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「盲目的な恋と友情」

辻村深月「盲目的な恋と友情」新潮社

盲目的な恋と、盲目的な友情。
美しい女子大生の初めての恋が燃え上がるが‥

一瀬蘭花は女子高から私立大学に進みます。
音大ではないけれど、百人を擁するオケ部で、第一バイオリンのメンバーに入りました。
指揮者は若手のプロがやって来ることになっていて、指揮者は誰とでも選び放題で付き合えるという話は聞いていたのです。
そんな指揮者でしかもかなりの美形な茂実星近と2年の秋になって蘭花は付き合い始め、あれこれありつつも5年という異例の長さで恋人として続きます。だがそれは‥

恋に積極的な美波は、初心者だがオケ仲間でもあり、蘭花の親友でした。
1年生の頃は美波は蘭花のことを、初恋どころか思春期もまだのようだと言っていたりして。
そんな美波のことを嫌う傘沼留利絵は、群を抜いてバイオリンが上手い。
痩せていて生真面目で、化粧っ気もない。
素直な蘭花は、教育熱心な家庭に育った共通点を感じ、演奏会などの話も面白くて気が合うと感じていました。

世間知らずな蘭花の一人称で語られる出来事。
初めての恋に縛られ、他の女性の存在に衝撃を受けたり、相手が崩れていっても別れられない。
ありそうではあるけど、どこかでどうにかならなかったのかと、もどかしい。
良い面も不幸を招いてしまい、生かされなかった‥
美しさが災い?

留利絵の一人称で語られるパートはもっと怖くて、そうなった事情に気の毒さはあるが‥なんとも歪んだ考え方。
盲目的な友情って‥そういうことだったのかと思うと、恋のパートもさらに怖くなってくる‥?
人柄のいい男性が一人も出てこなかったような‥
こうなるしかなかったような書き方で、鮮烈な印象はあるし、なめらかで、わかりやすいけど‥
後味は悪いですね(苦笑)
これはホラー?
普通に成長していると思った女の子が一歩間違えばこうなりかねない、なりますよ~というブラックな味です。
嫌ミス的な意地の悪さ?‥というほどでもないかなぁ‥こういうのも書けますよ、っていう印象でした。

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