武術道場で事件が起こります。
そこには複雑な人間関係が‥?
若い店員のロバートも空手を習いに通っていたのですが、そこで飼い主を喪った犬を一時預かることに。
イタリアン・グレーハウンドの「ローマ」という名前の犬が可愛くて!
ロバートもすっかり情が移ってしまったのに‥
事件より、ローマちゃんの行く末に、はらはらドキドキですよ(笑)

猫は猫らしく、全体の雰囲気はほどほどに動きがあって、登場人物のバランスもいいです。
猫の推理法は、こんな風にしなくてもいいんじゃないかって気もしますが~
一応、誰にも秘密にするだけの理性は働いている?
楽しく読めました☆

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「アガサ・レーズンと死の泉」

M.C.ビートン「アガサ・レーズンと死の泉」原書房

アガサ・レーズンのシリーズも7作目。
美しい田舎の村へ戻って、またまた事件に巻き込まれます。

ハンサムな隣人ジェームズとは結婚直前に破談となって、まだ気まずい関係。
最初は仲直りのチャンスをうかがっていたアガサだが、まだ許せないでいるジェームズとは何んだかんだとすれ違ってしまい‥?

近くの村アンクームにある泉をめぐって、ミネラルウォーターの会社に利用を許すかどうかが教区会で問題となっていました。
住民同士がはげしく対立し、ついに事件が!

アガサはミネラルウォーター会社の広報を依頼され、冷たいジェームズを忘れるように仕事に打ち込みます。
年下でイケメンの経営者に言葉たくみに言い寄られ、自尊心を少し取り戻しかけます。
ところが‥?

ご近所の住人とは違う、土地の有力者たちに探りを入れると、さんざんな目に。
英国の身分差別意識ってあるんだな~。
生まれも育ちも違いすぎるジェームズと理解しあうのが難しいのも、やむを得ない?
猪突猛進なオバチャンだけど、可愛いところもあるアガサ。
紳士だけど、かなり不器用なジェームズ。
じつは割れ鍋に綴じ蓋でお似合いのような気もしますが~(笑)

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「奥方は名探偵」

アシュリー・ウィーヴァー「奥方は名探偵」ハヤカワ・ミステリ文庫

コージー系でややロマンスもあり☆
ヒロインが上流階級というのが珍しい。
シリーズ1作目?

エイモリーという変わった名前のヒロインは、上流階級の若奥様。
夫のマイロはすごいハンサムで魅力的だけど、いささか放蕩者。
旅行先の社交界で浮名を流しているため、夫婦仲は危機にひんしています。

元婚約者のギルが訪ねてきて、エイモリーも良く知る妹の軽率な結婚を止めるために力を貸して欲しいと頼んできます。
5年ぶりに会った彼は、彼女を恨むこともなく、変わらずに穏やかで優しい。
夫が勝手に旅行するなら私だってと、エイモリーは皆が集まっている海辺の町へ同行することにします。
それを知った夫は嫉妬心むき出しで追いかけてくるのだが、その本心がエイモリーにはぜんぜん通じない(笑)

有名な俳優や実業家、社交界の名物女性、大物の娘など、表面はいたって優雅だが~内心はさまざまワケありで、けっこう傷だらけのセレブたち。
堅苦しく育てられたヒロインだけど、けっこう果敢で感じは悪くないです。
事件と絡みつつ、エイモリーの三角関係?というか、夫との間がどうなるかというお楽しみも☆

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「エクレアと死を呼ぶ噂話」

ジェシカ・ベック「エクレアと死を呼ぶ噂話」(コージーブックス)原書房

前から気になっていたコージーのシリーズ、初読み。
「ドーナツ事件簿」既に4作目?

故郷の町でドーナツショップを経営するスザンヌ・ハート。
なかなか元気のいいヒロインですが~
夜は早く寝て、毎日午前1時に起きるという生活。
アメリカではドーナツは朝食べる人が多いらしいです。

ところがある夜、寝入る前にラジオから、自分の店の名前が?
しかも、キャスターがドーナツは身体に悪いと攻撃していたのです。
憤慨し、地元局へ講義に出かけたスザンヌ。
ところが、翌朝、キャスターの身には事件が!

ドーナツの売り上げは落ち続け、一刻も早く事件を解決して欲しいと自分なりに探りを入れるスザンヌ。
州警察捜査官のジェイクが恋人で、これまではやや不安定だったのが上手くいくようになったばかりらしい。
捜査情報を教えてはくれないけど、微妙な協力もあったり、ね。

実家で同居する小柄な母親は亡き父を今も愛し、料理上手で良妻賢母という雰囲気だけど、実は~地元の陰の実力者の一人?というのも楽しい。
地元警察の所長が恋していたりして。

さばさばした親友と一緒に行動したり、仲間にも恵まれ、田舎町のあちこちを縦横に駆け巡るスザンヌ。
似たシリーズをいくつか思い出すけど、真ん中ぐらいの出来?
テンポよく展開し、コージーが好きなら読む価値はあります☆

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「不思議なキジのサンドウィッチ」

アラン・ブラッドリー「不思議なキジのサンドウィッチ」創元推理文庫

11歳の天才少女探偵フレーヴィアのシリーズも6作目。
大きな山場を迎えます。

天才といっても、探偵法がすごくて何でも見抜いちゃう荒唐無稽な話ってわけではなく、数学や物理に天才的なだけ(だけ?笑)
好奇心旺盛で行動的、学校へも行っていないので時間はたっぷりあるんです。
当時の貴族なら家庭教師がついて学校へは行かないのも珍しくないけど、この一家の場合、家庭教師は次々に惨敗したらしい?

葬儀に村人が集まり、遠い親戚や、さらにはチャーチル首相までやってくるという事態に。
奇跡を起こそうと奮闘するフレーヴィア!
いや、この子らしいけど~いくら早熟な天才でも、そ、そこまでは‥

前作の終わりに爆弾発言があり、この話の大きな設定がここで登場、意味が明らかになります。
フレーヴィアの母親がなぜ子供たちをおいて外国まで行き、チベットで行方不明になったのか。
二人の姉は何故フレーヴィアを目の敵にするのか‥
フレーヴィアの知らない姉たちの疑問や辛さがあったのです。
少しずつ断片をつなぎ合わせるフレーヴィアに、伯母がこれまで言えなかったことを教えてくれます。

ここで完結する予定だったのが、延長されたそう。
寄宿学校へ舞台を移しての活躍を期待してます☆

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