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「支配者 下」

C.J.サンソム「支配者 下 チューダー朝弁護士シャードレイク」集英社文庫

弁護士シャードレイクのシリーズ3作目、後半。
面白かった~満足な読み応えでした!
歴史ミステリは大好きなので、楽しみに読む一方、評判や売れ行きをひそかに心配してしまいます。
この作家はだんだん評価が高くなっているようなので、続きも翻訳してもらえそうで有り難いです。

当時としてはもう初老の40代、激動の時代を生きるには真面目すぎる男かもしれない。
思慮深くて優しく、それが表に現れている整った顔立ちのシャードレイク。
ただし、背中が湾曲しているというハンデのある身体で、女性には気後れしがちなところがあります。
国王巡幸に同行した機会に、ヘンリー8世に面会する栄誉を得たが、何とネタにされて残酷なあしらいを受けてしまう。
このときのヘンリー8世は既に晩年と言ってよく、名君と期待された若い頃とは違い、表紙になっているホルバインの肖像画どおりの暴君そのものですね。

反乱の機運が完全には消えていない北部で、誰が味方なのか?安心できない状況。
その反乱の理由も次第に明らかに‥!
こんな理由で王家の正当性を疑われていたとは。これは知りませんでしたねえ。

助手のバラクは、王妃の侍女の一人タマシンと恋仲に。
のびのびしたタマシンの明るさにちょっと救われます。
このときの王妃はキャサリン・ハワードで、うら若く美しいが、いささか軽率で、陰謀渦巻く宮廷では生き延びられそうもない‥
ロンドン塔にこのキャサリン王妃の幽霊が出る場所というのがあったはず。

宗教の権威を嫌ったヘンリー8世は織田信長、国を安定させた娘のエリザベス女王は家康みたいな印象がちょっとあるんですよ。年代的にほぼ同時代人なので。
西と東の極にあり、国交もないけれどね。
ヘンリーのほうが年上で、国教会を作ったのと、信長が生まれたのが同じ頃だったかな‥
年齢はエリザベスのほうと近いわけだけど、エリザベスが長生きしたんですね~日本では江戸幕府を開いた1603年の頃まで。
だから、この小説の登場人物たちの服装は、織田信長に面会した南蛮人や紅毛人みたいな格好なわけです。
想像すると、楽しい☆

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