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「特捜部Q ―Pからのメッセージ」

ユッシ・エーズラ・オールスン「特捜部Q ―Pからのメッセージ」ハヤカワ・ポケット・ミステリ

デンマークの警察小説。
シリーズ3作目にして、最高傑作。(4作目も出たようです!)

コペンハーゲン警察本部の、特捜部Qで働くカール・マーク警部補。
じつは予算を得るために新設された部署で、署員は体よく左遷されたカール・マークのみ。
助手はシリア出身の移民アサドだけで、母国では知的職業にあったらしく有能ですが、警察官ですらありません。
ここに、秘書として変わり者の女性ローセが入ったのが、2作目。

事件は、少年二人が監禁されている状況から始まり、瓶の中に助けを求める手紙を入れて流すという出だし。
この手紙が外国へ流れ着き、まわりまわって特捜部へ。
必死に書かれたかすれた文字を判読しようとするローセら。

一方、夫に疑惑を抱く妻。
入ってはいけないと言われていた部屋をのぞくと、別人の名前の夫の写真が‥

視点をつぎつぎに変えて、犯人の側からも、描かれます。
何も知らない妻との生活。
犯人自身の過去。
そして今、次の標的を選び、近づいていく。
一般社会とあまり交わらない生活を送る家庭の子供を狙っている‥

カールは、銃撃事件で全身麻痺となった同僚ハーディを、病院から自宅に引き取ります。
絶望を見ていられなかったのです。
下宿人が家事に堪能で人がいいので、可能だったことですが。

奔放な妻に出て行かれて以来、恵まれなかった私生活。
担当カウンセラーのモーナを好きになったが、彼女は海外へ行ってしまいました。
帰国したモーナが、何か吹っ切れたようにカールとの交際に応じて、しばしハッピーなひととき。

なぜか突然ローセが休暇をとり、双子の姉ユアサが代役として勤めだします。
そっくりな顔でローセとは正反対の服装、強引に居座る姉にあぜんとするカール。
カールの身近ではテンポのよい喜劇のように、あれこれ巻き起こり、振り回されるカールは少々気の毒ながらも、軽快な筆致で息抜きになっています。

被害者とその家族の切ない思いが、胸に迫ります。
視点の切り替えが頻繁なのにわかりやすく、犯人の正体に気づき始めた一般人も絡んでの追跡が盛り上がり、見事なお手並みでした。
北欧5ヵ国で選ばれるミステリの最高賞「ガラスの鍵」賞を受賞。

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