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「高慢と偏見、そして殺人」

P・D・ジェイムズ「高慢と偏見、そして殺人」ハヤカワ・ポケット・ミステリ

英国ミステリの大家P・D・ジェイムズによる「高慢と偏見」の続編。
みんなオースティンが好きなのね~。
実力派なのでしっかり書き込まれ、19世紀初頭の捜査や裁判もありありと。

「高慢と偏見」のあらすじが最初にまとめられていて、その辛らつさがとてもオースティンぽい。
5人の娘を持つベネット夫人が4人までを結婚させられたのは幸運だったと思われていると。
美しく優しい長女ジェーンの幸運な結婚は祝福されたが、次女エリザベスの不釣合いな結婚は驚きとやっかみを招いたと。
ダーシーとエリザベスは当初反発し合っていたことを狭い世界の誰もが知っていたし、ダーシーは名門で格が違いすぎ、エリザベスが女主人となるペンバリー館はその地方随一の広壮な館だったから。
さて、二人はその後どうなったのでしょうか?

結婚後6年、子にも恵まれた二人はむつまじく暮らしていました。
エリザベスは召使達を思いやることで心をつかみ、女主人役も何とかこなしています。
姉のジェーン夫婦は近くに住み、今もよき理解者。
ダーシーの妹には、縁談が持ち上がります。

大規模なパーティーの前夜。
末の妹リディアが突然馬車で乗り付けて、泣き叫ぶ。
夫のウィッカムが殺されたかもしれないと‥
男達は森を捜しに行き、倒れている男性を前に「僕のせいだ」と嘆くウィッカムを見つけることに。

ジョージ・ウィッカムは、ダーシーとは幼馴染。
ダーシーの遊び相手だったために甘やかされて思い違いをして育ってしまい、大きくなってから身分の違いを思い知り、ダーシーに反目するようになっていました。
16歳のリディアと駆け落ちし、リディアの一生を台無しにするところを、ダーシーが金を出して説得し、正式に結婚させたという。
無実を主張するウィッカムだが、裁判の状況は不利な展開に。
エリザベスのためにもと悩むダーシーは、事件を解決に導けるか‥?

ウィッカムの存在をほとんど忘れてましたね~。
不愉快な人間だから(苦笑)
でも確かにこういう結婚で義理の兄弟だと、後の人生に絡んでくる可能性はありましたね。
そのへんの目の付け所はさすが。けっこう面白い人物になっています。

エリザベスが才気煥発なところを見せるのがほとんどないのが、不満。
それがもっとあれば、ぐっと印象が変わったでしょうに。
ダーシーの育ち方や置かれた立場、そのためにエリザベスとの結婚が難しかったこと、深い愛情で今はどれほど幸福かといったあたりはしっかり描かれています。
事件のための忙しさでろくに一緒にいられない夫婦が、最後にしっとり語り合うのが、幸福な余韻を残します。

作者は1920年生まれ。
ミステリ作家として巨匠賞など多数の受賞歴があります。

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