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「おだまり、ローズ」

ロジーナ・ハリソン「おだまり、ローズ:子爵夫人付きメイドの回想」

35年間、アスター子爵の夫人に仕えたメイドの手記。
面白すぎてビックリするぐらい。
時代色たっぷりで、貴重な証言ともなっています。
「ダウントン・アビー」がお好きなら、楽しめますよ。

ローズは、石工の父と洗濯メイドの母との間に生まれました。
旅行をしたいという夢があり、それを聞いた母がお屋敷の奥様付きのメイドになるように勧め、そのために普通の庶民の女の子よりも長く教育を受けさせます。
当時の召使の仕事は完全な分業で、屋敷には多くの人々がまるでホテルの従業員のように働いていたのです。
奥様付きになるには縫い物や服の手入れから、フランス語や上品な立ち居振る舞いなども必要だったのですね。

ローズは働き者で、縫い物の腕も確か。
女主人のレディ・アスターは社交界の花形で、なんとイギリス初の女性議員という有名人。
アメリカ生まれで才気煥発、気まぐれで次々にメイドを首にしていました。かなりやりにくい女主人だったのです。
最初は振り回されてローズも一度はやめそうになりますが、黙って言いなりになっているのが悪かったと気づきます。
そこから、女主人との(いちおうの礼儀は守りつつも)丁々発止のやり取りをする関係に。
気の強いレディ・アスターは、じつは言い返してくるぐらいの相手のほうが好きだったんですね。
夫の子爵も実はアメリカ生まれだけどイギリスで教育を受けた穏やかで完璧なイギリス紳士。その旦那さまが隣室の壁際で二人のやり取りを面白がって聞いていたという。
好敵手のようだった二人は互いに理解しあい、家族のような関係に。
仕事に誇りを持つローズはかっこいい。
最後はほろっとさせられます。

このレディ・アスターが毎週末に盛大なパーティを開いていたのはクリヴデンという屋敷。
屋敷を取り仕切る執事も、すばらしい執事として有名だったという。
クリヴデンって、ひそかにナチス・ドイツに共感している人物が集まっているのではないかと新聞に書きたてられたこともある歴史上有名な建物。実際どうだったのか証明はされていないようで濡れ衣説もあり、アメリカ生まれで歯に衣着せぬレディ・アスターへの反感からのような気もしますね。
そこの高名な執事って、つまり「日の名残り」のほぼモデルみたいなものって事じゃないですか!
これにはびっくりでした。

お屋敷の階級性などは伝統が大事にされ、おそらくずいぶん昔からあまり変わっていなかったと思われます。
20世紀前半の話というのに驚きますね。
戦勝国イギリスでも、戦後にもろもろの事情や法律が変わっていくという時代の流れはあったのですね。
今でも王制はあり、貴族もいるけれど‥
こんな昔かたぎのメイドさんはなかなか、いないんでしょうね☆

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コメント

面白そうですね!
奥様付きの侍女って、楽そうに見えたけど大変なんですね。ダウントンアビーで言えばオブライエンだけど、かなり違いますね。あのドラマの伯爵夫人もアメリカ生まれでそんなことあるのかしらと思ったけど、あるんですね!
アマゾンでポチろうと思います。

marieさん、
これ、すごく面白いですよ!
経験の内容が面白すぎるし、頭もいい人なんでしょう。
侍女ってそうそう、私も楽そうに思ってました。ところが、奥様のドレスまで仕立てるんですよ! ここまでは出来ない人もいるか知れませんが~
細かい服飾品の手入れやアイロンの仕上げ、服選びの話題を理解したりできなきゃ勤まらないようです。
オブライエンが意地悪なのは性格だけど、奥様付き侍女は召使のカーストで上の方だっていうのはあるみたいですね。
「ダウントン・アビー」のアメリカ生まれの伯爵夫人もたまたまかと思ってましたが、実はアメリカの富豪の娘が傾きかけた貴族の嫁に来るのは当時いくらもあったんですって! なるほどねえ^^

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