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「ゴッサムの神々」

リンジー・フェイ「ゴッサムの神々(ニューヨーク最初の警官)」創元推理文庫

ゴッサムとはニューヨークのことで、19世紀に始まったあだ名。
迫力ある歴史ミステリで、面白かったです。

1845年、ニューヨークでバーテンダーをしていたティム・ワイルドは27歳。
中背だがすばしこく、観察力に富んでいました。
地道に金をためていたのですが、大火事で仕事も財産も失い、兄のヴァルに創設されたばかりの警察に押し込まれ、巡査になることに。

アイルランドで飢饉が起きて、大量の移民が流れ込み、治安が悪化している時代。
大柄な兄のヴァルは町の暴れん坊でしたが、消防団のリーダーでカリスマ性があり、それなりの勢力もあって、警察の別な分署の署長になったのです。

血にまみれたネグリジェで逃げてきた少女がティムにぶつかり、ティムは下宿にかくまいます。
その少女バードの証言で、大量の死体が発掘され、大事件に。
ティムは、ニューヨーク警察本部長マッセル(実在の有名人)直属の刑事として、捜査することになります。

牧師の娘マーシーに想いを寄せていたティムでしたが、顔に大やけどを負ったため、連絡も取らないでいました。
マーシーは慈善のために、どんな貧民街にでも出向いています。
プロテスタントの牧師の娘マーシーがカトリックの貧民の慰問に行くのは、当時としては常識はずれなことでした。

大柄で強引な兄のヴァルと気が合わないティム。
深い確執の理由には、互いの誤解が‥
兄の放蕩のかげにも、じつは切ない思いが‥?

警察の権威も捜査方法も確立していない時代。
独特な隠語があって、同じ英語圏から来た人間同士でも、ろくに言葉が通じないこともあったとは。
うねるような街の情勢が熱っぽく描かれ、読み応えがありました。
センチメンタルな部分も貫かれて、いい読後感です。
作者はシャーロッキアン(シャーロック・ホームズのファン)だそうですが、ティムの人間像は「卑しい街を行く高潔な騎士」というハードボイルドの探偵のようでもありますね。

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