フォト

おすすめ本

« そこにいる理由 | トップページ | 「ひなこまち」 »

「もつれた蜘蛛の巣」

ルーシー・モード・モンゴメリ「もつれた蜘蛛の巣」角川文庫

「赤毛のアン」で有名なモンゴメリのシリーズ外の作品。
1931年に発表されたので、晩年の作品といっていいですね。

ダーク家とペンハロウ家は代々、同じ村で婚姻を繰り返してきた間柄。
その長老格のベッキーおばが病の床について皆を呼び集め、家宝の水差しを誰に遺すかに注目が集まります。
次々に遠慮のない指摘を浴びせられながらも、水差し欲しさに我慢する一族。
きつい発言はそれなりに当たってもいるので、当人以外にとっては見逃せない面白さでもあったのです。
ベッキーおばは遺言を1年後に明らかにするという~その1年間の物語。

18歳のゲイ・ペンハロウは、一族で一番の美女に花開こうとしていました。
医者のロジャー・ダークはゲイを愛さずにはいられませんが、ゲイのほうは意識していない。
ノエルという恋人がいて、夢中なのだから。
ところが、幼馴染のナンがゲイにライバル意識を燃やし、ノエルにちょっかいを出します。

ヒュー・ダークと結婚した夜、実家に逃げ戻ったジョスリン。
そのまま何年もたつが、二人の間に何があったのかは誰も知らない。
そのいきさつとは‥?!

ビッグ・サムとリトル・サムは従兄弟同士で一緒に暮らしていましたが、ある日口論になり、小柄なほうのビッグ・サムは出て行ってしまう。
ドナとヴァージニアは、まだ若い戦争未亡人。
ピーター・ペンハロウは世界を股にかける探険家で、偏見からドナを悪く思っていましたが、ある日突然、恋に落ち‥?
中年のマーガレットは兄夫婦の家に住んで手伝いをする立場。「ささやく風荘」という家が好きで、いつか住みたいとあこがれていたのですが‥

一族の中の変わり者<月の男>ことオズワルドは、決して家の中に入ろうとしない放浪者。
それでいて皆のひそかな気持ちや動向を知っているんですね。
彼の存在も効いています。

存在感のある村人達がびしばし描かれるのは「青い城」と共通しています。
登場人物がもっと多くてしかも変人が多いので~最初は混乱するけれど、綺麗な娘ゲイの恋のいきさつが爽やかなストーリーとなり、孤独な少年ブライアンが最後に幸せになるので、心地よい結末。
心温まる読後感でした。

« そこにいる理由 | トップページ | 「ひなこまち」 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/145558/58070419

この記事へのトラックバック一覧です: 「もつれた蜘蛛の巣」:

« そこにいる理由 | トップページ | 「ひなこまち」 »

2018年8月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

カテゴリー

無料ブログはココログ

最近のトラックバック