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「烏に単は似合わない」

阿部智里「烏に単は似合わない」文藝春秋

平安王朝風ファンタジー。
構成はむしろミステリかも。
若い作家さんのデビュー作で、ラノベかアニメかというキャラ設定ですが、面白く読めました。

「八咫烏」が支配する世界「山内」。
宗家の世継ぎである若宮のお后選びが行われます。
四つの大貴族の家からそれぞれ姫君が選ばれて登殿し、桜花宮で1年間暮らすことになっていました。

東家のあせびは、桜花宮の春殿へ。
南家の浜木綿は、夏殿へ。
西家の真赭の薄は、秋殿へ。
北家の白珠は、冬殿へ。
(真の名は公開しないしきたりのため、仮の呼び名ですが)

あせびは当主の次女で、長女のピンチヒッター。
お后を目指す教育を受けてきた姉とは違い、屋敷から出たこともなく暮らしていたのが、すべてを初めて見聞きし体験するという展開に沿って、読者もだんだんと宮殿のことを知ることになります。
若宮の実妹の藤波は、あせびと知り合いで、無邪気に気に入ってくれている様子。

華やかな美女で口も達者な真赭の薄(ますほのすすき)。
きりっとして気取りがなく大人っぽい浜木綿。
小柄で色白、お人形のように綺麗だが無表情な白珠。
おっとりとして琴の演奏には才能がある、あせび。
それぞれの家の事情や権力争いが背景にあります。

贅をつくした御殿で、季節の催しが華やかに行われますが。
肝心の若宮が姿を見せないまま、次々と事件が起こります。
峻厳な山の内に宗家の宮殿があり、周りに大貴族の館があるんですね。
仕える召使達は烏にも人にも変身できるという設定。
宮烏ともいわれる貴族は人の姿のままだけど、本質は同じ。

お姫様方が烏である必然性がないので、そんなことは忘れて読み進んでしまいます。
白珠の初恋はあまりにも幼いけど、切々と展開し、引き込まれました。
先を予想させる要素がちらほら出てくるものの、はっきりとは限定されていないのが、これはもしかしてミスリード?と思わせ‥
最後に怒涛のように謎が明かされます。

20歳の大学生が書いたにしては、色々な場面の描写で飽きずに読み進められるし、しっかり考えられている構成。
ああ、あれはそういうことだったのね~と、トントンと繋がっていきます。ただ、ミステリとしてはフェアとまでは言えません。
ファンタジー設定を前もって全て書き表しているほどではないので、え、そうなの?と思うところがあり。
心理的に、というか、読者の心情として、ここまでは無理でしょうという部分も。

若宮の登場が唐突で、感情移入できないため、その推理間違ってるんじゃないのと言いたくなってしまう(笑)
何を偉そうに‥いや偉いんだろうけど(苦笑)
最後に一発だけ、へこまされるところに思わず一番納得してしまいました。
タイトルの意味は、読み終わるとわかり、なるほど!と。
欠けている部分を補うようなものなのか?若宮の視点での作品に続くようです☆

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コメント

週刊誌にものすごく褒めてあったので、読んでみました。
種明かしまではすっかりだまされてた……のは、いいのですが、あんまり気持ちのよい騙され方ではありませんでしたね。
茶葉さんのおっしゃるとおり、若宮が唐突に登場するので、いきなり来てなあにその態度。と反感持っちゃう~ 
わたしはつまんないところに引っかかりました。四家から姫君が上がってその1人を皇后に選ぶとしても、なんで合宿みたいなテスト期間みたいなものが要るのかしらねえ。そんな無用の争いごと、不毛じゃないかしら。これ、続編があるんですね。う~ん、どうしようかな?

marieさん、
週刊誌にものすごく褒めてあったんですか!
確かに、新しい才能の出現かな、っていう印象はあります。
そうなんです、あんまり気持ちの良い騙され方ではなくて(苦笑)
これは作者と価値観が違うのか、若さゆえか?

そうねえ、1年もかけるってのもどうなんでしょう?
私もちょっと思いましたよ。まあ女の子も宮廷暮らしが向いてそうか少しはわかるし、会ったこともない相手と婚約するよりはいいのかなぁ‥
というより、陰謀や騒動が起こりそうな設定にしたって事かも^^;

若宮が来ないのも随分だし、来たら急に偉そう。
これはわざとそう書いてるみたいで、だんだん先々で事情がわかってくる構成のようです。
でもここで不快感を覚えさせられて、損した気がする^^;

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