フォト

おすすめ本

« サルエルパンツのしらゆきさん | トップページ | 白いドレスの幼SDリリィ »

「コージー作家の秘密の原稿」

G・M・マリエット「コージー作家の秘密の原稿」創元推理文庫

かなり評価の高いデビュー作。
皮肉とユーモアをまじえて描かれる大邸宅での事件ものです。

コージーミステリの大作家で裕福な老人サー・エイドリアンが、子供達に結婚式の招待状を送りつけました。
作品の内容とは裏腹に性格が悪く、遺言状を書き換えては子供達を振り回してきた父親なのです。
思惑通り、あわてて駆けつける子供達、
銀行家でやり手の長男ルーズヴェン。
画廊経営でナルシストな二男ジョージ。
売れない俳優の三男アルバート。
料理本を出した末の女の子(といっても40歳ぐらい?)サラ。
若い女との再婚と思ったら、相手のヴァイオレットは年齢はかなりいっているが堂々たる美人なのに驚かされます。
父親は本気だ‥

成金の父親は、領主館に偽もの本もの取り混ぜた骨董品を並べていました。
再婚相手も、長男の妻も、次男の恋人も、値段を推しはかる目で眺めるんですね。
子供達が幼いうちに母親は家を出て行き、傲慢な父親に振り回されながら育ってしまったのです。アルバートとサラの仲がいいのだけが救いかな。
料理女のミセス・ロマーノは腕は確かで、気難しい主人にただ一人好意を抱いているといってもいい人物。
その息子は執事だが、あまりやる気がない。
秘書のジェフリーはイギリス大好きなアメリカ人で、子犬のように元気いっぱい、イギリスらしい言い回しをアメリカ訛りでしゃべります。

個性的な登場人物が辛らつに描写され、退屈はしないけれど、感情移入もしにくいのよね。
2度3度と出てくるにつれ、なぜかみんな美形度が上がっていくのはご愛嬌?
コージー作家というのはあまり意味がなく、むしろアガサ・クリスティへのオマージュというか。
(エイドリアンが書いている人気シリーズは、村のおばあさんが探偵役なんですよ)
黄金時代のミステリのような内容ですね。
フェアプレイというほどじゃないけれど、推理はある程度できます。

デビュー作としてはかなり読ませますよ。
やもめのセント・ジャスト警部は悪くはないけれど、もっと個性をはっきりさせたほうが良かったのでは。
非の打ち所のない体格と部下に思われているって、読み落としそうだけど。他にも何かあるでしょ。
この後の作品で、作者はどう腕を上げたか?楽しみです!

原著は2008年発行、アガサ賞最優秀処女長編賞受賞作。

« サルエルパンツのしらゆきさん | トップページ | 白いドレスの幼SDリリィ »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/145558/58232070

この記事へのトラックバック一覧です: 「コージー作家の秘密の原稿」:

« サルエルパンツのしらゆきさん | トップページ | 白いドレスの幼SDリリィ »

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー

無料ブログはココログ

最近のトラックバック