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「冬の灯台が語るとき」

ヨハン・テオリン「冬の灯台が語るとき」ハヤカワ・ポケット・ミステリ

スウェーデンのエーランド島を舞台にした4部作の2冊目。
前作に出ていたイェルロフ老人はまた登場して、いい味を出しています。
事件は繋がっていないので、前作を読んでいなくても、差し支えはありません。

エーランド島の北端ウナギ岬の家に越してきたヨアキム一家。
人里離れた一軒家だが、自分達でリフォームする能力がある夫婦で、子育てにはいいと思っていました。
ところが妻カトリンが突然海で亡くなり、自殺か事故か?わからない。
途方にくれる夫は家で何者かの気配を感じ、幼い子供たちは母の帰りを待ちわびる‥

古い灯台のそばにある屋敷はさまざまな歴史を秘めていて、ややホラーがかったそういうエピソードが章ごとに語られ、一つ一つに掌編小説の趣があります。
いぜんヨアキムの妻の家族がここに住んでいたこともあり、妻の母ミルヤも強烈な個性のある芸術家。

島には警察組織もなく、久々に女性警官ティルダが赴任するが、一人でてんてこ舞いすることになります。
このティルダが実はイェルロフの兄の孫で、父親や祖父のことを知りたいとイェルロフを訪ねてきます。
元船長のイェルロフは彼なりの視点と人脈で捜査に一役買うことに。

一方、人のいない別荘を荒らして回る強盗も計画を練っていて‥?
さまざまな人間の思惑が、この土地特有の激しいブリザードの夜に集約する‥!

荒涼とした風景と、そこで限りある命を思い思いに燃やす人間達。
哀切という言葉がこれほど似合う作家も少ないでしょう。
きらっと光るものも点在し、独特な読み応えでした。
スウェーデン推理作家アカデミー賞最優秀長編賞、ガラスの鍵賞、英国推理作家協会(CWA)賞インターナショナル・ダガー賞と3冠に輝いた受賞作品。

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