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「ソロモンの偽証 第Ⅰ部 事件」

宮部みゆき「ソロモンの偽証 第Ⅰ部 事件」新潮社

中学生の転落死を発端に描く大長編~宮部みゆきの話題作。
現代ミステリは5年ぶり?
さすがの描写力で、長さを感じさせません。

雪が積もったクリスマスの朝、中学の裏庭で2年生の柏木卓也の遺体が発見されました。
屋上から転落死したらしい。
一ヶ月前に不良グループ3人と揉めた後、不登校になっていました。
大出俊次をリーダーとする不良グループのせいという噂も流れるが、卓也の親が自殺と認めるような発言をしたことから沈静化します。
ところが、連鎖するように事件は起き続けて‥
大出の父親は横暴なタイプで、世間に対してはむちゃくちゃな態度で息子をかばいますが、家では暴君という。

同級生の急死にほとんどの女子は泣きますが、クラス委員の藤野涼子の目は乾いていました。
友達ではなくほとんど知らなかったためとはいえ、自分が冷たいのかと内心悩みます。
剣道部でも活躍する文武両道の涼子のりりしさはすっきり輝いていて、親子関係も含めて、重い話の希望になっていますね。
優等生(しかも美人)は嫉妬されることもあるけれど。

発見者の野田健一は大人しく、学校では目立たないようにしているタイプ。
家では不安定な母親を支えるため、何かと我慢を重ねてきました。
父親が家を売ってペンション経営に乗り出そうとし、反対しても聞き入れないことに絶望した野田は‥
親友のおっとりした向坂行夫がいいですねえ。

柏木卓也が頭はいいが超然とした孤立しがちな性格だったので、教師達は家庭訪問を重ねてはいたが、あまり急いではいなかったのです。
卓也は子供のころは病弱で、幼い弟に振り回される偏った生活に兄の宏之は苦しめられ、祖父母のもとで暮らしていました。

大出らにいじめられていた三宅樹理は、柏木が突き落とされるところを見たという告発文を作成、学校と、担任の森内恵美子と、藤野涼子に送りつけます。
藤野の父・剛は警視庁の捜査一課の刑事で、娘に来た見るからに不審な手紙を開け、学校へ向かいます。

森内はモリリンとあだ名される若い教師で、男子にアイドル的な人気はあるが、えこひいきするタイプでした。
森内のところに届いた手紙は、マスコミに流され、騒動に。
校長らが生徒のことを考えて伏せたことも裏目に出て、学校側のことなかれ体質が批判を浴びることにも。
ニュース番組の記者・茂木は涼子にも取材に来ます。
相次ぐ事件が噂ばかりで解明されないことに憤りを感じた涼子は、自分達で調査すると宣言します。はたして‥?

一人々々がそこにいるかのようにありありと描写されていきます。
それぞれの家にある思いがけない事情。
親の影響を強く受け、意志は持ち始めていても上手く伝えるすべも知らない子供達。
少年課の佐々木礼子刑事が、問題児を見る現実的なまなざしにも納得。

時代がバブル末期の1990年という設定なので、まず携帯が出てきません。
他にどんな意味があるのだろうか‥?
いじめの質やスクールカーストは違うのでしょうか。
重い内容だけど、重苦しすぎることはなく、先が知りたくなるばかり。
さすが宮部さんというか~最近のものでも、かなりいいほうですよね!

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コメント

sanaさんの記事を読んで、おもしろそう~!と図書館へ。予約をお願いしたら、運良く返還されたばかりで、2部まで借りることができました。楽しみです~

marieさん、
わあ、嬉しいです☆
ありがとうございます~!
ちょうど図書館に戻っている頃合なのですね。
面白いですから!楽しんでください~^^

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