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「ポースケ」

津村記久子「ポースケ」中央公論新社

「ポトスライムの舟」の続編ともいうべき作品。
奈良の居心地の良いカフェを中心に、出入りする女性たちの人間模様を描いていきます。
前のを読んでいなくても差し支えありません。

「食事・喫茶 ハタナカ」を経営するヨシカ(畑中芳夏)は34歳。
体格がよく、子供の頃からしっかり者と見られてきました。
ある日、ポースケというフィンランドのお祭りがあることを知り、何となく店でやってみようかと考えます。
品数は少ないが日替わりで親しみやすい料理を出すお店のコンセプトは、一人で来てもくつろげる場所。
店の奥には持ち寄りの本棚があり、借りて行ってもいいことになっています。

店でてきぱき働く陽気なオバチャンのとき子さんは、3人の子がいる主婦。弁当工場などで働いてきました。
今は末娘が求職中で、はらはらしながら見守っています。
企業が見ることもあるからと娘がブログを作ったのですが、書く暇もないので代わりに書いているという。

若い店員の竹井さんは、店から2分のところに住んでいます。
電車に乗ることが出来ず、浅い眠りでは悪夢を見るため、疲れきってから倒れるように寝て、へんな時刻に目が覚めてしまう状態。
会社で直属上司のモラハラに遭い、壊れてしまったのです。
この描写は迫力があります。
何気ない日常がゆるやかに過ぎ行くうちに、希望の光が見えるのが嬉しい。

ヨシカの友人りつ子の娘・恵奈は小学生。
飼育栽培委員で、植物を育てるのが大好きなのです。
意地悪な先生の目を盗んで、苺を余分に育てています。
学校の隅っこで起こるあれこれが妙に面白い。

にぎやかな主婦のそよ乃も、ヨシカの友人。
明るく人懐こいのですが、不登校になった息子のために奔走していました。

一人暮らしのゆきえは、彼氏のぼんちゃんとゆるゆる付き合っています。
ところが元彼が妙な手紙をよこし、ストーカー化してきた。上からものを言っていた男は、自分がふられたのが納得いかず、いまだに支配したいらしい。

ピアノの先生の冬美は、夫と二人暮らし。
ピアノが好きでお試しに来た幼い女の子が、よく世話をされていない様子なのが気にかかっていました。
母親が引きこもっているらしい‥

登場人物が多くて、ちょっと混乱‥メモを取る必要があるかも。(メモ代わりに詳しく書いちゃいました)
急いで読むことはなくて、楽しみにじっくり読めばいいのかな。
どこにでもいそうな人の誰にでも、色んな悩みや事情があるんですね。
ちょっとした出来事や美味しい食べ物に、親しみを感じながら読み進められます。
こういうお店が近くにあったら、いいのに!
登場人物の年齢や境遇の幅が広くなったため、誰でもどこかで共感できそうです。

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