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「チマチマ記」

長野まゆみ「チマチマ記」講談社

猫のチマキの手記として展開する可愛いお話。

宝来家に拾われた猫のチマキと弟のノリマキ。
もとはマーブル、チョコという名前だったのだが、飼い主とはぐれてしまったのです。
ノリマキはまだ幼くて、じゃれたい盛り。
うつぶせに足を伸ばして寝るという。ティーカップに入っちゃったり、ともう可愛い盛り♪
チマキはちょっとお兄さんぶっていて、けなげ。

宝来家のおかあさん小巻は、翻訳家。
カガミさん、こと鏡が息子で、就職が決まらず、めでたく宝来家のまかないとなっています。
カガミさんはとりわけ料理上手なんだけど、宝来家には他に料理のできる人はいないのです。
おかあさんはフリーペーパーに「コマコマ記」というエッセイも連載し、食べ物のことも書いていますが、その料理はカガミさんが作ったもの。

おかあさんの実家は松寿司という仕出し屋で、チマキらを拾ってくれたのもそこのおじいちゃん。
たらのすり身のふわふわだんごをふるまってくれました。
こういう風に、ひと手間かかった美味しそうなお料理が連発される内容。
お腹がすくこと請け合い~!

宝来家のおとうさんは既になく、前妻のマダム日菜子がアトリエは所有しています。高齢だがカッコイイ女性で、刺繍作家。
その息子が当主だけど、海外赴任中。
チマキがだんご姫と呼んでいる曜(ひかり)がその娘。
曜はすくすく育っていて、そのたくましさは好感が持てます。
曜の母親カホルは仕事の都合などで同居はせず、弟(曜の叔父)の桜川トホルのほうが用心棒代わりにとアトリエの2階に住んでいました。

この桜川くん、カガミさんにとっては学校の先輩で、微妙に緊張感がある間柄。
カガミさんには「女友達」である早っちゃんもいたりする。つまり‥
桜川くんは美男で、小学生のだんご姫に「悪魔」と呼ばれたりする天性のたらしだという。
つまり、片思い中らしい‥?ちらちら仄めかされるけど、あいまいなまま‥まだマタタビにも反応しないチマキにそんな微妙さがわかるのかしら?(笑)

カガミさんの料理が一つ一つ美味しそうで、栄養やカロリーも考えられています。
淡々としているけどちょっと気難しげなカガミさん。薀蓄もそれなりに面白いけど、カロリーについての話はややしつこくて、ちょっと謎。
内容はほとんど知っていることばかりで、知らない人は知ってもいいかもしれないけど、なぜここでこんなに?というか。

広い洋館に、複雑な関係の人々が住んでいることがだんだんわかってくるわけだけど~皆自分の仕事になじみ、美味しいものを分かち合って、和やかに暮らしているという。
近所の人はチマキの視点で書かれるため、最初は猫なのか人間なのかわからないけどね。
親しい人も(親しい猫も!)含めた交流があり~季節の楽しみ方が素敵です。
年に一度は、カロリーを考えないピクニックの日もあるのです~。

チマキとノリマキがあんまり可愛いので、もったいなくて一度本を閉じて休みました。
強引に引き込まれるようなストーリーはない、といえば、ない。っていうこともあります。
ほとんど波風も立たないけれど、あるとすれば‥
という問題も、ラストでさりげなく解決?

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