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「警視の偽装」

デボラ・クロンビー「警視の偽装」講談社文庫

警視シリーズ12作目。
毎回楽しみなレベルの高さです。
どの作品から読み始めても大丈夫ですよ。

警視ダンカン・キンケイドと、巡査だったジェマ・ジェイムズは、もともと上司と部下の名コンビ。
恋人になった当初は、周囲に二人の仲を隠していました。
ジェマが警部補に昇進してノティング・ヒル署に移動し、今はそれぞれの子連れで同居していますが、いまだに結婚の決意はつかない。

ジェマは友人に頼まれて、オークションに出たブローチの調査を始めます。
年上の友人エリカはユダヤ人で、ブローチは父の形見で行方知れずになっていた品でした。
アンティークのオークションの世界の事情も出てきて、興味深いです。

ところが、ブローチに関係した人たちに、次々に死者が‥?!
ダンカンは、事件の担当になるよう申し出ます。
ジェマは担当ではないのですが、個人的に捜査に参加。エリカが話さなかったことにも気づくことに。
エリカが夫婦でイギリスに渡ってきた1940年代の出来事が、長く暗い影を落とします。
この部分が重厚で、魅力を増しています。もうこれぐらいお手の物という書きっぷり。
第二次大戦中の出来事を絡めた内容は、サラ・パレツキーの「ビター・メモリー」やS.J.ローザンの「シャンハイ・ムーン」に相当する感じでしょうか。

ジェマの母親が倒れて入院したため、ジェマは仕事の大部分を有能な部下のメロディ・タルボット巡査に任せ、自由に出入りする許可を得ます。
このメロディと張り合うような~ダンカンの部下ダグ・カリン巡査部長との関係も今後、面白そう。

頑固な父とジェマはもともと上手くいかないところがあり、互いに心配でぴりぴりしているためにさらに気まずくなってしまう。
しかしこれは、家族のことをもう一度考え直す機会ともなります。
優秀な長女を自慢に思いながら、どこか脅威にも感じてつっかかっていたという、父の本当の気持ちをジェマは病床の母に教えられて‥?

人の話を聞き出すのが上手い親切なジェマは、ダンカンの息子キットとの関係に悩みますが、キットにとっても既に良い母親。
キットがジェマの父の店を一生懸命手伝うシーンも。なんていい子なのー!
複雑に絡み合う多くのことがあった後だけに、いよいよ心を決めるジェマ。
ほのぼのと心温まる~未来の見える結末でした。
2009年のマカヴィティ賞最優秀作品賞を受賞。

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