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「レインツリーの国」

有川浩「レインツリーの国」新潮文庫

ネットで知り合った20代半ばの男女の恋愛もの。
聴覚障がいを持つ彼女の事情も含めて、丁寧に描かれます。

かって愛読した作品のラストが気になっていた伸行。
高校生が活躍するSFアクションもののハチャメチャな楽しさにはまっていたら、彼女が彼との別れを選ぶという結末にショックを受けたのです。
仕事にも慣れてきた頃、ネットで感想を検索してみたら、「レインツリーの国」というサイトを見つけます。
ひとみというハンドル名の女性が書いている感想に興味を持ち、伸のハンドル名で書き込むと、互いに好印象で、3日とあけずにラリーが続くようになりました。
会いたいという願いを最初は拒んだひとみでしたが、紀伊国屋で待ち合わせることになります。

重たそうな髪の少し野暮ったい彼女。
それは想定内でしたが、ところどころ不審な点があり、しまいに伸行は爆発してしまう。それは誤解だった‥
彼女は補聴器をつけていて、それでも聞き取れない場合があったのです。
障がい者枠で就職していましたが、身近な社員の理解を得られず、実は孤立している苦しみがありました。
いちいち説明なんかとてもできないと思ってしまいがちだけど、ほんとは説明したほうがいいことも‥そのへん、下手なところがあるんですね。

時にはぶつかり、行き違いを重ねつつも、また手を差しのべあう二人。
聴覚障がいについても適度に説明されていると思いますが、障がいに限らず、育ち方の違いやコンプレックスのあり場所などで、互いにこういった問題はよく起こるものと感じられます。
メールのやり取りがリアルでちょっとイタイ‥遠い昔に~身に覚えが‥?
そういう意味で、恋愛として普遍的なものを感じました。
彼にちょっと近づく女の子も、恋愛至上主義にしてはさばさばしていて、有川さんらしい。

めんどくさい女の子の気持ちを理解したいと思う寛大な伸。
その真っ直ぐさがまぶしい~!
何の苦労もしていないからではなく、彼にも人にはわかりにくいかもしれない経験があるのでした。
それを乗り越えた後だからの知恵の回り方。
「理屈っぽい」という理由で今まではフラれていたというのが笑えるけど。
お似合いなのね~ふふふ♪
用心して距離を置いていたのに、いつの間にか彼に甘えている彼女が、一歩ずつ成長していく甘~いお話です☆

図書館シリーズの2作目からのスピンオフ作品。
内容はこれだけで独立しているので、恋愛物が読みたいときにどうぞ!

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