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「魔道師の月」

乾石智子「魔道師の月」創元推理文庫

「夜の写本師」に続く2作目。
同じシリーズで登場人物もダブりますが、続きというのとはちょっと違います。
若い魔道師二人の運命が帝国の危機に交錯し、さらに数百年前にまでさかのぼり絡み合う人々の物語。
コンスル帝国が繁栄を謳歌していた時代。
大地の魔道師のレイサンダーは、心のうちに闇を持たない半人前。
幸運の守りとして献上された<暗樹>が帝国を蝕んでいくとき、恐ろしいものだとはわかっても何をするすべもなく、城から逃げ出してしまう。
レイサンダーは追われる身に。

黒髪に緑の目で長身、という特徴がレイサンダーと似ていたキアルスは書物の魔道師。
心に深い傷を負い、衝動的に貴重な書物「タージの歌謡集」を燃やしてしまった。
レイサンダーと共に、不思議なタペストリーの中へと入っていくことになる‥

タペストリーに描かれているのは、かってコンスル帝国に侵略されて抵抗した人々。
一介の少年テイバドールが苦難を経て成長し、魔道師らの力添えを得て‥
古代を思わせる辺境の民人の暮らしに魅力があり、勇気ある決断を応援したくなります。

へたれの若者二人がこのタペストリーに学びながら、協力し合い、力を尽くしていく。
誰も見たことも聞いたこともない現象を、言葉の力だけでありありと描きあげていく筆力に感嘆しました。
結末は、それまでの濃厚さに比べると、急に終わる感じもなくはないですが。
希望の持てるシーンに、一気に風景が変わったところに自分も立っているような心地になりました☆

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