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「都市と都市」

チャイナ・ミエヴィル「都市と都市」ハヤカワ文庫NV

SF/ファンタジーの各賞を独占した話題作。
「このミステリーがすごい!2013年版」でも7位になっていたので、読みました。

二つの都市国家ベジェルとウル・コーマは、欧州のほぼ同じ地域にあるという設定。
クロスハッチというモザイク状に交錯している部分もあり、かってのベルリンのように壁があるわけではないんですね。
目の前で何が起きていても、国境の外は見ないことになっていて、境界侵犯は犯罪なのでした。
<ブリーチ>という行為とみなされると、どこからともなく<ブリーチ>が現れ、違反者を連れ去ってしまう。

ベジェルの空き地で、女性の死体が発見されます。
ベジェル警察のティアドール・ボルル警部補は、二国間にまたがる不可解な事情に気づき始めます。
最初は事件を<ブリーチ>に任せるしかないと考えますが、被害者マハリアがアメリカ人とわかり、両親もやってきました。
この二つの国に来る観光客もいるが、入国前には念入りな講義を受けさせられるのです。この国で生まれれば8歳になる頃には身についていることを覚えなければ、見物も出来ないという。

マハリアがウル・コーマの考古学発掘現場にいた学生とわかり、ボルルはウル・コーマに赴きます。
許可を得て、コピュラ・ホールという巨大な建物にある公式のルートを通れば、境界侵犯にはならないのです。
ウル・コーマの上級刑事ダットと、捜査に当たることに。
マハリアは、二つの都市の間に第3の都市オルツィニーがあるという伝説を追っていたらしい。
警告の電話は、誰から来たのか?
二国を統一しようという統一派(ユニフ)の暴動が起き‥?!

最初のほうは、ミステリにはよくある出だし。
最後のほうは、アクション物でぐいぐい進みます。
でも一番の読みどころは、入り組んだ国境を見ないふりをして過ごすという架空の設定を念入りに描いたユニークさと酩酊感。
歴史改変じゃなくて現実改変みたいな。
時は2010年頃で、ハリー・ポーターもあればヒップホップもある、ジャパニーズコミックもあるという。
キャラもそこそこ立っているんだけど、感情移入はしやすくないので~その辺が盛り上がるのだったら☆5つなんだけど。

ヒューゴー賞、世界幻想文学大賞、ローカス賞、クラーク賞、英国SF協会賞を総なめ。
これまでの作品も評価が高く、ローカス賞とクラーク賞は3度目だそう。
著者は1972年生まれ。ケンブリッジで社会人類学の修士課程で学んだ後に国際関係論で博士号。
チャイナという不思議な名前は中欧系なのかと思ったら英国人で、坊主頭に片耳ピアスのパンク系ファッション。
作品中の統一派と同じようなタイプらしい?!

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