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「夜の国のクーパー」

伊坂幸太郎「夜の国のクーパー」東京創元社

独特なテンポでゆったり語られる寓話的な作品。
何か頭をかき回されて、考えさせられるような内容です。
猫の視点での部分が、かわいくて面白い。

悩みを抱えた「私」は、仙台から舟をこいで海に出ました。
気がついたときには蔓でぐるぐる巻きにされ、胸の上には子猫が乗っていたのです。
トムと名乗る猫に、話しかけられ‥?

猫のトムが住む国では、鉄国との8年にわたる戦争が終わり、鉄国に支配されることになったらしい。
鉄国の兵隊が乗ってきた馬というものも、初めて見る動物でした。
王である冠人(かんと)が心配することはないと広場で皆に話していたのに、鉄国の兵隊は冠人に銃を向けます。
冠人の息子の酸人は、鉄国に取り入ろうとする様子。
外出禁止令が出るが、人々はひそかに頑爺の家に集まり、今後のことを相談します。
猫達も何気なく傍にいて、ずっとそれを聞いていました。

国の外にある杉林の中で、巨大な杉が一本だけ、ある日動き出すという現象が起きるという。
クーパーと呼ばれるその杉を谷底に落とすために選ばれるのが、クーパーの兵士。
それは名誉なことだったが、兵士が故郷に戻ってくることはない。
ただ本当に大変な危機になったとき、クーパーの兵士が町に戻ってくるという言い伝えもありました。

猫にとって、鼠とは、見れば身体に震えがおきて追いかけずにはいられなくなる存在。
ところがトムは鼠に話しかけられ、襲わないように約束してくれと頼まれます。鼠が話せるとは知らなかった猫達。
本能だから、仲間を説得するのも難しいのですが。

クーパーの兵士は、本当にいるのか?
鉄国との戦争とは?
鼠と猫の関係は変わるのか?
どっちへ転ぶかわからない前半は、??と思いつつ、ひたすら読み進むしかありませんが~後半の展開はなかなか読ませます。
2012年5月発行。
書き下ろし長編としては10作目だそう。

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