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「ひなこまち」

畠中恵「ひなこまち」新潮社

「しゃばけ」シリーズも11作目。
若だんなこと長崎屋の一太郎と、いつもの面々が活躍、まとまった仕上がりで楽しく読めました。

短編連作で、冒頭の木札が最後まで引っ張ります。
「ろくでなしの船箪笥」「ばくのふだ」「ひなこまち」「さくらがり」「河童の秘薬」の5編。

「ろくでなしの船箪笥」は、小乃屋が、本家の祖父からの遺産として貰いうけるはずのもの。
これが、開けることができないので、何か貴重な品を隠してるのではと疑われ、本家と揉めてしまう。
相談に乗った若だんなは‥?
自ら店に行ける程度には元気なので、ちょっとほっとします。

「ばくのふだ」は近くで行われた寄席の場で、噺家に向けて刀を出した侍が。
その噺家はなんと夢を食う獏?
獏が絵馬から抜け出したので、あちこちで怪異が起こっていたという。

「ひなこまち」は雛小町。
大名家におさめる雛の顔のモデルに、江戸一番の美女を選ぶという催しが。
似合う着物を着て歩く娘達に、親も期待をかけます。
娘が身内にいない長崎屋の主人も、審査を頼まれました。
これが意外に波紋を呼び‥

「さくらがり」
花見にたくさんお弁当を持って行こうという若だんなに、手代の兄や達も機嫌よく支度に取りかかります。
前にもやったっけ、いや初めてだよねとぼんやり失ったパラレルな経験を思い浮かべながら‥
そこで出会ったお侍に、惚れ薬を欲しいといわれますが?

「河童の秘薬」
1話目に出てきた河童のお礼に、「さくらがり」で秘薬を貰った若だんな。
思いつめた女性・雪柳が現れ、どうも秘薬は効かなかったらしいと打ち明けに。
いつの間にか彼女についてきた迷子とは。
皆はいつしか異世界に来ていたのですが‥?

若だんなの具合があまり悪いと、読んでいるこっちも引きずられて寝込みそうになるので、普通な状態のときが長めに続きますように!お願いしたいです~☆
江戸の人情ものであり、妖怪の存在にも人間の心にも陰影あるとはいえ、基本は、可愛らしくほのぼのしているのがこの世界の一番の魅力だと思いますから。

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