フォト

おすすめ本

« 「りかさん」 | トップページ | にゃぁ »

「毒の目覚め」

S.J.ボルトン「毒の目覚め」創元推理文庫

MWA賞受賞作。
イギリスの田舎町を舞台に、蛇をめぐる異常な事件に立ち向かう女性獣医のミステリ。

クララ・ベニングは、野生動物病院の獣医。
自然が豊かで、年代の古い家屋敷がまばらに建ち、住人は少ない静かな村に住んでいます。
人付き合いが苦手で、同僚に肩を触られるのも嫌なクララ。
それには、理由がありました。
赤ちゃんのベッドに蛇がいると近所に住む若い母親に助けを求められ、無事に捕まえます。
同じ日に父と姉からはしきりに電話がありましたが、家族のもとへはすぐには向かわないクララ。

その後、蛇に噛まれて死んだ男性があったと聞きます。
クララは専門家として招かれ、地元の名士の館で開かれた、蛇退治に乗り出そうとする住民の集会にいやいやながら出席。
蛇に噛まれて死ぬことなど非常にまれで、イギリスでは野生の蛇を殺すことも禁じられているのですが。
一同にストップをかけたマットは、クララの家の裏手に建つ家に住む男性。実は警官だったのです。

今は住む者がいないはずのウィッチャー家の古い館で、死んだはずの老人の姿を見かけ、目を疑うクララ。
そういえば葬式はなかったのだが‥まさか?

蛇がたくさん入り込んだという家に駆けつけたクララは、マットが捕まえようとしている蛇を見て驚愕。オーストラリアに住む世界一危険な毒蛇タイパンだったのです。
何者かが違法に持ち込んだのか‥いったい、なぜ?!
世界的な爬虫類学者ショーン・ノースの教えを請うことに。

顔に傷跡があるヒロインですが、実はそれ以外は綺麗で、他の人はいつまでも気にはしないということに、やっと気づきはじめます。
村の過去の事件まで、さかのぼる展開に。
スリリングで緊張感がみなぎり、密度の高いサスペンスとして、水準高くまとまっています。

蛇がたくさん出てくるホラー的な作品だとしたらあまり好きになれないかも?という疑問もあったのですが。
野生動物全般に愛情深いまなざしを向けるヒロインが、蛇の美しさに瞠目する様子に、違う視点で見ることが出来るようになりました。
イギリスに毒蛇タイパンがいるなんて、タイパンに対する虐待なんですね!
故郷に帰った「癇癪持ちのクララ」(捕まったタイパンにつけられた名前)、よかったね。

« 「りかさん」 | トップページ | にゃぁ »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「毒の目覚め」:

« 「りかさん」 | トップページ | にゃぁ »

2019年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

カテゴリー

無料ブログはココログ

最近のトラックバック