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「養鶏場の殺人/火口箱」

ミネット・ウォルターズ「養鶏場の殺人/火口箱」創元推理文庫

英国ミステリの女王ミネット・ウォルターズの新刊。
趣向のある中編2本です。
面白く読めました。

「養鶏場の殺人」は実話をもとにした作品。
クイック・リードという企画で、本をあまり読みつけていない人にも楽しんでもらえるような作品として書かれたもの。
1924年に実際に起きた殺人事件で、裁判で主張がわかれ、あのコナン・ドイルが疑義を申し立てたこともあるそうですよ。

エルシーという女性がノーマンという年下の若者に教会で出会い、声をかけます。
親しくなった二人だが、ノーマンが失職、二人の将来には暗雲がたれこめました。
エルシーの性格にもかなり問題があったのですが‥
実名のままに経緯を手さばきよく描き、鬼気迫るシーンへ。真相も推理しています。
はたして、何が真実だったのか‥?

「火口箱」のほうは、ブック・ウィークにオランダで無償配布された作品。
読書好きの人に、普段は読まない分野のものを読んでもらう狙いだそう。

とある住宅街で老婦人と看護師が殺され、出入りしていた無職の男性パトリックが逮捕されました。
その後、パトリックの両親は、村の誰かから嫌がらせを受け続けます。
相談された女性シヴォーンは、見兼ねて警察に出向くが、取り合ってもらえない。
パトリック一家はアイルランド系で貧しく、村の美観を乱すようなガラクタを庭に放置し、イングランド人のひんしゅくを買っていたのです。
シヴォーンはアイルランド出身の女性だが裕福で、もしアイルランドにいるままだったら一家とは縁がないような関係。
一筋縄ではいかない登場人物に、村に渦巻く偏見と誤解が、どう絡み合っていくか。
緊張が高まっていくあたりはちょっと「遮断地区」を思わせます。

感じのいい女性シヴォーンの善意と意志が貫かれるのは、いかにもウォルターズらしい。
でも彼女にも、すべてが見通せているわけではないんですね。
意外な展開を楽しめます!
初めてウォルターズを読むのにも良いかもしれません。

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コメント

養鶏場の殺人……ボーダーにひっかかっちゃダメと、大学の心理学で教わりましたが、なんともその通りのお話でした。エルシーみたいな人はけっこう身近にいて、みんなから敬遠されていそう~
「火口箱」はさすがというか、ミステリの醍醐味が短いながら詰まっていて、うまいなあと思いました。見方を変えるとがらっと違う景色が見えてくるのがお見事!
また、他の作品も読んでみようかなと思います。

marieさん、
読まれたんですね~!
養鶏場の殺人、当時だいぶ話題になった事件のようですね。
ボーダーって境界例ってことですか(苦笑)
今だと発達障がいでしょうか。病名ついても治るってもんじゃないのが‥
昔はこういう困った女性ががみがみ奥さんになったり、変わり者でうるさ型のオバサンになったりしていたような‥
一歩間違うとこうなっちゃうのかも?
「火口箱」はそうなんです~見方を変えるとがらっと‥ていうところが、すごく面白かったです☆
ウォルターズは面白いですよ~^^

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