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「ときぐすり」

畠中恵「ときぐすり」文藝春秋

「まんまこと」の麻之助シリーズも4冊目。
「しゃばけ」と違って妖怪は出てこないけど~幼馴染の若者3人組が助け合います。
感じのいい、お江戸の人情事件帖です。

高橋麻之助は、神田町名主・高橋宗右衛門の跡取り息子。
お気楽者と評判でのらりくらりと遊び暮らしていましたが、謎解きには才覚がありました。
前作で妻を亡くし、気が抜けたようになって過ごして1年。
見かねた父親に仕事を回されて、忙しく過ごしていました。

亡き「お寿ず」の遠縁にあたる「おこ乃」は、何かと麻之助の家に出入りしています。
14になり、最近急に娘らしくなってきたおこ乃をお寿ずと見間違えてしまう麻之助。
そっくりな少女の出入りを誰も止めないのかなとちょっと謎でしたが、疑問を投げかける人がやはり出てきて、それは‥?

麻之助の幼なじみの八木清十郎は同じ町名主の家で、既に跡を継いでいます。
女にもてるいい男だけど、自分から惚れた話は聞かない。
その清十郎が見合いを迫る親戚達の前から姿を消し、そのまま行方不明に。
別な出来事がしだいに結びついていきます。

やはり幼なじみの相馬吉五郎は侍で、堅物の見習い同心。両国橋界隈の若い者から慕われています。
同心の家に養子に入っていて、まだ十歳のそこの娘と許婚の身。
その吉五郎が三人の娘に恋されているというあらぬ噂が立ち‥?
店を出している町娘達もいきいきしています。

それぞれの設定を生かしたエピソードなので、わかりやすい構成。
前作で「お寿ず」さんが命を落としてしまうショッキングなラストだったため、少しずつ立ち直るんだろうなあと思いつつも、ちょっとはらはら。
麻之助の体調が悪いと「しゃばけ」とだぶっちゃいますね。
そこはかとない哀しさが時に漂うのはどちらにもあるし。
清十郎と吉五郎ははっきりした輪郭のある男性なんだけど、その割には前に出てこない印象。
物柔らかな作風なので、これはどうしてもそうなるのかな。

町名主が扱うちょっと困った揉め事や謎めいた出来事というのは、とっつきやすくて良いんですけど。
まだ少女の「おこ乃」ちゃんのほのかなエピソードが一番恋愛っぽいというか、印象に残りました。

盗賊の一味の下っ端だった少年を麻之助が助ける展開が、一番事態を動かす内容だったかな。
人助けをしながら、自分も元気を取り戻していくのでしょうね。
麻之助を見守っている人たちの優しい空気で~心地よく読めました。

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