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「白蓮れんれん」

林真理子「白蓮れんれん」集英社文庫

朝ドラ「花子とアン」の蓮さまのモデル、実在した柳原白蓮を描いた伝記的な小説。
94年の作品で、第8回柴田錬三郎賞を受賞しています。

白蓮こと燁子が26歳で、51歳の伊藤伝右衛門と結婚するところから。
華族のお姫様で、天皇の親戚にあたる女性がお嫁に来ると地元は大騒動。
燁子はごく若い頃に決められた相手と結婚していましたが離婚し、今度の結婚も、選挙資金に困った兄の決めたものでした。
売られた花嫁などと新聞に書き立てられもします。

炭鉱王として知られた伝右衛門は、白蓮のためにお金は惜しまない。
だが、子供はいないので白蓮の産んだ子が跡継ぎになるという仲人口は嘘で、正妻に子はなかったが妾の子が同居し、養子もいて、複雑な大家族だったのです。何よりも伝右衛門はすでに子供を作れない身体。
白蓮が女子教育に腕をふるえると期待していた女学校は、既に郡のものとなり、伝右衛門は口出しを許さない。
失意の中で、名流婦人として暮らすが、心は満たされないまま。

帝大法学部の学生・宮崎龍介が登場するのは、本の半ばほど。
二人が残した手紙700余通を遺族から借り受けて、印象的な部分はそのまま載せています。
真摯な人柄の理解者と出会い、運命的な恋心のほとばしる様、才能溢れる女性ならではの当時の言葉遣いが色っぽく響きます。
少々メロドラマ的な筆ですが~
ややこしい時代物を熱っぽく、面白く読ませます。

ともに大正三美人と呼ばれた一人、九条武子との交流も。
雑誌のグラビアに揃って登場したこともあるんですね。
どちらも夫とうまくいかず、じつは隠れた恋人がいたそうです。
九条武子は、生前は恋人のことは隠し通すのですが‥
(村岡花子は擁護者として一行出てきますが、友人としては出てきません。東洋英和時代が描かれていないせいもあるけど)

大事件となった駆け落ちの後、伝右衛門は憤る周囲の男らを一喝し、「一度は惚れて女房にした女」に手を出すなと厳命。ここは史実で、かっこいいところですね。
しかし、白蓮が華族であることは重大で、実家に軟禁され、尼にしろという世間の声も高い。宮崎とは引き離されて、苦難の道をたどります。
4年後にやっと一緒に住み始め、その後は支えあった、落ち着いた暮らしであったようです。
そうなると、もう関心がない?みたいな終わり方ですが~
まあ、そうですかね?(笑)
発行後まもなく一度読んだような気がするのですが‥何となく、印象は違うような。

朝ドラでは葉山蓮子と名も変えてあり、史実とは多少異なりますが、その後の堅実な生活も描き、別れた夫(嘉納伝助)もいいところもありで、なかなか誠実な描き方だったと思います。

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コメント

かなり以前に読んだのですが、たしかにメロドラマ風で、さすがは林真理子さん、ものすごく読みやすかった!
今風に言えば不倫ですから弁解の余地はないのでしょうが、駆け落ちしてからのほうがわたしはおもしろかったです。華族のお姫様が、自分一人の力で(夫は病気ですしね)生きていく痛快さを知ったのではないかしら?
あれだけの美人ですから、九州で箱入りになっているより、東京で人に交じって活動するってすごく楽しかったと思いますよ。

marieさん、
前にお読みでしたか^^
さすが林真理子、読みやすいですよね。
恋の熱っぽさがぐいぐい迫る感じで。
姦通罪があった頃の不倫ですから、大変なこと。
とはいえ、当時でも、白蓮の結婚生活はとうに離婚していてもいい理由は十分あったと思います。
離婚は別に珍しくなかったんでね~結婚前にほとんど付き合わないから現代より多かったぐらいかも。
文筆の才があったし、社交的な能力もあったので、活動するのが楽しかったでしょうねえ。
抑圧されていた時期があった分だけ、生きがいを感じていたんでしょうね^^

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