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「アクナーテン」

アガサ・クリスティー「アクナーテン」ハヤカワ文庫―クリスティー文庫

古代エジプトを舞台にした戯曲。
ミステリではなく、有名な王アクナーテンの生涯のポイントを描いたもの。

多神教が信じられていた古代エジプト。
中でもアメン神殿が王をしのぎかねないほどの大きな勢力を持っていました。
アクナーテンの母である王妃ティイは、神官の横暴に不信を抱きつつも権力を守るために神殿と結びつき、息子の純粋さを心配しているところから始まります。
軍人のホルエムヘブは信仰心は薄く現実的でまったく違うタイプですが、まじめさに通じるところがあり、アクナーテンは親友と思うほどになります。

王位についたアクナーテンは、太陽神であるアテンのみを信じる一神教とし、遷都して芸術家を集め、皆が愛し合う平和で美しい都を築こうとします。
外敵に襲われた属国や友邦に援軍を送ることを拒み、大罪人も厳罰を与えずに穏やかに反省させようとするアクナーテン。
エジプトは混乱し、次第に衰退していく‥
美しい王妃ネフェルティティは夫を愛し続けますが、夫の宗教観を理解はしきれない。
貴族の少年ツタンカーテン(後のツタンカーメン)はネフェルティティの次女と結婚し、後継者となるのですが。
忠実だったホエルムヘブはついに耐え切れなくなり、王の暗殺を決意。
ネフェルティティの姉妹は野心家でホルエムヘブの妻となることを選び、後に王妃となるのでした。

ホルエムヘブが軍人から王になったのは史実で、第18王朝の最後の王。
アテン神信仰を異端としてアクナーテンら4代の事績を抹消したため、正確なことがわからないんですね。
そのあたり、空想を膨らます余地もあるという。

アクナーテンは、一神教をおこしたことでキリスト教社会では人気があるそう。なるほど。
紀元前1350~1334年頃の在位。
キリストの早すぎた先駆者といったところでしょうか。
(日本人にとっては、多神教を信じる庶民感覚もわかる気がするんだけど)
この時代についてはクリスチャン・ジャックの「光の王妃 アンケセナーメン」が詳しく、面白いですよ。アンケセナーメンは少年王ツタンカーメンの妃になった王女です。

アガサ・クリスティは考古学者マックス・マローワンと1930年に再婚。
この作品は1937年に執筆されていたが未発表で、1973年に刊行されました。
気に入っている作品だそう。
個性豊かな歴史上の人物をいきいきと描き出した筆致は乗っていて、気に入っていたのはわかる気がします。

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