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「桜ほうさら」

宮部みゆき「桜ほうさら」PHP研究所

宮部さんの長編時代小説。
藩での騒動もありますが、主に人情ものかな‥
タイトルは、甲州では、色々あって大変なことを「ささらほうさら」ということから。

故郷を離れ、江戸の長屋で暮らす古橋笙之介。
長屋から見える桜の木の下に、珍しい切り髪の若い娘を見かけます。
桜の精のように不思議なそのひとは‥
ロマンチックな出会いです。

笙之介の父は、小藩の小納戸役でしたが、収賄を疑われて自刃。
まじめなのが取り得の実直な父が、そんなことをしたはずがない。
家族はばらばら、文武両道の兄は預かりの身となったのです。
父自身にも自分で書いたとしか思えないほど字が似ていた書状。偽の証拠を作った犯人を捜そうと江戸に出ることに。

江戸留守居役の東谷の紹介で、笙之介は貸本の村田屋の写本を作る仕事をしているのでした。
字を真似るのが巧みな人物を探すために。
ある日、押込御免郎という作家が書いたどぎつい話をもっと読みやすく売れるよう書き直してくれと頼まれ、笙之介はしぶしぶ取り掛かります。

料亭の絵を立体的に作ることが出来る起こし絵に興味を抱いたり。
桜の精のような女性は、和田屋の娘・和香。
事情があって家にこもりがちだった和香もアイデアを出したり、だんだんと協力する仲に。

将来を嘱望されていた兄に比べて、武道はからきしで特に優れたところがなく、誇り高い母には見放されていた笙之介。
気のいい青年が、さりげなく誠実に周りと関わっていき、しだいに居場所を見つけていきます。
長屋に生きる人々も、存在感があります。
タイトルの響きほどは、ほのぼのした話じゃないけれど。
巻き込まれる事件にもこの時代ならではの特色があって、しだいに繋がってもいき、さすが宮部さんと思わせます。

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