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「喪失」

モー・ヘイダー「喪失」ハヤカワ・ポケット・ミステリ

読み応えのあるスリリングなミステリ。

車が強盗され、後ろの席には11歳の少女が乗ったまま。
カージャックが目当てなら、足手まといになる子供はどこかにおいていかれ、まもなく発見されると思われましたが‥?
子供は見つからず、緊迫した展開に。

キャフェリー警部シリーズ5作目だそう。
評価が高いので、初めて読んでみました。
この作品からでも読めます。

ブリストルのジャック・キャフェリー警部は、重大犯罪捜査隊の指揮を執っています。
スーパーの駐車場で、車が奪われた現場の緊迫した様子から、一気に引き込まれます。
フリー・マーリー巡査部長が、キャフェリーがロンドンから赴任する前に、似た事件があったことを指摘。

フリーは小柄な女性(フリーは通称)ですが、潜水捜索隊隊長。
冒険家で万能だった父の血をひいているのです。
じつは前作で、弟の起こした重大な事件の証拠を隠匿していました。
以来、仕事に身が入らず、仲間に心配されています。
キャフェリーとは内心惹かれあった仲でしたが、今はキャフェリーの目には苦い失望しかない。
その理由がフリーにはわからなかったのですが、実はフリーのしたことに気づいたキャフェリーは、フリー自身が罪を犯したと誤解していたのだ‥

キャフェリーには子供だった30年前に兄が誘拐され、ついに見つからなかったという経験があります。
ウォーキングマンというホームレスの男は、娘を誘拐した男を殺した過去がありました。
互いの過去を知る二人は、時折顔を合わせ、ウォーキングマンは謎めいた言葉で啓発し、キャフェリーはそれにすがるような思いを抱くこともあったのです。

警察官の地道な捜査と、被害者家族らの必死の思いと意外な人間関係、やがて出来上がる力強い連携が、きめ細かく描かれます。
その背景に、警察内部のキャフェリーとフリーが抱えている問題も濃い陰影を落とすのがユニーク。

フリーは土地勘を働かせて、少女のいそうな地点の捜索を主張。
大掛かりで危険な捜索が不発に終わったため、それ以上の主張が通らなくなってしまう。
見落としがある可能性に気づいたフリーは、単独で捜査に。
犯人の魔の手が迫る‥?!

作者は15歳で学校をやめ、バーメイド、英語教師など、さまざまな仕事を経験。
2000年、「死を啼く鳥」で作家デビュー。

1、2作は翻訳されていますが3、4作はまだ。
4作目は相当、暗そう。
その重さを知る読者には、この作品でのスリルと大転換がさぞ読みごたえあったことでしょう。
それもあっての受賞だったかなと思います。
東野圭吾の「容疑者Xの献身」も候補に挙がった2012年度のMWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞の最優秀長編賞受賞作です。

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