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「ルリユール」

村山早紀「ルリユール」ポプラ社

ルリユールとは、本の装丁や修復をする仕事。
風早の街で、少女が出会った不思議な造本師の女性とは。
繊細で心洗われるような物語です。

瑠璃は叔母の新盆のために、母や姉より一足早く、おばあちゃんの住む街へやってきました。
ところが、祖母は怪我で入院、瑠璃は数日を一人で過ごすことに。
犬の次郎さんの散歩をしていて、街外れにある不思議なルリユール黒猫工房にたどり着き、クラウディアに出会います。

赤い髪で青い目のクラウディアは、チキンラーメンが好きというチャーミングな女性ですが、ルリユールの腕前は素晴らしく、不可能に思えるほど。
‥もしかして魔女?
黒猫工房の前には、喋る7匹の黒猫が。
相当な思い入れのある人しか、この場所までたどり着けないらしいのです。

子供の頃に借りたままになって傷んでしまった本を修復して欲しいという男性。
思い出の写真は1枚しかないのに、アルバムを作って欲しいという老婦人みよ子の依頼。
家族も家も失われても、幸福な笑顔ばかりの写真が本当はあったことを見て欲しい‥幸せだったのだと。
このエピソードがとくに悲しみを癒されるようで、心温まります。

さらに、クラウディア自身の身の上に遠い昔に起きたこと。この国に来た理由とは‥
出だしの雰囲気からの予想以上に、ファンタジーでした。

クラウディアに頼んで修復の仕事を習い始める瑠璃。
図書館に勤めている母が持ち帰った本の修理を手伝い、本の痛みがわかるみたい、本の声が聞こえるようだといわれたこともあるのです。
瑠璃はやたら家事が出来て、出てくる食べ物は美味しそう! 食べてみたくなりますね。
そんな瑠璃もまた、子供には重すぎる悲しみを抱えていました。
遠い海で亡くなった叔母とは‥

ルリユールという一般名詞がタイトルというのはどうなのか?という気もするけれど。
人は生きている本なのだ、という言葉にこめられた思い。
丁寧な文章で、女性好みの綺麗なイメージが重ねられ、その内容は哀しみをすくい取るようにあたたかく切ない、祈りのこめられた作品という印象でした。

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