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「アイネクライネナハトムジーク」

伊坂幸太郎「アイネクライネナハトムジーク」幻冬舎

伊坂さんらしい軽妙さが光る連作短編集。
伊坂さんのもう一つの特徴である犯罪などのダークなものはほとんど登場しない~安全な?作品です。

「アイネクライネ」
データがふっとんだミスの後始末に、罰ゲームのような街頭アンケートをする青年。
仕事を探している女性に出会い、何気ない会話が生まれます。
日常的なシーンの親しみやすさ、大体はぱっとしなくて情けないけど、ちょっとだけ一生懸命な部分もあったり。

「ライトヘビー」
美容師の美奈子は客といつしか友達になり、弟と付き合うよう薦められました。電話で喋るようになったのですが‥?
ボクシングの試合を見ていると‥
大人のおとぎ話のような楽しさ。

「ドクメンタ」
妻に出て行かれた藤間。
自動車運転免許の更新のために出かけた場所で、ふと話した相手。
通帳の記帳でしか繋がっていない元妻に思いを伝える方法とは。
5年後にもまた会うことになるか‥?

「ルックスライク」
学校の先生・深堀朱美。
生徒の一人は、織田一真の娘の美緒。
登場人物がちょっとこんがらかってきますが~え、これって‥という驚きが面白いところ。

「メイクアップ」
昔いじめられた相手と職場で再会した女子。
相手は覚えているのか、性格は変わったのか? 復讐する機会はあるのか‥さて?

「ナハトムジーク」
ちょっとした不思議な縁が繋がっていきます。
日常に起きてもおかしくないような小さな奇跡。

100円でそのときに一番合うフレーズを流してくれる斎藤さんという人物が所々に出てきます。
斉藤和義に作詞を頼まれ、小説なら書けると書いたのが始まりだったそう。
曲を聴きながら読むとまたいいのかな。

絡まれたときに「この方が誰の娘か知っているんですか?」と言ってはったりをかます織田一真のやり方が受け継がれていったり。
どうということのない男なのに美人と結婚した幸運な男・織田は、口が達者で、時にはそれなりの存在価値を発揮する。このゆるさがいかにも、ですね~。

笑える日常のささやかな出来事の奥底には、ごく普通のまともさが流れている気がします。
余裕のある洒脱な雰囲気がよかったです☆

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