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「亡国の薔薇 上」

イモジェン・ロバートスン「亡国の薔薇 上」創元推理文庫

クラウザー&ハリエットのシリーズ第2弾。
波乱の歴史ミステリです。

前作でたまたま隣人になった解剖学者のクラウザーと、提督夫人のハリエットが事件解決に活躍。
そのことが絵入りの本になって広く読まれ、妙に有名になってしまっているとは。
一作目ではこのコンビの性格がよくわからないところもありましたが、それぞれの立場や個性が状況を変えて描かれ、面白く読めました。

時代は18世紀末。
今回はロンドンが主な舞台。
ハリエットの夫の提督が海に出ているところから話は始まり、海洋冒険物の要素も少し。
提督はフランスとの戦いでは英雄となりますが、頭を打って倒れ、治療中でハリエットは苦労することに。

気丈なハリエットは英雄の妻としてロンドンの社交界に迎えられますが、他とは全く異質で浮いていました。
そのことに気づくクラウザーが面白い。
もともと知的なハリエットですが、夫の艦に乗り組んでいた時期もあり、並みの女性とは経験が違うのですね。
(そういえば、海軍提督ホーンブロワー物などでも、一時ですが夫人や家族を乗船させる話はあったような。船が大きくなり安全な航海になったということでしょうか)

当時オペラは大変な人気で、美しい歌姫や高名なカストラート(美しい高い声を維持するために少年の頃に去勢した歌手)が海外から招かれて公演に来ていました。
フランスのスパイがいるという提督の言葉から、海軍本部に依頼されて捜査に当たることになったクラウザーとハリエットですが‥?
庶民の町で起きる事件と交互に描かれます。
前作で貴族の跡取りとなった子供たちの成長ぶりも微笑ましい。

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