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「時の娘 ロマンティックSF傑作選」

R・F・ヤング ジャック・フィニイ他 「時の娘 ロマンティック時間SF傑作選」東京創元社

タイムトラベルものの短編集。
往年の名作ばかりで、タイプの違うものを取り揃えてあります。
SFにしてはかなり読みやすい方。
ロマンチックなのがやっぱり好きかな。
これは日本人の特性らしい?
「夏への扉」や「たんぽぽ娘」がオールタイムベストにいまだに入るのは日本だけだそう。

「チャリティのことづて」ウィリアム・M・リー
1700年のマサチューセッツ。
11歳の女の子チャリティは熱にうなされ、不思議な光景におびえます。250年後に同じ土地で、高熱を出したピーターと、互いに見ているものが繋がったのです。
魔女狩りにあいそうになったチャリティに知恵を貸すピーター。
そして‥?

「むかしをいまに」デーモン・ナイト
人生をさかのぼっていく男サリヴァン。
彼だけではなく、この世界ではそういうことになっているという設定?
どうやら死んだところから始まり、長い結婚生活の後に出会いがあり、出会う前の孤独がやってくるのです。
技巧的な小説ですが、なくなった母親が生きているのと出会う喜びで締めくくられるのが感動的。

「台詞指導」ジャック・フィニイ
若くて美しい映画女優ジェシカと列車に同乗することになった台詞指導係ジェイク。
実はジェシカには役に必要な経験も演技力もなく、撮影が困難なのは目に見えていました。
今はない古いバスを撮影に使うことになり、深夜に衣装を着て、試運転に乗り出します。台詞指導係も車掌の服で。
ジェシカはそのとき出会った男性に一目ぼれされるが、実はバスは過去の時代に入り込んでいたのです。
そして撮影当日‥?!

「かえりみれば」ウィルマー・H・シラス
ミセス・トッキンが30歳のとき、15歳にさかのぼってしまったという話。
もっとうまくやれたのにと教授に話したことがきっかけでしたが。
15歳のときの学校の勉強が意外に大変で、すっかり忘れているため大変な目に遭う。
一週間の出来事でしたが‥

「時のいたみ」バート・K・ファイラー
妻のサリーのもとに10年をさかのぼってきたフレッチャー。
36歳にしては急にふけてしまったが手当をして身体も鍛え、おかしくはないぐらいになれました。
妻の危機を助けるために戻ったのだと気づきますが‥?

「時が新しかったころ」ロバート・F・ヤング
白亜紀後期にタイムトラベルして調査にやってきたカーペンター。
トリケラトプスに見えるトリケラタンクに乗っています。
子供が二人いるのに気づいて仰天。誘拐されたという姉マーシーと弟スキップは、その時代の火星人だという。
当時の火星は生物が住める環境で、文明が非常に進んでいたという。
子供らを守りながら恐竜と誘拐犯と戦い、出来るものならカーペンターのいる時代に連れて行きたいと思いながら、やむなく別れを覚悟します。
ところが‥?
これが好き~!

「時の娘」チャールズ・L・ハーネス
三人の男を愛したと語り始める女性。
その母親は、未来を予言する能力がある占い師として富豪になったのです。
娘はそんな母を嫌っていましたが、新聞の見出しをひたすら暗記するという妙な教育を受けていました。
行方不明の父親の事を聞いたところ‥
原題は「クロノスの子供」といった意味で、クロノスは時の神。

「出会いのとき巡りきて」C・L・ムーア
ありとあらゆる冒険をして生きてきた荒っぽい男エリック。
時間旅行を発明したというダウ博士の提案に乗り、時間旅行に出ます。
スモークブルーの瞳をした印象的な美女に、さまざまな時代でめぐり合うことになりました。
同一人物というわけではなく、生まれ変わり‥?
そして‥

「インキーに詫びる」R・M・グリーン・ジュニア
失った音楽的才能を捜し求めて、過去へ旅をするウォルトン。
過去の自分と出会うことが可能らしい設定。
うまくいかなかった恋人モイラも絡み合って登場します。
ちょっとジョナサン・キャロルを連想する酩酊感で、目まいがします。こういうのをキャロルは好きだったのかな。

とても良い企画だと思うけど、ただ「時の娘」というタイトルにはちょっと。ジョセフィン・テイの名作に乗っかり過ぎ!あれはSFじゃないし~
「真理は時の娘」という言葉から来ている歴史ミステリ。
こちらの原題はこう訳しなくなる気持ちはわかるけど~訳さなければならないタイトルではないですね。
とはいえ、ツボにはまりました!

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