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「木皿食堂」

木皿泉「木皿食堂」双葉社

脚本家・木皿泉のエッセイや対談集。
「すいか」「野ブタ。をプロデュース」「Q10」などで知られる夫婦の合作ペンネームです。
小説の「昨夜のカレー、明日のパン」が面白かったので、読んでみました。

全体としては、作品を書き上げるのに苦闘する様子が一番印象に残りました。
脚本家というのは視聴率のプレッシャーがあって大変だろうとは思うものの、ここまでのたうち回る仕事だとは。
ところどころにきらりと光る言葉があって、なるほど、そこまで言葉を大事にしているから、この文脈でこう出てくるのだろうと。
人に何を届けたいのか。
何が幸せなのか、そこにいていいのか‥
どうやって伝えるのか。葛藤しつつ生み出しているんですね。

漫画家の羽海野チカとの対談は、微笑ましいです。
羽海野さんが必死で書いている様子は内容からもあとがきからも以前から想像がついていたので、似たもの同士理解し会える人に出会えてよかったねー‥と。

「Q10」は好きでしたねー。
「すいか」はよく覚えていないし、「野ブタ」はちょっとしか見ていないので、細かいところとどう照らし合わせるような話なのかがはっきりわからなくて、残念。
普通の恋愛物を書きたくないという人だというのは、言われてみれば、なるほど、です。
美男美女の俳優が誰がやってもいい恋愛のプロセスをたどるだけ、という恋愛もの批判はちょっと謎でしたが。
時期的にも、ちょうど恋愛ものが飽きられてきたタイミングだったようです。

茫洋としていてたまに神様のような発言をするという木皿泉(男)という旦那さん。
言葉数多く、どんどん書くのと同じようにどんどん話題にも食い込んでいく印象の木皿泉(女)さん。
夫が大福、妻がかっぱというあだ名で載っている対談もあります。
病に倒れた旦那さんを介護しながらの生活。
受け止めてくれる、甘えてもらえることが幸せだという。
性格はドライと言いつつ、ご夫婦のお互いをかけがえがない大事な存在としている様子が伝わってきて、じわじわ心温まりました。

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