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「ふるさと銀河線 軌道春秋」

高田郁「ふるさと銀河線 軌道春秋」双葉文庫

「みをつくし料理帖」が人気の作者の初めての現代小説。
丁寧な描写で、思わぬ苦労に向き合う普通の人を描いた短編集。

江戸の風物が出てこないので、途中は作者のことを忘れていました。
ふと食べ物が出てくると、その描写がすごく美味しそうなので、あっそうだ、と思い出したり。
漫画の原作として書いた物をノベライズしたそう。

「お弁当ふたつ」
ありがちな問題はあるけど、ごく普通に幸せな家庭の主婦だった女性が、夫がリストラされていたことを知ります。
毎日出かけていく夫のあとをつけると‥?

「車窓家族」
電車の窓から、夜はくっきり見える老夫婦の部屋。
いつも同じ電車に乗っている人々はそれぞれの思いを抱えつつ、いつしか親身な気持ちに。

「ムシヤシナイ」
大阪のとある駅で立ち食い蕎麦をやっている老人。
勉強ばかり押し付けられている孫の少年が5年ぶりに突然、現れます。
こんな祖父がいてくれることは、ありがたいですね。

「ふるさと銀河線」
高校卒業後は陸別の町に残り、福祉の勉強をしようと思っている星子。
兄と二人きりの家族なのです。
星子の演劇の才能を惜しむ周りの人々は‥?

「返信」
15年前に旅先の息子から来たはがき。
息子が急死、老夫婦は息子が旅した道をたどります。
陸別の、星降る夜に‥

「あなたへの伝言」
アルコール依存症になり、夫と別居したみゆき。
断酒会に入り、一日一日を真面目に生活しています。
夫がくれたインコと暮らし、明日飲んでしまうかもしれないが、今日は飲まない、と。
アルコール中毒の恐ろしさは、強烈です。お酒が体内に入ると劇薬に変わってしまう体質になったのだから、周りも協力しないとね。
それでも互いを思い合う夫婦の気持ちが切ない。

シチュエーションに工夫があり、しっとりした描写で引き込まれます。
既婚の女性が皆、卒業してまもなく見合いして、すぐ結婚したというケースばかりというのがちょっとだけ違和感でした。
真面目な普通の人に起きた問題を描いているからか。
いや、普通よりも真面目すぎるぐらいの人を描きたかったのかも。
漫画原作として書かれたのは、もっと前だった、ということもあるのでしょうね。
けなげな生きかたに、優しい気持ちを呼び起こされます。

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