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「ひそやかな初夏の夜の」

リサ・クレイパスひそやかな初夏の夜のライムブックス原書房

壁の花シリーズ1作目。
後の作品を読んでいて、気になるので第一作にさかのぼりました。

19世紀半ばのロンドン。
社交界に出てはいるものの、結婚相手してとしては難があるため、ダンスパーティーでは壁の花になってしまう4人の若い女性がいました。
アナベルは、貴族で美人だけど、家が窮乏しています。
赤毛のエヴィーは、裕福だが家柄は普通で、極端に内気すぎる。
リリアンとデイジーのアメリカ人姉妹は富豪だけどもちろん貴族ではなく、英国上流社会のしきたりも知らない。
4人はふとしたことから仲良くなり、互いの夫探しに協力することになります。
ロマンス物のお約束の展開は、もちろんありますが~
4人の個性がかなりはっきりしているのと、19世紀半ばの事情をリアルに取り入れている長めの作品なので、苦味も含めた味わいで、波乱の多い内容になっています。

一番年上で24歳のアナベル・ペイトンが年齢的にも最後のチャンスなので、まずアナベルの結婚を実らせようという話に。
ウェストクリフ伯爵邸での3週間にわたる狩猟パーティーに加わり、独身のケンダル卿に近づいて、シーズンの最後には強引に結婚話まで持っていこうと4人で計画します。
一番美人のアナベルですが、父の死後に家計は窮迫していて、弟を学校に行かせ続けられるかも不安な状況。母は好きでもないある男性から援助を受けているらしいのがアナベルの心を重くしていました。

そんなとき、サイモン・ハントと再会。
肉屋の長男ですが、先見の明があり、今は実業家として一本立ちしています。
2年前にふとした出会いで、アナベルはキスされたことがありました。
サイモンはアナベルがとっくに結婚したと思い込んでいましたが、その後もずっと想っていた様子。

名家の出のアナベルは、貴族と結婚する以外考えられない。
当時の貴族女性としてそれは普通の価値観なのですが、産業革命で工場主などが成功し、新興の富豪が増え始めた変化の時代でもありました。
アメリカ育ちのリリアン達の明るさに触れ、重いスカートを脱いで人目のない野原で走り回ってゲームをしたりと、アナベルの生活も変わってくる。
気位の高かったアナベルが、いつしかサイモンを愛するように‥

結婚のいきさつもややこしいけど、結婚した後にも波乱が‥!
なかなか迫力のある展開です。
結婚しようとあれこれ悩むのはジェイン・オースティンの小説と似ていますが、ジェイン・オースティンだと基本的に狭い世界の、中の上ぐらいの階級の話。
半世紀ほど下った分の時代色が出ていて、「風とともに去りぬ」ほどドラマチックではないけど、オースティンにちょっとプラス?みたいな要素もあり~なかなか面白かったです。

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